
2009-06-06 今、赤ちゃんが危ない / 貴和製作所 / 松野屋
心にとどまったこと、いろいろ「今、赤ちゃんが危ない―母子密着育児の崩壊」
amazonでずいぶん前にカートにいれておいたはずの本が1ヶ月くらいかな?忘れたころに届きました。ひょっとして、もうお母さんになっている人とか子育て経験のある人は、みんな知ってることだったりするかもしれませんが、アタクシはさっぱり知りませんでしたので結構、衝撃をうけました。
今、赤ちゃんが危ない―母子密着育児の崩壊 (近代文芸社新書)

というかいやぁ、最初ひっかかるところのページの端折り曲げていたけど、途中で全ページ折りそうな勢いに気づいて折るのを止めました‥「目からウロコ」とか「鳥肌がたった」とかゆう紋切り型ですまされない、もっと‥嗚呼なんなんだ、この感覚は‥ゾクゾクするっていうか。なんだろうか、わからない、わからないけど書いておく。いやむしろ、わからないから書いておく? それがブログの好いところ。
まえがき
この本はいわば漁師の天気予報のようなものである。数値化された基礎データもないし、その根拠をうまく人に説明することもできない。でも、本人は本気である。少なくとも「うちの海」に関しては気象庁の予報よりオレのほうがずっとよく当たる、と信じて疑わない。実際、よく当たる。
私は漁師ではない。ただ、漁師が海を見るみたいに、長年、たくさんの人間の子どもの成長発達の経過をじっと見てきた。そして、頑固爺の漁師同様「間違いねえ」という、ある種の確信をもつようになった。しかし、その内容を人に話しても、漁師の天気予報同様、なかなかすんなりと受け入れてはもらえない。(後略)
アタクシ出産とか子育てとか教育とかに明るくはないので詳しくは知りませんが、内容的に受け入れがたいとか過激すぎるという意見もあるのやもしれません。てなわけで、この本はまず非売品ということで自費出版されています。でもそのあとに色々とあり書店で購入できる市販の形になったわけ。
全五章から成り立っているのだけれど、文庫本サイズで見開き1ページで1つのセンテンスになっている。例えば
第一章 母子密着の育児
01 育児の崩壊が国を滅ぼす
02 この五十年で何が変わったか
03 お産のしかたが変わった
04 豊かな便利な社会になった
05 密着育児をおろそかにすると社会が崩壊するというわけ
06 生後最初の一年が勝負
07 最初の一、二年でこれだけの違いdがでてくる
08 母子密着育児で何が育つか−密着育児の紅葉
09 泣かない子でも密着していればかなり吹く割れる
10 人の育児は生物学的に「密着型」
12 隔離飼育ざるのリハビリ実験
13 人とうまく付き合う能力はどのようにして育ってくるものか
14 親離れのわるい子
15 「溺愛」「過保護」
16 シツケの悪い幼児
17 子育てのラクさ、楽しさは育ちつつある絆の太さに比例する
18 子育ての難しさ、辛さは育ちつつある絆の細さに比例する
19 人への愛着、物への執着
20 親の因果が子に、孫に
21 オカシイと気づいたらどうするか
22 母子密着型育児文化の回復を
てな具合で第一章だけで22のセンテンス。
どうも読みきりコラムみたいなイメージ‥というかブログのエントリー読んでいるような気分になったなぁ。
で、第一章のまとめをそっくりそのまま抜粋メモ。
第一章の22 母子密着型育児文化の回復を(P58,59)
あんまりクドくなってきたので、この辺でやめる。ざっと要約して一段落としよう。
○全く本人の記憶に残らない胎児期乳児期に、実は人間の人柄の根幹をなす核心部分、いわばその人の心の基本的ムードのようなものがつくられる。
○安泰な胎児期と、そのあと出産直後からの母子密着型育児の中で形成される母子一対一愛着関係が、その後の対人的社会的発達の基盤になる。
