I Hear A New World (1960/Joe Meek)

彼は楽器どころか、譜面さえ読めなかったという。
愛するBuddy Hollyの命日に妻を射殺し、自らの顳顬を撃ち抜く。そんな芸当はおよそ天才にしかできない。
ストローで泡をぶくぶく、櫛で灰皿をガリガリ、トイレの水をジャ〜、
あらゆる生活音(というよりも"音楽"以外の音=ノイズ)で練り上げた世界は、キッチュでエキゾチックで可愛い。
だが、この当時にLP化などされるわけもなく、4曲EPが60年に発売。お蔵入り曲をコンパイルして、91年にいまの形式になった。
アンビエントのキーワードである"浮遊感"は、宇宙の彼方から届いている。