Hatena::ブログ(Diary)

リビングルームで旅に出る

2009-12-11

[] 件の記事のブクマから二酸化炭素説の支持率を探る

今日も地球温暖化ネタです。ノリノリで。

件の地球温暖化懐疑論エントリーについたはてなブックマークが興味深くて、仕事の合間にちょこちょこ見てました。温暖化に対してどう思ってるか、普通の方の生の意見が読めて面白い。

せっかくなんで、ブックマークのコメントを主観で適当に分類して、人数を数えてみました。温暖化二酸化炭素が原因という定説に対する判断が基準で、他の、例えばデータ改ざんは良くないなどのコメントは除外。その結果、どれかにカウントしたブクマは全部で203でした。*1

結果は以下のとおり。

めちゃくちゃ適当ですけど、結構リアル。つーか、二酸化炭素が原因だよ派が涙目です。自分です。

元記事が懐疑論だから「捏造派」の人が多目に出そうな気はするが、「判断できない派」が最大多数なのはそうだろうなあ。「エコは大事派」を含むと過半数。*5

つーわけで、普通の人にも分かる解説サイトが望まれている、という自説を支持する結果が得られました。やったぜ!(不謹慎)

*1:12/11の16時現在。公開ブクマ数は1175。

*2:前から知ってたよ派、今知ったよ派、鳩山バカだよ派を含む。

*3:クエスチョンマークを入れてたりしたらココ。

*4定説の解説リンクを張ってたりしたらココ。

*5はてなユーザーという母集団は、別にどっちに振れてもおかしくなさそうな気がする。

2009-12-10

[] 温暖化の質問、募集中

一昨日の地球温暖化懐疑論に関するエントリーが予想以上に読まれててビックリです。参照先記事の懐疑論が民意を席巻する様にも。

思うに、一つは、温暖化について気候学界隈でなされてる議論を平易に説明したサイトがないのが理由でしょうね。温暖化が今ホットなトピックなのにもかかわらず。

それに僅かでも応えるべく、今まで自分用メモとして作ってた地球温暖化懐疑論への反論リンク集を、一般の方向けにちょっと手を入れようかと思いはじめました。

そこで、温暖化に関する素朴な疑問を教えて頂けると嬉しいです。ここのコメント欄にでも。yahoo掲示板とかから拾ってくる方が早いか。

サステナサステナ 2009/12/11 01:14 なぜ、温暖化対策として原発が有効なのか、また、世界中で原発ルネッサンスとも呼ばれるほど原発が注目されているのか、あまり分かっていない人もいると思いますので、そういう説明が必要不可欠だと思います。

これから電気自動車へのシフトなどによって電気需要大幅な増加が見込まれてます。それにはCO2を出さないクリーンな大規模エネルギー源として原発が注目されています。さらに高速増殖炉や核融合ができれば温暖化問題だけでなくエネルギー枯渇問題すら解決に繋がる希望がでてきます。この希望の灯火を消すわけにはいかないのです。

mokkei1978mokkei1978 2009/12/11 16:25 温暖化に関する疑問なので、原発はちょっと...すいません。

sus-edusus-edu 2010/02/15 03:06 はじめまして。
どっぷりハマった懐疑論者ぐらいしか知らないいささかマニアックな奴ですが「温室効果ガスは吸収した赤外線の熱エネルギーを再放射しない(から吸収の飽和と合わせて考えるとこれ以上人為的温暖化は起こらない)」について。
http://feliscatus.blog77.fc2.com/blog-entry-68.html

彼らは物理学の教科書をもとに「そうであるはずだ」というお話をしていますが、じゃあ実際に計ったらどうなるか、が以下のページの図3.5です。
http://www.asahi-net.or.jp/~rk7j-kndu/kenkyu/ke03.html
というわけで、再放射は実際に起こってましたというお話なんですが、これ単体では「反論リンク集」に入れるのは難しそうでしょうか?またテーマもマニアックなので収録すべきかという部分でも判断に迷うところです。

