長嶋有「夕子ちゃんの近道」を読んだ

夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)

夕子ちゃんの近道 (講談社文庫)

いよいよ長嶋有づいてきた。この嵌り方は4年前に保坂和志に怒嵌りしたときに似ている。

経過と終わり。この小説で長嶋有は物語を終わらせた。長嶋有が終わらせたというか、登場人物はみんなある時間切れをむかえた、そういう、時間切れのある小説をデザインした・・・。みたいに思ったのはブルボン小林のコラムを読んでいたから、こじつけてしまったのかもしれない。

朝子さんは時間切れまでただ箱を作り続けて、時間切れで倒れた。
夕子ちゃんはいろんなショートカット(近道)を知っていた。
生まれながらに金持ちだったりする家系に生まれた人、この小説の中ではフランソワーズだけど、を見て、(チートだ・・・)と普通に思ってしまうくらいにはゲームは浸透していると思った。

この文を書きながら思ったことは、ルールは単純だけどたくさんあって面白かったと言うことだった。