○固い絆で結ばれた愛着関係の土壌の中でぬくぬくと安心感を蓄えているうちに、タネから芽がでるように、子どもの中に外界や人への興味が、ひとりでに自然に育ってくる。
○その土壌は、泣く→抱き上げる→泣き止む、あやす→笑うなどの母子交互作用を通して強化され、母子の絆はますますゆるぎないものになってゆく。
○その結果、親には確固たる「母性」が育ち、子どもの中には、強い人指向性と外の世界に向かっての強い好奇心と探索意欲が沸き、それが外にあふれ出てくる。
○やりとりの相手や対人関係の輪は、家族からその他の人へ、同心円的に広がってゆく。
○この、母子密着型の育児は、生物学的にも理にかなったものである。
○これは何十万年もの人類史をとして、一環して連綿と守られてきた、由緒ある伝統的な育児法であり、これがこれまで人類を絶滅から守ってきた。
○その伝統が、ここわずか五十年あまりの間に急速に崩れ始めてきた。
○妊娠、出産、育児などを伴う作業の多くが、大人の(仕事などの)都合で、意図的に選択、回避、変更、省略できるようになり、育児に関する意識が大きく変わった。
○それまで、不可避と観念し、受け入れてきた事を「アタマ」を使って知的に処理することによって省略・破棄し、能率化省力化をはかるようになった。
○それに伴って、以前にはわが国では殆ど見られなかったような、不可解な行動異常を示すやっかいな子どもや、「動機不可解」なキモチワルイ犯罪が急激に増えてきた。
○母子の絆がうまく育たないと、人や外界への関心がわかず、ことばを話さず、友達と遊べず、モノに執着し自分のカラに閉じ篭もりがちになる。人をモノのように扱う。
○成長すると、カゲの薄い目立たない、きもちわるい青年になり、子育ての苦手な親になる。世代を重ねるごとにその傾向は進行し、蔓延してゆく。
個人的に赤字とか太字にしたいところもあったんだけれど、いちおうブログなので(個人のノートではないという意味で)誘導的なものはやめておく。あ、そうそう最後「青年」としている理由としては本文中に
女の子より男の子のほうに断然多く、特に重要な子どもの大部分は男の子である。(中略)なぜ女の子の方に少なく、程度も軽いのか、という理由については断定できないが、子育てに関しては、女の子のほうが男の子と比べてずっと有利な立場におかれているという事実が重要な理由のひとつである(後略)
みたいな記述があるから。
でも今や核家族化が進み、共働き夫婦が増え、子どもは幼いときから大人の都合によって同年齢多数児集団に放り込まれる次代なので、女の子といえども(後略)
となっているんだけれど。
第ニ章 よもやまの話題では「いつか読んだ雑誌の記事の要約メモ」とはじまり出典と、本当にそれのメモが見開きで繰り広げられていたりする。で、扉には
ここからは、「漁師の天気予報」ならぬ、ただの「しろうと談義」である。爺さんが、くたびれて浜の流木にでも腰をおろして、ムダ話をはじめてしまったものと観念していただきたい。
「密着の育児」と関係ありそうな気がすること、関係ないかもしれないこと、その他長年臨床の仕事をしてきて、今なんとなく気になっていることなどを、思いつくままにただ取りとめもなく綴っただけなので、そのつもりでどうぞ気楽にごらん頂きたい(後略)
と、書かれているのを再読してなるほど合点がいった。だからコラムとかっていうよりブログのエントリーっぽく感じたのね。
てのはさておき、こちらも気になったセンテンスまるまる。
第ニ章−12 よくある間違った考え(P86,87)
育児に関して、まことしやかに伝えられていて、もっともらしく聞こえるが、実は誤解に基づく間違った情報、ということがいろいろある。とりあえず今気づいた項目だけ。
○おんぶばかりしていると、O脚になる。(ウソ。それに、赤ちゃんの見かけ上のO脚は歩き始めれば自然に直る)