sus-edusus-edu 2010/02/15 03:13 追記です。先ほどの図の縦軸が小さいからやっぱり再放射は無視できるんだというグラフの積分について無知な人や、結局再放射の強さってどれぐらいなのか1秒で分かる形にしてくれという要望に対応するためにはこんなグラフもありました。
http://www.gewex.org/Nov2004.pdf
英文のニュースレターなんてそれこそ読む気が起こる人間が限られてしまいますが、マーシャル諸島で測定された年平均LWD(長波下向き放射)のグラフがこの10ページに載っています。

mokkei1978mokkei1978 2010/02/15 19:01 情報提供、有難うございます。
懐疑論側のリンク先の話がよく理解できなかったので
冊子「懐疑論批判」と環境研Q&Aをベースにまとめてみました。
http://sites.google.com/site/warminglinksj/Home/地球大気の構造・光学特性
自分の専門外なので問題があるような気がします。
確認して頂けると嬉しいです。

mokkei1978mokkei1978 2010/02/15 19:15 すいません。ページのURLを下に移動しました。
http://sites.google.com/site/warminglinksj/atmosphere

mokkei1978mokkei1978 2010/02/15 19:46 あー、だいぶ勘違いしてました。
再放射自体がない、と彼らは言ってるのですね。
後で書きなおします。

masudakomasudako 2010/04/24 18:41 「地球温暖化懐疑論批判」の共著者です。これの中身をとりあげてくださってありがとうございます。ただし、これには確かに海洋研究開発機構所属の執筆者が複数関与していますが、中心になってまとめたのは明日香さん(その所属は東北大学)でした。

なお、この種の資料(必ずしもこの文書自体ではない)を、新しい議論に対応したり、わかりにくいところを説明しなおすなど、更新していく必要があると思うのですが、どう進めたものか迷っています。能力があって時間をかけられる人を確保できるかが最大の問題だと思います。技術的基盤はWikiのようなもの(ただしWikipediaとは別の運営体制)がよいかと思っていますが、Google sitesはお勧めですか?

mokkei1978mokkei1978 2010/05/19 14:19 わ!コメント有難うございます!感激です。
仰られるようなサイトはとても有益で今望まれていると思います。
Google sitesは自分が使ってる分には不満はありません。
欠点と挙げられるのはgoogleのアカウントが必要なことぐらいで
少なくともLivedoor wikiよりは快適でした。

返事が大変遅れてすいません。
ブログを放ったらかしにしてました。

2009-12-08

[]懐疑論エントリへの反論リンク

科学史上最悪のスキャンダル?! ”Climategate” - 化学者のつぶやきという、懐疑論のエントリーを見ました。

見飽きた話で特に感想もないのですが、いちおう、地球温暖化懐疑論への反論リンク集から、文書へのリンクをピックアップしておきます。

  1. Mannの話: 飽きた。 地球温暖化問題懐疑論批判の議論6江守正多コラム 過去1000年の気温変動の虚実(09/11/27)
  2. ニュージーランド水圏大気研究所(NIWA): 元論文不明、検証不可。ニュージーランドの気温だけ見ても仕方ないけど。
  3. 観測点の不備: 都市化の影響はほとんど無視できる。国立環境研究所Q&A.地球全体の平均気温の求め方地球温暖化問題懐疑論批判の議論3
  4. 気温変化が二酸化炭素の濃度変化に1年くらい先行している: 飽きた。国立環境研究所Q&A.海から二酸化炭素が放出された?地球温暖化問題懐疑論批判の議論14
  5. 「太陽活動の影響」による説が現在有力な原因: 元論文不明、なぜ北極点の気温?とりあえず「太陽活動の影響」は有力ではない。国立環境研究所Q&A.太陽黒点数の変化が温暖化の原因?地球温暖化問題懐疑論批判の議論8

どうでもいいんですけど、エントリーの最後に次のような記述があってニヤニヤしました。

今回は懐疑論正当化するようなデータを示しましたが、科学の性質上すべてのデータの上で評価しなれば、それは整形(trimming)にあたりますので、文章中にもありますが、この内容の議論に関しては避けさせていただきます。


追記。ブコメid:yingzeさま。

どの程度誇張されているか(もしくは誇張されていないのか)の答えがほしいです

とのことですが、Mannたちがどれほど誇張させてグラフを描いたか、ということでしょうか。今のところ全く分かりませんが、気温の復元に関する他の研究と比べてMannの結果(MBH1999)が特に目立つとは思えません。見当はずれの答えだったらすいません。

