Treo750でCMYK画像を見る

フリーの画像閲覧ソフトとして有名な『XnView Pocket』は、CMYKのJPG画像を表示することが出来ます。JPG画像はたいていRGB形式ですが、デザイン関係者はCMYK形式でやりとりすることが多いです。その際、データチェックなどでメールに添付してくる場合が多々ありますが、普通はCMYK形式の画像は見ることは出来ません。Windowsでも、Adobe PhotoshopなどのCMYK形式を表示できる画像ソフトを入れていないと見れません。しかし、Windows Mobileで見ることが出来るというのは、本当に素晴らしいことです。もしかしたら、フリーでは唯一かもしれません。
XnView Pocketは、それ以外にも表示できるファイル形式が破格に多く、しかもフリーウェア。ありがたいことです。
最近の私は、出張にパソコンを持ち運ばなくなりました。もうTreo750があれば十分なのです。スケジューラとして愛用しているTungstenCTreo750があれば、移動中での仕事は普通に出来てしまいます。10年前はあんなに苦労して四苦八苦していたのに…。なんだか信じられない感じです。

PalmOSエミュレータに思う

近々発売予定のPalmPreでは、MotionAppsというサードパーティが開発している『Classic』という名称のPalmOSエミュレータが動くそうですね。

そして、すでに紹介しましたがWindows Mobile上で動くPalmOSエミュレータStyleTap

StyeTapでは日本語を使うことは出来ません。Classicでも同様じゃないかと予想されています。
それでも、旧PalmOSが動作することはとても意義深いことです。

本来は、Apple社がMacOS9からMacOSXへの移行時にやったように、自社で旧環境のエミュレータを用意し、エミュレーション環境は無償でユーザーに提供すべきことでしょう。Microsoft社も、MS-DOS環境をいまだに実装しています。
Palm社は、今まで自社を育て、支持してくれたユーザーに対して感謝の念があるなら、そうすべきだと思いますが、事はそれほど簡単ではないのは容易に察しが付きます。
『従来のユーザーへ感謝』などというヒューマニズムでは、経営が立ちゆかなくなっているのだと想像できます。
株価がアップしたと言っている人もいますが、それは大いなる誤解で、そもそも株価はいくらだったのか、そして、2008年のリーマンショック前までは、下がったとはいえいくらくらいの株価を付けていたのかを調べれば、8ドルや9ドル程度の株価に喜ぶわけにはいかないことくらい、簡単にわかることです。

現在公式にはMacOS9のエミュレータはありません。しかし非公式の、つまり、海賊版のようなエミュレータは存在します。逆に、非公式であることからわかるように、ビジネスとして成立していませんから、つまり、現実的にはニーズもないと解釈できます。強いて言うと、マニアックなニーズしかない。そこからわかることは、Apple社がいかにして従来のユーザの利便を支えながら新しい環境へとナビゲーション出来たかを物語っています。
Windows Mobile、そしてPalm Preを動かすPalm WebOSという環境でPalmOSエミュレータが『正式な商品』として流通すると言うことは、ニーズもあり、旧環境に価値があることを裏付けている証拠といえます。だのにPalm社は、他社にビジネス上の利便もリスクも負わせ、ユーザーには導入手間とコストのリスクを転嫁していると見なすことが出来ます。
Palm社の、これまでの視点の定まらない事業計画や、経営の迷走を考えれば、今回の『旧ユーザの面倒を他社に見てもらう』という情けない姿は想像出来ることですが、あまりにも無様です。
過去の資産やユーザーに新しい環境への完全移行をナビゲートしていくのかと思っていたら、過去の資産は他社に面倒を見てもらい、ユーザーにはどっちつかずの施策しか見せることが出来ないPalm社。相変わらずです。これではやはり、先が思いやられます。
素晴らしい商品を作ってきた開発者と会社運営は、一枚岩ではないということですね。
PalmOSを捨て、新しく船出しようとしているPalm社ですが、Apple社のように、過去を一切振り返らず、ユーザーにも前しか見せずに果敢に前進していくという魂は、まだまだ備わっていないようです。
もう、新しい経営陣に刷新するしかないかもしれません。

