mmpoloの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2014-06-24

[][]とりとめなく色について:あしたのジョールビーロウムシ



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 東京京橋にブラザーのショールームがある。そのプリンターの宣伝キャラクターとして『あしたのジョー』と契約しているようで、ビルのファッサードにジョーや丹下段平白木葉子などのイラストが大きく貼り出されている。この色彩が見るたびに違和感を覚えさせる。

 『あしたのジョー』はモノクロだったのではないか。ブラザーがキャラクターとして採用するに当たって独自に着色したのだろう。明るい原色で蛍光カラーっぽく軽い色なのだ。それがジョーのキャラクターと不調和に思えるのだ。ジョーって暗くて重い地味な印象が強い。だからこのブラザーの色彩には違和感が強い。

 多分、広告代理店がブラザーに対して、「明るい軽い色を採用することが異化効果なんですよ」くらい言ってプレゼンしたのではないか。イカに止まって効果にまで達していない。

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 この写真は、神奈川県立近代美術館 葉山の入口の植栽でおそらくヒサカキ寄生していたルビーロウムシの群生だ。ルビーロウムシは昆虫カイガラムシの仲間。これは雌成虫で枝に固着して動くことはない。黒っぽいのは背中に背負った蝋質物でこれで外敵から身を守っている。ルビーロウムシの名前はこの色が宝石のルビーを思わせるから命名されたことになっている。

 なんでこんな汚い色がルビーなんだと言えば、本種がカイガラムシの世界では赤っぽい部類に入るのでそう命名されたのだろう。とくにカイガラムシ類のなかのロウムシ属はツノロウムシやカメノコロウムシなど、白っぽい種類が多いのだ。ちょっと違うが「鳥なき里の蝙蝠」という諺を思い出した。この諺は本来、能力がないのに重役に抜擢されたのは他に適材がいなかったから、というような場面で使われる。鳥がいなければ蝙蝠も鳥と見なされる訳だ。ルビーロウムシの色の例はむしろ美人の概念に近いかもしれない。どちらも相対的な評価だと思えば。

2009-10-16

[]アマチュアの仕事


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 これは東京都のシンボルマークと日本化薬株式会社のコーポレイトマークだ。二つに共通するのはいずれも公募によって素人がデザインし、選ばれたものをプロのデザイナーが修正したものだということ。もう一つ共通する性格はどちらも垢抜けてないことだ。

 以前勤めていた会社のオーナーは植物図鑑を執筆しているにも関わらず文章が下手だった。本人もそれを自覚していて、書いた文章の推敲を頼まれた。それはとても難しい仕事だった。てにをはを直してもそれは大きな解決にはならない。といって根本的に直してしまってはもはや本人の文章ではなくなる。それは彼の望むところではないだろう。骨格をいじらないで修正するのは至難の業なのだ。私にはうまくできなかった。

 東京都日本化薬のマークがダサイのも同じ理由だ。公募で選ばれたデザインを根本的に変えるわけにはいかない。修正は大きな制約がある。残念ながらこれらがその結果なのだ。

 どうすれば良かったのか。プロのデザイナーに競作させて、それを素人が選択するという方法が最も妥当なやり方だろう。

 オーナーは文章が下手なのになぜ植物図鑑を執筆することができたのか。俺は、と彼が言っていた、牧野植物図鑑と大井次三郎の新日本植物誌と北村四郎の植物図鑑と笠原安夫の雑草図説、それに長田武正の帰化植物図鑑とイネ科植物図鑑を机の上に並べて原稿を書くのだ、と。