サステナサステナ 2009/12/09 04:02 これは懐疑派の陰謀であることはほぼ間違いないと思います。IPCCの結論は揺るぎませんから、もうすでに終わった話が蒸し返されるのは本当に残念なことです。省エネがいいことであるのは間違いないのです。山本良一先生もすでに「今は温暖化地獄の一丁目、地球温暖化に宣戦布告せよ」と警告しています。ここで、折角根付いた環境意識が低下しないよう温暖化の脅威を煽っていきましょう。明日のエコでは間に合わないのです。本当に今は危機的な状況です。

mokkei1978mokkei1978 2009/12/09 08:41 煽るというか、今までに得られてる知見を基に、
多くの人が議論できればいいな、と思っています。
いずれにせよ、次世代にツケを払わせるのは良くないですよね。
自分たちの世代はそれをよく知ってるはずです。

yingzeyingze 2009/12/09 13:30 返答ありがとうございます。
どうせ中国とインドが成長する限り二酸化炭素の増加は防げないんだから「その後」の対策に着手しろよってのが私の考えなのですが。そうだとしても、原因や現状を把握する為のデータが正確でないと見当外れな行動を起こしそうです。
とりあえず、データを捏造・誇張したり対抗意見を封じようとするような人間の追放から始めて、科学的な有益な議論を科学者の人たちにはして欲しいです。

mokkei1978mokkei1978 2009/12/09 14:06 うーん、そういった「人間の追放」は科学コミュニティにとって最も避けるべき事態だと思います。
(もうホントに例外的措置。)
適切な事実・論理の上に、誰もが議論に参加できるようにすべきです。

さて、Mannらの"trick"については下で説明されていましたよ。
http://d.hatena.ne.jp/satohhide/20091208/1260273913
ただ、データの改竄はネットで見られるような断片的な情報で判断できるものじゃないですよ。
IDLスクリプトうんぬんもかなり眉唾でしょー。

サステナサステナ 2009/12/10 08:36 >>いずれにせよ、次世代にツケを払わせるのは良くないですよね。

その通りです。真剣に環境問題を考える人ほど、現実的で実効性のある非化石エネルギーへのシフトを希求しています。最近の喜ばしい風潮として、将来の子供たちのために、原発賛成にシフトする人が増えてきました。今まさに、未来へのプレゼントとして、どれだけ原発を作ってあげられるかが試されているのです。これまでの働きかけがようやく花開こうとしています。ここで水を差すような動きには徹底的に対処していかねばなりませんね。

yingzeyingze 2009/12/10 09:26 意見が違うから「追放」するのなら、査読に介入していた人たちと同じです。
「適切な事実・論理の上」という議論の前提を破壊していた人たちは退場でしょう。
今のところ現実的なのは原発なのか。

mokkei1978mokkei1978 2009/12/10 13:18 > サステナさん
原発解体に関するNHKスペシャルを見ましたが、
解体や廃棄物の完全な処理は現在の技術では不可能で、先送りするしかないようです。
次世代にツケを回すという点で、原発増設に反対です。
下の記事の中程にある議論を参照して下さい。
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/essay/ondanka_rikai.html

mokkei1978mokkei1978 2009/12/10 13:31 > yingzeさん
追放されるほどの罪を犯したかどうか、現段階では分かっていません。
もし、興味がおありでしたら、ネット上の噂などではなくて、
Mannらの論文と元データに当たって、その旨を論文としてまとめるべきです。

サステナサステナ 2009/12/10 14:33 世の中、ゼロリスクのものはありません。しかも、明日のエコでは間に合わないのです。地球温暖化戦争とも呼ぶべき状況に対して、即戦力となるのは原発しかありません。そして、温暖化戦争に対する答えとして原発の推進こそが世論のコンセンサスなのです。

原子力、世論の6割「推進」 内閣府調査、前回より増加
http://www.asahi.com/national/update/1126/TKY200911260388.html

2009-10-16

[]太平洋十年規模振動(PDO)

