10、11日と有馬温泉に家族で日帰り旅行。

有馬ソサエティという会員制ホテルに宿泊した。

小さい頃一度だけ来たことがある有馬だが、久しぶりに来てみると全くイメージが違う。






温泉街。二階建ての木造店舗住宅が並び、コンクリートブロックを歩く観光客。若いカップルからお年寄りまで様々な層が回遊している。お土産物やさんもたくさんあるが、いわゆる駅で売っているようなものではなく、しっかり手作りの民芸品が多く、見ごたえがある。


結構栄えている。昔ながらの店舗もあれば、今風にデザインされた店舗もあるが、いずれも町並みに調和している。ここは町並保存地区に指定されており、多分どこかの大学が絡んでいるのだと思う。この通りは黒く塗られた木造のファサードが多い。


手書きの案内板。町の手作り感が程よく残っていて、ここに人が住んでいる感覚が強まる。道の狭さと軒の高さが程よく、安心する空間。みやげもの屋さんで行われている店子と客のコミュニケーションを聞いているだけでも面白い。


この町には神社や寺が多く、うろうろしているとすぐこの様な空間にたどりつく。一応参道として階段があるが、町と境内の境目があいまいで、町自体が境内ともとれるような造り。城下町の寺バージョン。
これは寺の鐘。


お寺は立派なものが多い。この灯籠は動線を明らかに邪魔しているが、人の身体性を刺激している。
上に生けてある花は人が手入れをしている事を示し、この寺に体する愛情を感じさせる。またこの空間は町と境内の境目である事からパブリックスペースともいえるので、町全体への愛情の暗示になっている。こういう行為は地域の団結を深める重要な行為だとふと思う。


お寺への参道の階段を上る猫。人なつっこいわけではないが、のんびりしている。
このあたりは結構猫が多い。猫アレルギーな私には恐怖である。しかしこういった動物が予測不可能な動きで町を面白くしている。


最近たてられた今風の建物。黒のファサードと木製のルーバーで町並みに調和を試みながらも、一階と二階の区別をなくすことで差別化をはかり、緑のガラスで主張している。看板は悪趣味。


料亭。比較的最近リノベートされた建物だろう。画面奥側に黒のコンクリートボックスが繋がっていて、キッチンの役目をしている。
全く異質なものを色だけで繋げるコントラストは面白かった。


この階段も身体性を刺激する。手すりがなく、上りにくそうだ。でも上ってみたい気持ちをかき立てる。ちなみにこの階段をあがると小さなミニ農園があり、寂れた物置があるがこれが侘び寂び(?)を醸し出している。



町のはずれにある神社。はずれにもなると人も少なくなる。この町はまるでRPGのようで、ちょうどいい広さやイベントの分布、人の分布がゲームの中を冒険している様な感覚。どう説明したらいいかわからないが、町に予測不可能な驚きがあるのは非常に大事。これはなんだろう?と思うことや、いきなり人が多い!びっくり!みたいな感覚は町づくりにおいて忘れてはならない。