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2007-09-02

[][]横三本の「来」

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トイレに達筆の張り紙。「来た時よりも美しく!」とあります。

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よく見ると、「来」の字が、横三本になっています。

「これって誤字では? こんな達筆でも誤字があるの?」と思ったのですが、行書だからこんなもんなのかなあと、納得したような、納得しないような、とりあえず写真だけ撮って忘れていたのですが。

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よく探してみると、楷書(これも達筆)の看板でも……。

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横三本です。

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ごくごく稀ですが、ゴシック体の横三本も、なくはないみたいです。

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先日ウェブを徘徊していたら、和文鋳造活字の初期の楷書体の字形に、横三本の「来」を発見。「組版今昔」の 21 ページ目の図の下側(図 42)の、左から 2 行目、下から 5 文字目(ややこしくてすみません)。

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『邦文タイプライター用文字の索引』「略字類」のページには、こちらは明朝体で、横三本の「来」があります(頭から 4 文字目)。

書体字典等を調べていても、ときどき横三本の「来」が見つかります。横三本だからって、単純に誤字とはいえないようです。漢字って奥が深すぎます。

karpakarpa 2007/09/03 14:00 日本史の資料集で「ぜいたくは出来ない筈だ!」といふWWII戦前夜の看板が出てゐましたが、うへのやうな略字でした。略す原理としては来とあまりかはらないので、辞書類では誤字としないのではないでせうか。新字源では俗字の扱ひですね。
看板文字をみてゐると当用漢字でも正字でもないものがおほく出てきますよね。当用漢字とそれまでの字とのつながりが明らかにされる度に、却つて当用漢字の革命性があきらかにされるやうに感じてゐます。

mojiuramojiura 2007/09/05 01:04 karpa さんへ。コメントありがたうございます。
「俗字の扱ひ」とのこと、ご指摘ありがたうございます。すぐに「誤字」と思つてしまふので、今後はちよつと表現に気をつけたいと思ひます。正字以外は全部誤字、という考へは危険ですので……。
看板文字は、私も興味深く見てゐます。どこまで「許容」されてゐたかを知る手がかりと思つてゐます。単純に見た目も綺麗ですし。関連→http://retro-kanban.com/
今後ともご指摘よろしくお願ひします。

minus273minus273 2010/12/01 20:30 (日本語で書くのはよくできんため英文ごめん)

I think I read somewhere (maybe 于右任's /標準草書/?) that the standard Grass-script way to write 來 is with three horizontal strokes. So it may well be another case of the famous process of regularization of the Grass-script.

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