どうやらあと20年くらい、地球温暖化は進みそうにない - 極東ブログという、地球温暖化に関して懐疑的なブログ記事を読んだので、短く反論しておきます。*1

最近の世界平均気温


現実として見ると、地球温暖化はこの10年は進んでいないのも事実。

どうやらあと20年くらい、地球温暖化は進みそうにない - 極東ブログ

記事内で基準にしている1998年が、非常に強いエルニーニョが発生した記録的な年であるだけです。例えば8年間のトレンドとして見れば平均気温は上がり続けています。詳しくは、地球温暖化問題懐疑論へのコメント(Ver.3)の議論5を参照してください。

f:id:mokkei1978:20091016174235j:image

ここ30年間の平均気温の推移。青線が8年のトレンド地球温暖化問題懐疑論へのコメント(Ver.3)から孫びき。


太平洋十年規模振動


Professor Easterbrook says: "The PDO cool mode has replaced the warm mode in the Pacific Ocean, virtually assuring us of about 30 years of global cooling."

イーストブルック教授によれば、PDO(the Pacific decadal oscillation:太平洋の10年単位のサイクル変動)による寒冷化モデルは、太平洋温暖化モデルに置き換わっている。実際、約30年では我々には確実だ、とのこと。

どうやらあと20年くらい、地球温暖化は進みそうにない - 極東ブログ

「寒冷化モデル」、「温暖化モデル」より、「低温モード」、「高温モード」と訳した方がいいかな。

いずれにしろ、イーストブルック教授は、PDOという現象によってこれから30年は地球は寒冷化する、よって地球温暖化は足止めされる、と言っておられるようです。

さて、ここで話題になってるPDOとは、El-Ninoのような太平洋の海面水温偏差パターンが、数十年と長い間継続する現象です。*2

具体的には下図のような二極構造のパターン。典型的な「高温モード」の場合の海面水温変化を℃で示しています。「低温モード」の場合は符号が逆になります。

f:id:mokkei1978:20091016171517j:image

Mantua & Hare, The Pacific Decadal Oscillation, Journal of Oceanography, 58, 35-44, 2002

例えば「高温モード」では、北西太平洋で0.4℃低く、東部赤道域で0.2℃高い状態です。このように、名前が誤解を呼びますが、太平洋全体の水温が上昇、下降するわけではないんですよね。だから、PDOで寒冷化って何のこと?と思ってしまう。

この変動パターンをどのように得たのかについても説明しておきます。

  1. 過去100年の月毎の海面水温データを用意する。
  2. 海面水温から、その月の全球平均海面水温を差し引いて偏差を得る。
  3. さらにEl-Ninoによる影響を差し引く。
  4. 得られた水温偏差場に対して、経験的直交解析(EOF)を行い、第一主成分を求める。*3

つまりもともと、2の操作から分かるとおり、

PDOとは、長期の全球規模の温暖化傾向ははじめから差し引いて、その温度変化を示しているものです。

温暖化はとまった?のか?(説明編) - 環境問題補完計画

そんなわけで、PDOは通常、イーストブルック教授が言うような全球的な高温化、低温化の観点ではなくて、局所的な影響について議論されています。日本で降水が増えるがオーストラリアで減る、とか。

ただ、PDOパターンがどのように維持されるのか、符号がどうして数十年ごとに反転するのか、などはまだまだ未解明で、全球的な気候に対する影響についても断言はできないのも事実。*4まーそれでも、何か言うんだったら、まずは学術誌に論文を書いてもらわないと検討のしようもありません、としか言いようがないっす。

そんな感じです。疑問等あればコメント頂けると幸いです。地球温暖化に関する過去の記事も良ければどうぞ。

2009/12/08に追記:

「地球は当面寒冷化」ってホント? - 温暖化科学の虚実 研究の現場から「斬る」!(江守正多)によると、

データを見ると、ここ数年はPDO指数がマイナスです。つまり、熱帯太平洋の広い面積で海面水温が平年より低いということです。これが地球平均気温を下げるように働いているのがわかります。