○おっぱいは、時間を決めて、規則正しく飲ませるのが好い。(人間の赤ちゃんには向かない。大人にとっては都合がいいかもしれないが)
○泣いてもすぐ抱くと「抱きぐせ」がつくので、よくない。(抱きぐせは赤ちゃんにとっては結構。安心。「よくない」のは親のほうの都合)
○おんぶ、抱っこなどべたべたしないほうが自立心が育つ。(逆。たっぷり密着して育てられた子どもほど、早く、明確に自立する)
○甘やかしてばかりいると、親から離れられなくなる。(逆。甘えたいときに充分甘えさせてもらえなかった子ほど、親離れが悪くなる)
○「人見知り」する子は好ましくない。(人見知りは、母子関係や知能が順調に発達している証拠。結構。)
○玩具で長時間ひとり遊びできる子は好ましい。(それ自体差し支えはないが、人よりもモノに惹かれているようだと、心配)
○決まった就寝時間になったら、泣いていても寝室に入れて放置したほうがいい。(寂しい辛い思いをさせたぶんだけ、情の薄い人間になる、と思ったらいい)
○突き放すことで、自立心ができる。厳しく鍛えることによって逞しくなる。(安心感の蓄えの多い子はそのとおり。乏しい子は挫折して自信を失う)
○友達と遊べない子や、ことばの遅れた子は、早めに保育園に入れて、友達と交わらせるといい。(危険。しばしば有害。一対一の密着育児で安心感が溜まってくると、外界への興味が沸いてきて、友達を求めるようになる。それまで待つのが好い)
○男の子が転んで泣いたら「泣くんじゃない、男の子でしょ!」と言って叱る。(これは子どもに対する「セクハラ」。男の子に対する性差別。やりすぎると不安緊張レベルの高い自信のない、弱気な人柄の少年になりやすい)
他にも第三章「学校をこうげきします」の「幼稚園での集団教育」では
もし、保育にあたっている先生方が「将来大人になって社会にでたとき、こういう躾けがしっかり見についていないと社会適応に支障をきたすだろうから、今のうちにしっかり練習させておくことが必要で、これは本人の将来のため」などと本気でお思いだとしたら、それは大変な考え違いである。将来一生自衛隊とか刑務所で暮らすことが決まっていたる人だったとしても、何も、今、幼稚園のときからそんなことを練習しておかなくても、入ってからでじゅうぶん間に合う。
私など、海軍を去ってこのかた、もう五十年以上になるが、「大きな声で元気よくお返事、ハイ」を求められたのは、自動車の運転免許試験場での「聴力検査」代わりのテストの一回だけだった。銀行や病院などで名前を呼ばれて、大きな声で元気よく「ハイ」とお返事したために手数料や薬代をまけてもらえたなどという話は聞いたこともない。
内容がすごいってのも当然あるけど、この人オモシロイ、文章が。
飲み屋で爺さんの話聞いてみるみたいな文体‥
ってわかるかなあ、この表現。
嗚呼あとは第二章のよもやま話の「アフリカの子どもは運動や言語の発達早い」で、臨床家として子どものことばの発達以上、正常発達のもよう、発達の必要条件などについてみてきている経験から。
子どものことばの発達を促すための親の心がけとして、いろいろなことが言われている。たとえば「たくさん話かけなさい」とか「繰り返し話しかえることが大切」とか「幼児語はやめて正しいことばで話しかけなさい」とか「明瞭な発音で」とか。欧米の多くの親はいつかどこかでそういうアドバイスを聞き、その種の情報に通じていて、多少ともそういう風に「心がけて」いるにちがいない。
一方アフリカの母親たちは、おそらくそんな「心がけ」項目など聞いたこともないだろうし、それを怠ると子どもが言語障害になるなどと聞かされたら噴きだしてしまうことだろう。それでも、結果はアフリカのほうが優秀で、先進国のほうが危ういのである」
とか。
