栗とか豆とか
- 作者: 小泉吉宏
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2002/01/01
- メディア: 単行本
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モグメーター:★★★★★
先日ベッドの裏を捜索、いや掃除していて発見
したので、パラパラ読んでました。
あっ、こんな話・・・デジャヴゥー?トレボーン?
何か、源氏物語千年紀、とかいう年らしいので、
新聞やテレビでもよく取り上げられてますので、
そんな時にこの本が、マジ、リー便です。マジマジ。
- 便利その1−「全部載っている」
そう、長い長い54帖が全部、載っています。
余すところ無く。
見所だけ、とか、有名な話だけとかありません。
1帖がみな平等に見開き2ページ分、1ページが基本4コマで、
1帖分の内容が計8コマで漫画風に描かれてます。
本文が無い「雲隠」にもちゃんと2ページ使われている。
顔はデフォルメされていますが、内容は原作に忠実。
漫画風ですが、よくある源氏がネタの別ストーリーとかではありません。
だから最初からきっちり読んでいくと、疲れます。
私は寝る前などに、ぱらぱら読む。
その他に、詩や当時の服装、人物関係などの
説明のページも絵入りで用意されています。
マジ、これ一冊で源氏全部オッケーっすみたいな?
- 便利その2−「男子は栗か豆」
女性の登場人物は可愛らしいお人形のような顔ですが、
主要なイケメンは、栗か、豆か、どんぐり。
ちなみに、「源氏の大臣=まろ」は「栗」で、
「まろ」の血を継ぐ子たちは、みな栗頭を遺伝するようになっています。
「頭中将」の血族は、豆頭。
「桐壺帝」の血は、どんぐり*1。
あと、目とかは母親似になったりします。
女の子も娘は母とごく似た顔立ちで描かれます。
だから、何なのか、っていうと、
誰が誰の子なのかが、わかり易いということ。
私が源氏物語読んでて、「もう無理」ってなっちゃうのは、
誰が誰だか、分からなくなっちゃうところ、
なにしろ、血が濃ゆい時代、
父が同じとか、母が違うとか、父が何人もとか、
みたいなことばっかりで、混乱してしまうですが、
でも、親子で顔が同じだと、話も分かりやすくなります。
そうすると性格なんかも、飲み込めて、
ようやく話にぐっと引き込まれる段階に至れる。
○○の子ゆえの因果とか、△△の性格を受け継いでるとか、
源氏物語が、4世代を移して流れていく
大河物語なんだということに気づかされます。
最後、宇治10帖では、「匂の宮」は栗、
「薫」は栗のはずだが、顔は豆、ということです。
*1:どんぐりの血を継いでるから、「まろ」は栗