らしいです。というわけで上のエントリは一部間違い。全球平均気温にもそれなりの影響はあるとのことです。すいません。ていうか、上記事へのリンクだけで良かったなあ。

*1:ちなみに自分は海洋物理を研究しております。

*2:結構詳しい説明がwikipedia:太平洋十年規模振動にあります。

*3:最も強い変動パターンを求める、ってこと。

*4:例えば、北大西洋子午面循環の振動現象によって温暖化が足止めされる、という話はある。自然振動があっても温暖化は進むを参照。

2009-02-05

[] 「スターン報告:気候変動の経済学」を紹介する

先日のエントリを書いて思ったんですけど、地球温暖化に関してこれだけ話題にされながら、その影響があまり知られていないようです。そこで今回は、温暖化の影響を包括的に調べた報告書「スターン・レビュー:気候変動の経済学」のさわりだけを簡単に紹介してみます。*1

スターン報告の概要は次のとおり。

スターン報告(スターンほうこく、Stern Review)とは、2006年10月30日にイギリス政府のために経済学者ニコラス・スターン卿(Sir Nicholas Stern) によって発表された地球温暖化(気候変動)に関する報告書である。正式な表題は The Economics of Climate Change (気候変動の経済学)。地球温暖化の対策による損得、その方法や行うべき時期、目標などに対して、経済学的な評価を行っている。

wikipedia:スターン報告


で、前回同様、報告の中身を見る前に、大気中のCO2濃度の予測を見ておくとイメージしやすいかな。

f:id:mokkei1978:20090130145013j:image:w300

IPCC第3次評価報告書第1作業部会報告書fig.5

先日も書いたように、シナリオA1B(赤実線)が最も中庸な状況設定かと思われます。温暖化対策が行われなければ、2050年に約550ppm、2100年に約700ppmに達すると予測されています。


さて、スターン報告では、様々な研究を基にして、CO2がどの濃度で安定化するかに応じて*2温暖化の影響をとりまとめています。その一覧がこちら。

f:id:mokkei1978:20090205114123j:image

気温上昇が2℃以下では影響はそれほど大きくありませんが、2〜3℃を超えると影響が甚大になり、5℃になるともはや予測不能となります。報告では、この結果を踏まえ、気温上昇が3℃程度と予測される550ppmにCO2濃度を安定化させることが重要とまとめています。

報告はそもそも環境経済学の分野に属するもので、各影響のデメリットとメリットを経済的に評価しています。ただ、自分の専門ではないので、そこはとばして結論だけを引用すると、今後2世紀の間で、*3

リスクの経済学を適用し、影響とその結果をすべて考慮して解析すると、BAU時(対策をしない場合)の気候変動は、1人あたり消費額の5〜20%に相当するだけの、社会厚生*4の減少が示唆されるのである。

一方で、温暖化対策にかかる費用も見積もっていて

資源コストの予測値は、CO2換算550ppmでの安定化に向かう排出削減にかかる2050年までの年間のコストの上限値が、GDPの1%であろうということを示唆している

とのこと。そして

予期される気候変動の悪影響の低減は、きわめて価値があり、しかも実現可能である

と結論付けています。

つまり、CO2濃度が2050年のレベルで止まるように、GDPの1%を使って今から対策を行っていくのが、現実的かつ合理的じゃね。ということらしい。対策をしなければ、上図で示したような様々な悪影響があって、経済的にも大損だよ、と。*5

ただし、これは今すぐ対策を始める場合であって、対策が遅くなればなるほど、温暖化の被害は増大し、対策にかかるコストも跳ね上がるという議論もしています。*6

ここでは結論だけを紹介しましたが、報告の要旨ではそれぞれをある程度詳細に議論しているので興味ある方はそちらをどうぞ。要旨は国立環境研究所によって和訳されてます*7

*1:自分の専門分野ではないし、要旨しか読んでないのですが。

*2:前回紹介した研究ではピーク時のCO2濃度を基準にしていたのに対し、ここでは落ち着いた後のCO2濃度が基準であることに注意。

*3:前回エントリから考えると短いですが。

*4:生産者の利益+消費者の利益−環境汚染の被害、らしい。

*5:発展途上国で被害が特に大きい。そんなもんだよな...

*6:技術革新を待てば損する、と強調されてる。

*7:報告に関するコメントも興味深い。