mmpoloの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-06-24

[]日本大学文理学部 編『知のスクランブル』を読む



 日本大学文理学部 編『知のスクランブル』(ちくま新書)を読む。副題が「文理的思考の挑戦」で、日本大学文理学部の18人の研究者が、自分の専門領域を語っている。哲学、歴史、国文学中国語中国文化学英文学ドイツ文学社会学社会福祉学教育学、体育学、心理学地理学地球科学数学情報科学物理学生命科学化学と幅広い。ただ全体で300ページ足らずの小さな新書だ。担当するページは一人約15ページと少ない。

 哲学永井均が書いている。永井の哲学はかなり特殊なものだ。これが哲学を代表するというのはちょっと辛い。国文学の佐藤至子は古典と二次創作パロディ―という意外な視点で語っている。中国語中国文化学の三澤真美恵は映画を取り上げている。三澤は侯孝賢ホウ・シャオシェン)の『悲情城市』や揚徳昌(エドワード・ヤン)の『クーリンテェ少年殺人事件』などのニューシネマの後の長期低迷を救ったのは、魏徳聖ウェイ・ダーション)の『海角七号 君想う、国境の南』だという。ではこの映画は見てみなくちゃ。

 マイルズ・チルトンの英文学についての文はいただけない。単純に英語が世界の中心言語だというテーゼを何ら疑うことなく前提としている。ドイツ文学初見基はナチとユダヤ人問題を取りあげている。教育学広田照幸はシロウト教育学批判し、教育学が簡単でも単純でもないことを教えてくれる。体育学の青山清英が現象学哲学フッサールを引用していて驚いた。地理学の矢ケ崎典隆も面白い。砂糖を取り上げてサトウキビやテンサイの栽培地の変遷や加工地の盛衰を教えてくれる。

 地球科学の安井真也は火山を取り上げている。浅間山噴火を例に火山の仕組みを詳しく語っている。それが概論に通じているから興味深い。市原一裕の数学に関する話も難しかったが面白かった。物理学の十代健はウイスキーの水割りを例にとってブラウン運動を説明してくれる。その中で、むかし通っていたスコッチバーのマスターから美味しいウイスキーの飲み方を教わったと、その飲み方を披露している。まずストレートで飲み香りを楽しむ。次に1滴か2滴の水を垂らす。ほとんどストレートのままだが嘘のように味がマイルドになるという。これ実行してみたいが、家にウイスキーがない。

 どの学問もその輪郭は知っているつもりだったが、なかなか面白かった。日大文理学部の宣伝でもあり、各学科の紹介でもあるのだろう。受験生にとってとても参考になるのではないか。また私のようなおっさんにも十分役にたったと思う。


2010-01-29

[]哲学者木田元外国語勉強法



 木田元ハイデガー哲学現象学専門家だ。事情があって農業専門学校から東北大学哲学科に入学したので、外国語を学んで来なかった。それで独学で外国語に挑戦する。その学び方が「なにもかも小林秀雄に教わった」(文春新書)に描かれている。

 ここで、受験勉強中身につけた自己流の語学独習法が役に立った。私のは、近代語なら1,2ヵ月、ギリシア語ラテン語のような古典語でも3ヵ月、短期的には1日十数時間くらい休まずに続けて、動詞の変化や基本的な単語をムリやり憶えてしまうというやり方である。ひとが怠けながら3年かけてやるくらいの時間はやることになるわけだし、つめてやるから、もっと能率がよい。それがすんだら、小さいものでよいから、その言葉で1冊本を読むこと、これで大抵マスターできるものである。1年目ドイツ語、2年目ギリシア語、3年目ラテン語大学院の1年目にフランス語、毎年4月から6月までを語学月間と勝手に決めて、うまくやった。

 外国語上達法といえば、チェコ語学者千野栄一の「外国語上達法」(岩波新書)を忘れてはいけない。

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)

なにもかも小林秀雄に教わった (文春新書)