Borghesia - & Man Created God

& Man Created God

& Man Created God

スロベニアクロアチアEBMバンドの8th。
ライバッハと共に1980年代後半のEBM及びインダストリアルシーンを盛り上げたバンド……だったはずだが、1995年のアルバムを最後にフェードアウト。ライバッハが1990年代から2000年代、そして現在に至るまで活動や新譜を絶やさないだけに知っている世代が限られたり、それ以外の世代でも特殊フォルダ()に収まってしまう人しか知らないであろうバンドに。
しかし、何故か2014年に復活アルバム(なのかな?)を出すという暴挙で本エントリで紹介することになった次第。
で、内容なのだが、ぶっちゃけ1980年代後半の音源とさほど変わってない。機材の関係で新しく聴こえるだけで、何回か聴いていると「ああ、コンピ「This Is Electronic Body Music」だ……」という具合になってくる。1970年代後半からのニューウェイヴやパンクが先進主要国から森深き国に伝わってなんとも異形の音楽と化す。実のところエレクトロニック・ボディ・ミュージックとはそんなものではないかと、最近思うようになった。件のコンピに収録されていたボルゲイジアでも誰の曲でもいい、その国が持っている伝統的な旋律や全きそこから離れた音楽が聴こえてくる。自分は歴史や地理に詳しいわけではないが、旧ユーゴスラヴィアという国にはスラブ系の人達が住んでいるときいた。バルカン系(なんか知ったような書き方だな)中近東な旋律がEBM全盛期から聴こえてきて、今作もまた聴こえてくる。その部分が自分には飛ばされるもので、同郷の祖国ではない国に誇りを感じ行進したくなるようなライバッハとは異を醸し出す。
なんだかまとまらない紹介文になったしまったが、1980年代後半からの彼らが好きな向きにはお薦めできるアルバムだと思った。個人的にも今年のベスト盤。