Palm社の真の再生へ

とうとう事業計画としてPalmOSから撤退することがトップから発表されました。日本語でのニュースフラッシュはこちら

『今後 Palmから登場するデバイスに採用されるのは現在もTreoで使われているWindows Mobile、そして今年のCESで大きな注目を浴びたPalm Preに搭載される新OS 「webOS」のいずれか』ということのようですね。
さらに『今後PalmからPalm OS搭載デバイスがリリースされることはない』と。
原文にはこうあります。
『There will be no more PalmOS devices released by Palm (excepting the Centro getting released on other carriers). They're focused on webOS and Windows Mobile.』
“no more PalmOS devices released by Palm”。
衝撃的ですが、覚悟していたことですし、以前のエントリーでも書きましたが、3つの事業をうまくマネージメントしていけるだけの力は、今のPalm社には備わっていません。今回の『PalmOSからの撤退』は、会社をしっかりと運営していくためには必要不可欠な決断だと思います。

私は今でもPalm TungstenC を使い続けていますし、これからも使っていきます。しかし、残念ながらPalmOSでは今のモバイルデバイス市場では収益を上げていくことは困難でしょう。

MS-DOS、MacOS9、BeOS、様々なOSが登場し、私たちを感動させてくれました。今でも使い続けていけるだけのスペックやパワーを持ち合わせていると思います。しかし、市場で受け入れられるためには、“製品が良い”というだけではダメなのです。ニーズを満たしていなければ。

PalmOSは、今日から真のレガシーフォーマットになります。それはそれで素敵な事だと思います。
そして、Palm社は、今日から真の再生へ向かう。そう思います。

ブラックベリー・ボールド

いよいよ2月20日に発売ということです。
ブラックベリー・ボールド。
ちなみに私は、このブラックベリー・ボールドをPDAとしてとらえています。Treo750と同じです。電話機能も付いたPDAです。
姿形はTreo750の仲間といってもいいでしょう。とっても惹かれます。デザインは素晴らしいし、なによりドコモです。回線の安定度はソフトバンクの比較にならないでしょうから、機動力も期待できます。

Treo750ですら満足に使いこなせないのに、もう一台携帯を持つなんて無駄です。それはわかっているんですが、どうしようもなく惹かれるマシンです。
しかし、スペックを見ると少し冷静になれます。

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メーラー(HTMLメール含む)、WebブラウザメディアプレーヤーBlackBerry Maps、BlackBerryメッセンジャー、スケジューラー、アドレス帳、メモ帳、計算機、Word To Go(日本語非対応)、Sheet To Go(日本語非対応)、Slideshow To Go(日本語非対応)、ゲーム(日本語非対応)ほか

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ビジネス対応、とうたっているにもかかわらず、オフィス関係のソフトが日本語に対応していませんね。これは、メニュー関係が英語、という意味なのか、文字の表示自体が日本語がダメ、という意味なのかは不明です。
メニューだけ英語というのであれば、別になんの問題もありませんが、日本語表示が出来ない、というのは大問題です。そのあたりは、発売後店頭で確認することになると思います。
あと、事前のニュースで『imodeにも対応予定』と言われていましたが、これはどうなったんでしょうか。ここも気になります。

ともあれ、ブラックベリー・ボールドの登場は、PDAを使い続けてきたユーザーの一人として大歓迎です。大いに期待しています。

哀愁のWZEditor Mobile

モバイルギアを使っていた頃から『Pocket WZEditor』は大好きなソフトでした。Treo750を使い始めてから、いろんなサイトを見るに付け、『Pocket WZEditor』が新しくなった『WZEditor Mobile』には注目していましたが、いまひとつインストールには踏み切れませんでした。
重い、使いにくい、ネットのアクティベーションが気持ち悪い、そんな話をちらほら見つつ、どうしようかと思っていましたが、とうとう試してみました。結果はご覧の通りですが、恐ろしく重いです。ワンテンポ遅れるどころの騒ぎではありません。フリーズしたのか?と思うときがしばしば。そして、相変わらず癖のあるオープンダイアログ。モバギのころは画面も広かったので大して気になりませんでしたが、これはいけません。画面の大半を巨大なアイコンが占拠し、ファイル操作を困難にしています。
大変残念です。。。。
記念にスクリーンショットを撮ってみました。
















Treo750でPalmOS

噂のStyleTapを試してみました。
これは凄いです。スピードはオリジナルのPalmと遜色ありません。デフォルトは160ピクセル平方なので、240平方のTreo750では拡大されるのでジャギーが出てしまいます。でも、フルスクリーンで表示されますので、まるでPalmOSを使っているような感じです。もちろんエミュレータですので、いろいろ不足部分はあります。その最たる部分は、日本語化出来ないということです。しかし、日本語化しなくても使えるソフトは全く問題ありません。
インストールにはcabファイルが用意されていますので、ものすごく簡単です。cabファイルをインストールしてから、PalmのアプリケーションをタップするだけでStyleTapに登録するかどうか聞いてくるので、OKするだけ。本当にあっけないほど簡単。かつてDOSエミュレータPocketDOSを苦労してインストールしたことがありますが、このStyeTapは本当に簡単です。そういう部分も凄いですね。

