栗とか豆とか

まろ、ん?―大掴源氏物語

まろ、ん?―大掴源氏物語

モグメーター:★★★★★


先日ベッドの裏を捜索、いや掃除していて発見

したので、パラパラ読んでました。

あっ、こんな話・・・デジャヴゥー?トレボーン?



何か、源氏物語千年紀、とかいう年らしいので、

新聞やテレビでもよく取り上げられてますので、

そんな時にこの本が、マジ、リー便です。マジマジ。


  • 便利その1−「全部載っている」

そう、長い長い54帖が全部、載っています。

余すところ無く。

見所だけ、とか、有名な話だけとかありません。

1帖がみな平等に見開き2ページ分、1ページが基本4コマで、

1帖分の内容が計8コマで漫画風に描かれてます。

本文が無い「雲隠」にもちゃんと2ページ使われている。

顔はデフォルメされていますが、内容は原作に忠実。

漫画風ですが、よくある源氏がネタの別ストーリーとかではありません。

だから最初からきっちり読んでいくと、疲れます。

私は寝る前などに、ぱらぱら読む。

その他に、詩や当時の服装、人物関係などの

説明のページも絵入りで用意されています。

マジ、これ一冊で源氏全部オッケーっすみたいな?


  • 便利その2−「男子は栗か豆」

女性の登場人物は可愛らしいお人形のような顔ですが、

主要なイケメンは、栗か、豆か、どんぐり。

ちなみに、「源氏の大臣=まろ」は「栗」で、

「まろ」の血を継ぐ子たちは、みな栗頭を遺伝するようになっています。

「頭中将」の血族は、豆頭。

「桐壺帝」の血は、どんぐり*1

あと、目とかは母親似になったりします。

女の子も娘は母とごく似た顔立ちで描かれます。



だから、何なのか、っていうと、

誰が誰の子なのかが、わかり易いということ。

私が源氏物語読んでて、「もう無理」ってなっちゃうのは、

誰が誰だか、分からなくなっちゃうところ、

なにしろ、血が濃ゆい時代、

父が同じとか、母が違うとか、父が何人もとか、

みたいなことばっかりで、混乱してしまうですが、

でも、親子で顔が同じだと、話も分かりやすくなります。

そうすると性格なんかも、飲み込めて、

ようやく話にぐっと引き込まれる段階に至れる。

○○の子ゆえの因果とか、△△の性格を受け継いでるとか、

源氏物語が、4世代を移して流れていく

大河物語なんだということに気づかされます。

最後、宇治10帖では、「匂の宮」は栗、

「薫」は栗のはずだが、顔は豆、ということです。

*1:どんぐりの血を継いでるから、「まろ」は栗