バンクーバーオリンピック 男子フィギュアスケートフリー

いやぁ、今も興奮冷めやらない。本当に楽しかったです。結果に色々と物議を醸している部分はあれど、心に残る演技を一杯見せて貰えてありがとうって言いたいです。特に日本勢3人。誇りに思いたいです。これからは世界大会も必ずちゃんと見るし、必ずバンクーバートリオを応援したいと思いますわ。

第1グループからほぼ休みなしにずっと見てたんですが、4時間はあっという間でした。全く早送りもせずに、演技後のキスアンドクライまでそのまま見たんですが、あの演技から得点発表までの独特の緊張感はさすがオリンピックは別格というか。笑顔の人、表情が強張った人と色んな表情があって、そして得点が出た瞬間のあの開放感というか・・・・・・・あれは実際に生での空気はまた凄いんだろうなぁ。フィギュアは一度観戦してみたいですね。
今回のオリンピックは実力者がことごとく悪夢のような失敗をしていたので、第1グループの1番滑走がトマシュ・ベルネルというとんだ番狂わせなスタートでした。ベルネルは本来の演技を殆ど出来てなかったんだけど、4回転を綺麗に飛んで意地を見せてくれたのが良かったなぁ。もっと加点があってもいいと思うぐらい綺麗なジャンプだったと思います。それと何と言っても、アドリアンシュルタイスですよ。何だ、あれ。(笑)不可解な演技構成に、衣装のせいか何のせいか分からんけど、不可思議なジャンプ。なんかおもちゃみたいなジャンプというか。そして訳の分からないシュールなステップ。「ヴォォォオオオ!」と光線を吐くかのような雄叫び。何もかも謎。でも、ジャンプはノーミスで、おまけに超クリアな4回転飛んだりして益々よく分からない。(笑)多分、このフリーの全選手で一番クリーンな4回転ジャンプだったんでは?という。存在がシュール過ぎて追いつけません。謎だ。見てる間も頭の中で「?」飛びっぱなし。はて、これはフィギュアスケートか・・・・・?と根本から覆すようなシュルタイスワールド全開でした。多分、まだ時代が追いついてないんだよ。あと観衆の目も。でも、このオリンピックって舞台でアドリアン・シュルタイスの名を一躍知らしめたんじゃないかな。とりあえず私の脳の中にははっきり刻まれたわ。眉毛が無かった。(そこか)
第2グループはこれが最後の演技というステファン・リンデマンの表情に泣きそうになりながら。その後のロシアの新星・アルチョム・ボロデュリン(既にカタカナのややこしい名前ばかりで指がつりそうです)の伸び伸びスケーティングに脅威を感じたり。でも第2グループはなんつってもジェレミー・アボットでしょう。4回転ジャンプを転倒したりジャンプのミスはあったけど、その他はほぼ完璧じゃないかってぐらい素晴らしかったですよ。いい演技でした。ジャンプを失敗しても、あれだけステップやスピン、そして表現力で魅せてくれたら、もう十分というか、そっちの方が印象強くて凄く良い演技に感じれるもんなんだなって。アボットの演技は凄く良かったです。あと、演技は物凄く残念な結果になったけど、サミュエル・コンテスティの明るい空気がとても魅力的だったなぁ。逆に残念だったのがやっぱりブライアン・ジュベール。最後まで表情もスケーティングも固くって、オリンピックの怖さを体現してたなぁ。
