古本屋

家に一番近い駅からほど近いところに古本屋があって、それは駅から見えていていつも気になっているんだけど、家と反対の方向にあるし、なんとなく面倒くさいなという思いで、一度も行った事はなかったけど、今日は思いのほか早く帰宅できたので行ってみた。ブックオフみたいなチェーン店じゃなくておっさん一人でやっている店だから、店内はそこかしろに黄ばんだ本が山積みになって、紙のすっぱいにおいに満ちていた。店内にはめぼしい物がなくて、まぁこんなもんかなって思って、じゃあ帰るかと思って、外に出てたら、三冊200円という文庫本のコーナーがあった。

高橋源一郎の「さようなら、ギャングたち」と「ジョン・レノン対火星人」があった。

興奮した。「さようなら、ギャングたち」はずっと読みたいと思っていたけど、近所の図書館にはなくて、近場のブックオフとかいろんな古本屋を10件くらい巡ってもなくて、そろそろあきらめて新品で買うかと思っていたときだったので、誇張でもなんでもなくて体が震えるほどうれしかった。ブックオフ10件というのは書くのは簡単だけど、実行するのは結構大変で、断続的にだけど3ヶ月くらいは探していた。その3ヶ月くらいの時間が報われた気がした。はじめからそこに行っていれば苦労せずに見つけられたのにというふうにも考えられるし、どうしてもそう考えてしまうけど、やっぱり探して探して、こうして見つけられたこというがとても意味のあることだと思った。これから読む「さようなら、ギャングたち」があまり面白くなくても、きっと一生忘れられない一冊になる気がする。これはちょっと大げさかもしれないけど。

ちなみに3冊200円ということで、もう一冊は迷ったけど「時をかける少女」を買った。最近の貞元さんがイラストを書いた装丁のやつじゃなくて、藤本蒼という人がなんとも不気味で味のあるイラストを描いている昭和54年の11版。