お話おじさん′終活記

はや人生はラストステージ、いつのまにか年が過ぎ、いまがいちばん自由で、楽しい。

御文庫付属庫

今日の御厨先生の話の中で、御文庫のことが出た。皇居に太平洋戦争中に作られた大本営本部の防空壕である。東京が焼け野原となり、当時最も安全と目されたこの付属庫の会議室で、最後の御前会議が開かれてポツダム宣言受諾の決定がなされた。

この歴史上の建物は、長い間公表されなかったが、近年その映像が公表された。天井は落ち、床は朽ち果てて、全くの廃墟に化している。この施設を放置し、維持しなかったのは、昭和天皇の意向だったという。
皇居へは、二度勤労奉仕で入ったことがある。皇居は広く、中か外かどこの清掃にあたるかはその日その日だが、奉仕作業が終わると、担当の庭師が気を利かせて、帰りに皇居内を案内してくれる。
正殿の中や庭なども見させていただいたが、いまも印象に残っているのは、大道庭園で見た家光の盆栽と生物学研究所、お手植えの田んぼなど・・・貴重な経験をした。しかし、先の御文庫は、まったくの対象外だったに違いない。

いまもそうだと思うが、皇居勤労奉仕へは、日本の各地からけっこう大勢の団体が来た。参加は年齢制限があるのに、サバを読んでいると思われる方々が多分にいたのも、思い出された。

わが人生の中でも記憶に残る体験の一つである。