これがホーム画面。


Palmでは必須ソフト、KsDatebook。残念ながら日本語が通りませんので使用不能です。でも、ちゃんと表示できてますね。動作も普通のスピードです。


愛用のMuthUも完璧に動作します。スピードは、エミュレータ上で使っていることを忘れるくらいのレスポンス。フルスクリーンで表示できるので、Windows MobileバージョンのMuthUよりも使い勝手は良いです。


WorldMateも、Windows Mobile版よりも使いやすいPalmバージョン。


このStyleTap。Windowsフォルダにいくつか機能拡張ファイルをインストールしますので、残念ながら若干動作が不安定になりました。起動して終了する度にメモリの解放をするのですが、それがちょっとTreo750ではしんどいようです。
私の場合、日本語化しなくても使える常用ソフトはMuthUとWorldMateの二つしかありませんので、それならWindows Mobile版の同様のソフトでもなんとか使えてしまいます。
もちろん前述したように、Palm版の方が使い勝手はすぐれています。しかし、マシンを不安定にさせてまで使いたいかというと、そうではありません。

今後のバージョンアップで改善されていくかもしれませんので、注目しつつ、見守っていきたいと思います。

新しいPalmの困難な再出発

とうとう登場しました。

インターフェイスがものすごくiPhone的で、過去のアプリケーションとの互換性はないようですが、期待したいですね。ともかく、日本では携帯電話として使えないとせっかくのデバイスも意味がありませんので、通信仕様と日本語化、ここが気になるところです。個人的には。
それはさておき、市場的な見方をした場合、ちょっと考えてしまうのがPalmの会社としての方向性です。
現在のPalm社は、これで3つのOSをマネージメントして事業展開することになります。
一つはむろん『PalmOS』。次に、数年前から参入した『Windows Mobile』。そして今回発表されたPalm Preという最新デバイスに乗る『Palm WebOS』。
会社設立以来の資産を受け継いで発展させていた『PalmOS』は、今は“ハンドヘルド”と呼んでいる電話機能のないデバイスと、電話機能のあるTreoで実装されています。しかし、ここしばらく新しい動きがないばかりか、ハンドヘルドの新しい機種を開発していないことが関係者のコメントで明らかになっていますし、PalmOSTreoも新しい動きはありません。つまり、Palmは『PalmOS』で動作する商品を事業戦略の中核に設定していないことがわかります。
Windows Mobile』は数ヶ月前に新機種Treo Proをリリースし、今後も『Windows Mobile』のデバイスで事業を推進していくことがわかります。
今回発表された『Palm WebOS』で、Palm社はマネージメントするプラットフォームを一つ増やすことになります。
現在Palm社がおかれている経営的環境が決して楽なものではないことは、株価の低迷と決算をみれば明らかです。株価に至っては、もう破壊的に低迷しており、先日の急落時には1ドル台にまで下落。市場がPalm社に対して限りなく低く評価していることがはっきりしています。現在では3ドル台まで回復しましたが、かつてm5XXシリーズの投入プラン失敗で決定的に低下した株価はその後も回復せず、市場の評価は延々と底辺をはいずり回っています。
普通は、企業が業績を回復させるときは選択と集中という戦略をとります。それは、人材や資金という事業リソースを一カ所に集中投下し、得意分野で事業展開していくということです。そうして回復していった企業は多くあり、そのもっともめざましい例はアップル社です。
アップル社はMacOS7.Xを大きく前進させる計画に失敗し、経営は危ない状況に陥りました。元祖PDAといわれるニュートンもうまくいかず、身売り話が多く出たところに創業者のスティーブ・ジョブズが復帰し、次々と不採算事業を中止、根幹となるOS開発を旧来のMacOSからUNIXベースの新しいOS、『MacOSX』に変更しました。そのとき、旧MacOSを新しいOSでも擬似的に動くように移行期間を設け、そして数年後に完全移行を達成させました。旧OSのユーザーを見捨てることなく説得しながら、新しいプラットフォームへの乗り換えを促していったわけです。