第3グループは若い伸び盛りの選手が多くてこれも見ていて楽しかった。まずは待ってましたの小塚崇彦。6分間練習でいい感じに4回転を飛んでたけど、まさか4回転初成功をオリンピックの舞台で成し遂げるとは。本当にびっくりしたし、感動した。小塚君の何が良かったって、その4回転も良かったけど、演技全体がとても魅力的だった事。どう言えばいいのかな?華やかなんだよね。動きとか表情とか。ランビエールの次に評価されていたというスピンの美しさもだけど、演技全体の流れがとても綺麗。あと、SPの時もそうだったけど、観客のハートを掴むのが上手いよね。何かずっと見ていたい演技なんだな。小塚君はこれから先凄い選手になるかもしれないよ。いや、今の時点でも十分凄いんだけど。これからもっと世界に名が知れ渡って、色んなものを吸収したら、小塚崇彦の世界チャンピオンも夢じゃないなと思いました。そんな実力者の彼ですが、本人の性格が本当に可愛いよね。次に滑走するデニス・テン君に声援送ったりさ。一気にファンになっちゃったわ。で、そのデニス・テン君はちょっとオリンピックの空気に飲まれてSPの時よりも動きが固かったけど、これから先が凄く楽しみだなー。この人も一気に世界に印象を残せたんでは。そのフィギュアと割れた唇で。(笑)フローラン・アモディオのあの若さであの演技力にも期待大だね。身体能力も高そうだし。とてもアモディオ君は弾き付けられる演技だったわ。ド素人なんでパトリック・チャンの得点が何ゆえあんなに高かったのかよく分からないんだけど、きっとジャッジに有効な技とか加点を重ねてああいう得点になったんだろうなぁ。問題なのはその得点ほど彼の演技が印象に残らない事なんだよなぁ。オリンピックの場で勝つ事は最重要課題で、増してや地元カナダ開催である故に、プレッシャーは半端じゃないと思うんだけど、それでもフィギュアは見る側楽しませる、ワクワクさせる何か訴えるものがあって欲しいもんで、パトリック・チャンにはそういう部分をあまり感じなかったのが残念。得点もあるだろうけど、もっと彼なりの個性を出して、これぞパトリック・チャンだなって演技が見たいなぁ。実力がある分余計にね。
そして運命の第4グループ。トップバッターはここで来るかのエヴァン・ライサチェク。これがもう完璧な演技でね。この人が演技してる最中、全く転ぶイメージが湧かなかったもん。このオリンピックの舞台で実力者が実力を出してノーミスで滑り切るという事の凄さをまざまざと見せ付けられた感じでした。圧倒ってやつね。でも、何回も見たい演技って思うのは全然得点の低いジェレミー・アボットだったり、高橋大輔だったり、小塚崇彦だったり・・・・他なんだよね。その平均点の高さゆえに逆に印象が薄まってしまってるというか。パトリック・チャンも同じ感じかも。金メダルには異論ないけどね。あの場でノーミスってだけで金メダルに値するわ。その次の織田信成君は滑走順的に不利だったよなぁ。ライサチェク以前に練習の時から表情が固かったので、ライサチェク以上にオリンピックの空気に飲まれちゃったのかなぁ。それでも綺麗なジャンプでした。織田選手のジャンプは本当に綺麗。そしてコミカルなプログラムも彼に合ってていいんだよね。とっても可愛らしい。なんかホッとなるんだけど・・・・・・・・・・・・そこであの中断。あの時、私はもう怪我したんじゃないか怪我したんじゃないかって気が気じゃなかったです。それが靴紐だったので、大きくホッとしたんですけどね。いやいや、オリンピックの場でこのアクシデントでホッとしてる場合じゃねぇぞと思うんだけど、とにかく怪我じゃなかったので本当に安心しちゃって。(笑)ごめん、靴紐ブッチンも織田君らしいかも?とか思ったりしちゃって。でもさ〜その中断からの再開の後、演技をきっちりと決められた事が凄いよね。織田君の時は会場が一体になって手拍子したり拍手してたのが嬉しかったなぁ。織田君も全世界に印象残せたよね。色んな意味でだけど。でも、アクシデントで埋もれがちだけど、良い演技だったよ〜。そしてステファン・ランビエール様〜。彼は優雅なのに、男らしく4回転にこだわり持ってるのがステキング。4回転を取り入れなくても十分他での加点要素でメダル狙えるのにね。つーか、4回転入れてなきゃ、高橋に勝てたかも?(あ、でもトリプルアクセル入れてなかったな・・・・このお方)でも、チャレンジしたんだな。うーん、やっぱ素敵だ。顔だけでなくオットコマエだ。そしてまぁ、スピンの美しいことといったら。本当に軸がぶれないですよね。ドのつく素人が見ても凄いスピンって分かるんだよ。オールマイティに魅せられる人だよなぁ。
