巴里の屋根の下


 「モロッコ」を見て、古い映画にはまりつつある。ただ、最近のレンタルに古い映画が少なく(韓流のコーナーが陣とってて腹立たしい)見たい映画がないのが残念。たまたまレンタルで中古DVDを格安で売っている中に見つけた(なんと200円で購入)。
 ルネ・クレールの映画は「巴里祭」と「自由を我等に」を高校生ぐらいの時NHKテレビで見ている。どちらも印象はよいが、この「巴里の屋根の下」は見たかどうか?わからなかったが、今回見て初めてだと思う。似たタイトルの「巴里の下セーヌは流れる」はジュリアン・デュヴィヴィエ監督だったらしい。こっちは見てるはず。デュヴィヴィエ監督は「望郷」「我等の仲間」「舞踏会の手帳」どれも傑作という印象。ルネ・クレールの方がいま一つで雰囲気はいいんだが、なにか物足りない。この映画も主題歌となっている曲や、パリの街並み(全部セットだったそうだが)など懐かしい雰囲気?(その時代を知らないのに)がいいし、主人公アルベールとその友人の友情そしてポーラとの三角関係がさわやかに描かれているんだが、ちょっとそれってつっこみどころ多すぎ?最後のさいころで決めるっつうのも、まあ、さっぱりしてていいっちゃいいんだが、自分だったら無理だな。ヒロインの女優にもいま一つ感情移入できないのは、もうちょっと魅力を感じさせるようなエピソードがないからなのか?まあ、辛口の感想になってしまったが、この映画が作られたのが1930年、フランス映画の最初のトーキー作品と言われている。そのせいか、ところどころ無声映画のような展開があり、時代を感じさせる。ただ、3Dまで駆使される技術を持つ現代の映画制作者が、当時の映画よりもっとつまらない映画を作っているということも言える。A
1930年 ルネ・クレール