ファシリテーター2.0

日本ファシリテーション協会の関西支部10月度定例会で、ワークショップやってきました。

設定したテーマは、「自分の目指すファシリテーター像を描いてみよう!〜ファシリテーター2.0〜」。

チームの場作り、組織の活性化、地域活動の推進など、ファシリテーションスキルは、幅広い業種、あらゆる場面で活用されています。 ファシリテーターが使うテクニックやツールの研究も進み、書籍などの情報も充実してきました。しかし、ファシリテーションは幅広いスキルである一方、現場や場面によって求められる技術も違ってきます。 さらに、スキルを身につける人の個性や強みに応じて、ファシリテーターのタイプも様々です。
今回のワークでは、簡単な自己分析と、グループワーク・ディスカッションを通して、 参加者のみなさんの持つスキルからファシリテーターとして伸ばしていくべきこと、他のメンバーが持つスキルで、 自分も身に付けたいものを導き出すことに挑戦してみました。

自分にとってのファシリテーターとしての次の目標「ファシリテーター2.0」を考えるワークショップという設定です。

もともと「ファシリテーション」についてよく考えられている方の多いファシリテーション協会の定例会でのワークショップということで、とてもたくさんのフィードバックをいただきました。

内輪ネタをはずした資料(ちょっと臨場感はそがれていますが。)はこちらに公開したので、全体の流れはそちらを参照してもらうとして、ここでは、ワークショップで得られたことのまとめを書いておきます。

「考える」ことに主眼を置いたワークショップ

ワークショップというと、実際に体験しながら、ディスカッションしたりして、かなり「動く」ものが多いのですが、今回のワークショップで特徴的だと思うのは、ほとんどの時間を「考える」ことに使うということ。あまり「動かない」ワークショップになります。
私自身の経験なのですが、こういった機会でも無いと、なかなかじっと「考える」時間というのは意外と少ないように感じています。
日ごろあまりできない、「じっと考える」ということを「やってみる」ことで、新たな発見をしてもらうことが狙いにありました。
ちょっと前にブームになった「GTD」では、この考える時間を自分の仕事・行動のフレームワークに組み込むことが、新しい発見とか、やりきった感を出せる仕掛けになっていたと思います。
幅広い業種から集まっていただいた参加者のみなさんの思考過程からどのような結果が導かれるかは予想もできませんでしたが、驚くほど多くの意見、想像もしなかった手法など、期待を上回るフィードバックが得られました。

  • 「自己分析が楽しかった」
  • 「考える姿勢が重要」
  • 「手法やプロセスにとどまらず、本質を見ることができた」

など、うれしい意見も多数いただきました。
このように、じっくり考える機会は、継続的に持つべきだと考えています。
今後も、是非やってみてください。

理想を語ることで、壁を取り除く

自分の目標設定といっても、一人で考えるだけでは、広がるイメージに限界があります。
この限界を乗り越えるために、是非やってもらいたいのが「理想」を描くこと。いろんな仕事や役割を経験すると、ある分野に強い知識やスキルを習得できる一方、リスクもたくさん見えるようになり、知らず知らずのうちに、自分で「壁」を作ってしまっている可能性があります。理想を描いて、実現が難しいだろうと思われることも、どうやったら出来るのかを考えるきっかけになります。加えて、壁を乗り越えるために簡単にできることが、複数人で考えてみること。今回のワークでは、グループで「究極のファシリテーター像」を考えてみました。結果、こんなスキルもあるのか!などの発見が得られた方も多かったようです。さらに、超能力的なファシリテーション・スキルなども提案されました。現時点では笑い話に留まっていますが、うまく実現方法が見つかれば、革新的スキルに化ける可能性だってあります。理想を語ることで、壁を取り除くということを体験していただけたのではないかと思います。
あと、あるグループでは、究極のファシリテーターに必要なスキルを、固定的に考えず、「理想は常に変えていくべきもの」という結論に行き着いたそうです。

横軸にBE(今ある姿)→DO(やるべきこと)、
縦軸に見えていないもの→見えているもの、
というマトリクスをつくり、そこに、スキルをマッピングしておく。このスキルの位置関係は変わることが理想的だ、ということだそうです。
ワークの中で、このようなすばらしいアウトプットが得られるのは凄い!

良いマインドマップとは?

今回のワークショップで自己分析にマインドマップを使いました。マインドマップが主題ではないため、かなり端折って説明しましたが、初めてマインドマップを描いたという方も多く、「良いマインドマップ」とは何か?という議論もありました。
ふりかえりでまとめた、良いマインドマップが書けたときの成果が面白かったので、まとめておきます。

  • 自分のイメージとリンクする
  • たくさん書き出すことができる
  • 新しい気づきを得られる
  • 書きつくした感を得られる
  • 新しい分類の発見

これからマインドマップを描く際には、意識したいと思います。

ふりかえりでとことん語り合うこと

今回のワークショップは、「考える」ことがテーマであったため、かなり時間に余裕をもってプログラムを組みました。特に、最後のふりかえりは、全員で輪になって、ゆっくり語り合うことができた、という実感があります。
ワークショップは、多様な人が、同じ時間、同じテーマで考える場。最後のふりかえりが醍醐味と言えるかもしれません。ふりかえりからワークショップを組み立てる、ぐらいの心がけを持って、今後の活動に活かしたいと思います。