話すことばというのもは、教科の学習の指導の場合のような「教え方」をしてもそれで身につくものではない。一種独特の「一心同体的」な「人間関係」が成立したときにのみ、一方から他方へ乗り移る」ようして身につくものなのである。
とかとか。
気になるオンパレードだったわけです。
そうそう、またあとがきが洒脱でねぇ、ちょいと聞いてよ。
あとがき
お読みになる方にとってはさぞご迷惑かとは思うが、私としては遠慮なく言いたい放題を言わせていただいて、おかげさまで、かなり気が済んだ。ありがとうございました。
「さあ、もうこれでいいか」「あと、もう思い残すことはないか」「気になっていることことがないか」と問われれば、よそ事ながら、前々から気になっていることが二つある。ひとつは‥(後略)
だってさ。
専門分野じゃないって意味でよそ事と書いてあるんだろうけど、その二つってのがまた‥興味ある方は読んでみるといいかも。アタクシ医者に行かなくてもちょっと具合悪いときは「腹(内臓)あっためる」とか「首のつくところ(首・手首・足首)あっためる」とか「何も食べない」とか「よく寝る」てのでたいていのことは治癒できちゃう単純な体質(性格)だと、自分で自分のことは思っているわけです。
でね。なんというか、まあ漁師の爺さんが‥とご本人もゆっていることだし色々な意見もあるんだろうけどね。そもそもアタクシ実際に子どもを授かったことも育てたこともないし、身近にそういう人がいて常日ごろ子どもと接しているわけではないし、赤ちゃんについての知識もなんもないわけなので「これいい!」ってオススメというわけではございませんが、感覚的に、嗚呼なんだこりゃすごいわ、とゾクゾクしたので記しておきます。母のおかげで我が家の階段文庫には、そういう幼児教育のたぐいの本が多々あったけど、こんな本はなかったなぁ。
もとこ25歳(←どんどん若返る歳)東京は下町産まれの下町育ち、熊本出身の父親に、ここでゆう「男の子なんだから」じゃなくて「女のくせに」というコトバをいっしんにうけて育ったわが身ではありますが‥てな人間だけれど、出たり入ったりでただいま実家暮らし、自分の欲求のまま暮らしたい、を実現するためだけに日々過ごしている人間が、何を赤ちゃんが育児がト思われる方もありましょう。
まぁね、明日から産休、まさにこれから産もうとしている知人もいたりするわけで。でもそこに向かって「こんな本あってね!こうこうこうで!おすすめ!」とか全力で発信はしない(できない=だって経験していないし、体感していないし、わかんないし、個人差もあるだろうし)
けどね。ヘンな子どもが増えている、今も連続的に増え続けている。学校の先生になった知人も口をそろえていっている。ヘンな事件もたくさん起こる。ニュース見るのも心が折れる。そんな世界に生命を産み落とすなんて‥ via:本文よりなんて高尚なこたぁ思いませんが(あ、もちろん、俺の場合はその前に精子ありきですが)なんだかこの本を読んでいたら、とってもシンプルプリミティブ。可笑しなことになっている、負の連鎖が断ち切れるような気もしたわけで。
出産・育児もこのご時世、入れたいと思えば八百万ってなもんでして。情報がありすぎてさ(しかも相反するようなこともあってさ)しまいにはどれを信じて言いか分からない、とか情報過多地獄に陥ってしまうんだろうけどね、南無南無。まあアタクシは評価低くても使ったらよかったとか、行ってみたら超いい店だった、という経験も踏まえて、価格コムも食べログもスペックとか住所調べるのに使うけど、評価ていうのは気にしませんw なによりも好きか嫌いで判断する。運と縁と勘が好いしね。
だからそうさねぇ、まぁこの先にもし万が一、
運好く、縁があって孕む機会があったなら‥この本参考にするわな。私はね。
▽Amazon
■今、赤ちゃんが危ない―母子密着育児の崩壊 (近代文芸社新書)
こちらも読んでみようっと。
▽Amazon











