映画「Always 三丁目の夕日」
ある意味電子版で読んだ小説と感想は同様。毒気も汚い部分も全部抜いた、理想化された昭和30年代。
自動車工場の工員の六ちゃんを、原作*1と違って女の子としているあたり、より御伽噺度はアップしているかも。
以上を抜きにしても、冗長で散漫。
*1:どうも六ちゃんと聞いた時点であの顔が浮かぶからなあ。
「必笑小咄のテクニック」(米原万里)
晩年の、体調を崩してから加筆をした文章であったためか、やはり2000年以降に出たエッセイ同様の日本政治(小泉)批判が鼻につく。小咄の看板のもとに、露骨な自己主張を混ぜ込んでいる感じがして、しらける。
もともと米原氏の文章は、批判する対象であっても、ある程度突っ放した、ドライな感じで余裕を持って示してくれており、そこが好きだったのだが。近年の文章は余裕がなく、苛ついた感じがそのまま直に放り投げられており、楽しめない。残念。
- 作者: 米原万里
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/12/16
- メディア: 新書
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