天皇杯決勝
ジュビロ磐田1-0セレッソ大阪
最初のビックチャンスを外した時点で勝負は決まっていたのかもしれない．
セレッソは戦前の磐田優位の予想を覆すような素晴らしい戦い振りを見せた．
磐田のお株を奪うような高い位置からのプレス，神出鬼没の森島，マークが二人ついてもものともしない大久保，前半素晴らしい突破を何度も見せた酒本，代わった徳重もジュビロディフェンス陣を何度も脅かした．そしてイエローカードをもらったにもかかわらず，積極果敢な守備を続けた布部，少なくともこの試合に関する限りセレッソの選手が見せた個のパフォーマンスはジュビロに劣るものではなかった．
にも関わらず，勝てなかった．
守備陣について言えば，後半，敵が10人になったとはいえ，ジュビロ相手に1失点に抑えたのだから合格点を与えられる．
セレッソの敗因は点が取れなかったの一語につきる．
セレッソの攻撃陣は華々しいプレイを見せたが，酒本，徳重はともかく森島，大久保は孤立する場面が目立ったと思う．正確に言えば個の力だけでジュビロ守備陣に対抗する場面が目立った．それにバロンをうまく使える場面が少なかった．結局セレッソの前線は分断させられたのだ．
また，これを言うのは酷だが，やはり西澤だろう．残念ながら彼の投入も敗因となった．怪我という事情を考慮したいが，同じような立場にあった中山の投入が試合を決定づけたのに比べれば，あまりに非力であった．同時に西沢投入というゲームプランにこだわり過ぎた監督采配の失敗でもある．
かくしてサッカーの神様はジュビロの戴冠＆柳下監督有終の美を方を選んだ．とはいえ，試合終了後の大久保の表情を見ているとこのほうが良かったのかもしれない．彼にはまだ何度もチャンスがある．