そしてそして〜〜〜高橋大輔です。もう、この時には心臓が破裂寸前でした。でもね、直前の表情がとっても落ち着いてて良い顔してたから、ちょっと安心出来たんだ。それでもね〜〜。あの4回転を転んだ時はね。どこか内臓がぷちゅって潰れた感じがしました。それでもその後の素晴らしい演技でさぁ〜〜もう本当に泣きそうになりましたよ。こんなに感動出来るもんなんだって。技も演技も素晴らしかったんだけども、何よりも高橋の表情が良くってね。もうこの演技は何度見ても飽きない!毎日見てますよ。日本人の贔屓目を抜きにしても、この男子フィギュアで一番印象に残る演技をしたんじゃないかなって。素晴らしい銅メダルだけど、その銅メダル以上の物を手にしたと思うよ。本当に感動した。ありがとうありがとう。
そして、引退前に来て絶好調のジョニー・ウィアー。美しさも絶好調ですわよ。(笑)見る度にお美しくなられて、プルシェンコとは別の地球外生物です。しかし、この人は綺麗なだけじゃないんだよなぁ。あの空気の中で完璧に近い演技出来るんだもん。スピンだけがちょっと残念だったけど、本当に素晴らしい演技だったもんね。でもね〜〜さすがのジョニー・ウィアーでもこの時ばかりは日本人丸出しで高橋の銅メダルにちょっと届かない得点を願いました。確か165点以上でウィアーの銅確定になったんだけど、私は彼の演技見た時に「やべぇ」と思いました。そして164点を願ってました。ウィアーちゃんごめんよ。でも、出て来た得点に違う意味でびっくり。156点だったかな?えええええええええって。低っ。低過ぎる。それは会場の人も同じ事思ったらしくブーイングの嵐でした。良かった、私の感覚は間違ってなかった。それにしても低過ぎる得点。高橋の銅メダルを願ってウィアーの得点低く出ろと祈ってしまった身としてはちょっと心が痛いんですけども。それにしてもさぁ。完璧な演技した人にはそれに見合う得点出そうよ。それが審査員受けの良くない人でもね。ウィアーはSPの時も酷かったけど、このフリーは本当に酷い得点だった。それでも、ジョニー・ウィアーは酷く満足げでブーイングを鎮めている姿がね。もう全世界の男女が惚れたと思うよ。この際、性別もどうでもいいよ。素敵フィギュア星人でいいじゃないか彼。そんな男女全てをメロメロにしたジョニー・ウィアーさんには薔薇の王冠が贈られてました。何の違和感もないその違和感。(笑)
さてさて大取りのエフゲニー・プルシェンコ様君臨。帰ってきたウルトラマン的なミラク地球外生物の彼も人の子なんだ・・・・・・・・・と悟ったこのオリンピック。そりゃ、体が悲鳴をあげてるだろうさ。でも、解説の「プルシェンコはこの8年間一度も転んでません」の言葉にやっぱりその考えを撤回。(笑)あのど根性着氷は地球人には無理です。それでもな〜普段通りの彼じゃなかった。ちょっと地球人っぽかったもの。本調子だったら彼の金メダルは揺るぎが無かったんだけどねぇ。銀メダルかぁ。あの演技でも4回転をきっちり決めたプルシェンコの金メダルの方が良かったのか、この場で完璧な演技を出来なかったからこそ銀メダルの方が良かったのか・・・・・・・・・・うーん、分かんない。でも、あのプルシェンコの演技が再び見れた事が最上の幸せなんだよね。そして、まだこれからも見れそうな事が嬉しい。プルシェンコが居たからこその波乱があり、せめぎ合いがあり・・・・・・・・・・彼がこのバンクーバーの男子フィギュアに与えた影響は多大なるもので。何言ってるかよくわかんなくなってきた。(笑)とにかくプルシェンコが見れて嬉しかったよ。本当に戻って来てくれてありがとう。これからも導いて下さい。

いやー長くなった。女子も楽しみだなぁ。