さらにアップル社は、メイン事業であるMac事業に加えて音楽プレイヤーのiPodと携帯電話のiPhoneを周辺事業として展開しましたが、それらは中心事業であるMacと横の連携が完璧にとれていて、なおかつMacではないOS、Windowsとも連携できるという念入りな戦術で事業を推進しています。小さな会社が大きな市場にコミットメントするとき、巨大なマーケットに対して自社の限られたリソースを有効活用していく王道の戦略です。
Palm社は、携帯電話マーケットに対してとても小さな会社です。Palm社が取るべき事業戦略は、あまり難しい切り口ではないでしょう。成功しているモデル、ブラックベリーの戦略こそ見習うべきものだからです。ブラックベリーは、市場評価でみるならば巨大企業ヒューレット・パッカードと同等の事業評価を得ています。
バイスは、それが動作するOSとマシンという二つの“商品”が共存して始めて使うことができます。両者は切っても切れない表裏一体のものです。
Palm社が今回取った新しい戦略、つまり3つ目のプラットフォームの導入という事業戦略について、私は非常に懐疑的です。何年も業績が低迷し、一つのOSでうまくいかなくなって新しいOSに手を出す。しかも、かつてのOSで動いていたソフトが動作できないという、展開事業の横のつながりが遮断されているというマネージメント。はっきり言って、これほどまずい事業戦略はなかなかないとさえいえます。
新しいOSとそのデバイスを製造し、マーケティングし、プロモーションする。そして販売していき顧客をフォローしていく。これは、とても大変なことです。旧来から展開しているOSを合わせると3つになることから、事業には横の連携がとれない3種類のリソースを投入することになります。今のPalm社にそんなマネージメントパワーがそなわっているでしょうか。一つのことをうまくやれない会社が、3つのことをうまくやれるとは思えません。
現在のPalm社が取るべき事業戦略は、おそらくこういう方向性がもっとも現実的だと思います。それは、『Windows Mobile』をOSの核に据え、エミュレーションソフトの『StyleTap』などと手を組んで旧来のPalmOS上で動作するアプリケーションを動作できるようにして、そのプラットフォームで新しいデバイスを展開していく、というものです。そして、ゆくゆくは旧来のPalmOSを廃止していく。
そうすることで、多くのWindowsユーザーを取り込みながら一つのプラットフォームに特化して商品開発していく戦略です。これで、リソースの集中投下と効率のよい商品開発が可能になります。そのロードマップの上に、今回発表したようなネットを有効に活用できる新しい携帯電話を展開していくわけです。
Windows Mobile』をOSの核に据えることは、同時にこれまで培ってきたPalmOSをオミットしていくことになりますが、エミュレーション環境を実装することで旧来のユーザーは安心して使えますし、Palm社が培ってきたすぐれた操作性という哲学を『Windows Mobile』上に構築することで、新たな可能性も開けてきます。つまり、使いにくいといわれている『Windows Mobile』のPIM環境を向上させることが出来ます。そしてもうひとつ大きな事は、『Windows Mobile』の操作性が上がることで、他メーカーの『Windows Mobile』を使っているユーザーがPalmバイスに乗り換えてくれる可能性すら出てきます。まさに、アップル社がMacOSを捨てながらMacOSXに移行していったような、段階的かつ劇的なプラットフォームの移行と、マーケットの成長を推進してけるのです。
しかし、もう遅いですね。
Palm社は3つ目のプラットフォーム『Palm WebOS』と、そのOSで動く新しいデバイスを発表してしまいました。『Palm WebOS』は、旧来の『PalmOS』や『Windows Mobile』との互換性はありません。Palm社が少ないリソースで3種類もの事業を展開していかなければならない困難な状況を自ら作り出してしまいました。ソフトウェアベンダー各社も、ゼロからアプリケーションを開発しなければなりません。今のPalm社が描く事業戦略に賛同してくれるでしょうか。プラットフォームに魅力がなければソフト会社も協力しないでしょう。それは、これまでゲーム機の興亡を思い出せばわかりやすいことです。
いくら新しい製品が魅力的なデザインでも、その商品をマネージメントしていける力と、市場の評価、顧客の支持がなければ、継続して事業を展開していくことは不可能です。
私はPalm社を応援していますし、Palmが生み出してきた製品を使い続けいていることもあり、大変好きな会社です。しかし、今回のような事業戦略と商品開発を目の当たりにすると、もう彼らの未来は苦難に直面するだろうと予想せざるを得ません。