ABOUT A BOY

ヒューグラント演じる無責任独身無職男が、ひょんなことから心を病むシングルマザーに育てられている少年と出会い、二人の心の交流を描くコメディ、といっても少年は自殺を企てるような母を持ち、学校ではいじめにあっているという深い悩みをかかえており、シリアスな内容だ。しかし、一貫してユーモアに溢れ、ヒューグラントの軽さ?もあいまって、そこのところのバランスが実にいい。少年マーカスとウィル(ヒュー)の関係も、ベタベタしすぎず、かといって冷たすぎず、ラストのコンサートの場面は、だからこそ生きてきている。そのコンサートの場面は原作にはないらしい。監督や出演者ヒューなどみんなで作り出したらしい。ヒューグラント自身も他のコメディタッチの恋愛映画とは区別しているようなことを語っている。
 使われている音楽が、マーカスが授業中口ずさんでしまうカーペンターズの「月曜と雨の日は」とかコンサートの「やさしく歌って」などなじみのある曲で嬉しい。また、時々流れるしぶい声のギターの弾き語りみたいなのもよかったな。
 マーカスのセリフが、いちいち的を射ていて、またそれぞれの心の声も表されていて面白かった。アメリカ映画だが、舞台はロンドン。兄弟の監督らしい。A
2002年 クリス・ワイツポール・ワイツ監督 なぜか?制作スタッフにロバートデニーロが入っている。