『湘南爆走族ファンブック』を読んだ

湘南爆走族の登場人物、ストーリー、登場バイク、作者のインタビューを大きなサイズで楽しめる、まさにファンブック。


湘爆の、そしてこの一冊の魅力は語ろうとすればいくらでもできるけれど、ファンブックの中の以下の言葉が全てを表していると感じた。

「同時代に青春を過ごしていなくても、オートバイに乗っていなくても、共感できて楽しめる作品が「湘南爆走族」。作中に「暴走族そのもの」を否定するストーリーがあり、単なる「バイク漫画」や「不良漫画」ではないことに気付かされる。ここまで幅広く支持されているのは、その価値観が時代や流行に左右されない「つっぱらかる大事なものは何か」を重要なテーマにしているからではないだろうか。」


ファンブックの中には名作「朝顔の君」三部作が生原稿版で収録されている。朝顔の君は大好きな話なので、これが生原稿版で読めるのは嬉しい。これに加えて修学旅行の話が入っていればもう最高だったな。あの話も大好き。


湘南爆走族は小学校の頃年の離れた従兄弟からもらったマンガの中の一つで、読み始めてあっという間に夢中になった。茅ヶ崎、辻堂、藤沢、江の島といった土地で江口たち湘爆がいきいきと過ごしている。バイクだけじゃなく高校生活やそれぞれの家族も描かれていて、単なる暴走族マンガではない。むしろ一般的なイメージ最悪の暴走族とは異なるイメージで湘爆は描かれている。だから気持ちのよい面白さがある。
大体同じ頃にサザンにも出会って、ここでも茅ヶ崎という地名を聞くことになる。今でも湘爆とサザンが好きで、湘爆にもサザンにも出てくる茅ヶ崎でサザンを聞き、バイクに乗っている。小学校の頃の自分に今の自分の話したらさぞ驚くだろう。人生とは不思議なものだとつくづく思う。