映画の噂

1)日本最初の国際合作映画を発見

 「何が彼女をそうさせたか」や「姿三四郎」を例に出すまでもなく、満州から押収された日本映画はソビエトという共産国家の文化への理解によって今日まで保存され、ロシアへと変貌を遂げたことにより、フィルムが日本へ帰還することができるようになった。
 2001年の京都映画祭で「爆弾花嫁」他、ロシアで発見された諸作を観たが、その際フィルムセンターの方のロシアでの発掘作業の講演を聞いたが、既にあらかたロシアでの発掘は終わり、中国国内に次の可能性があると聞いていただけに、まだ出てくることの驚きと喜び、そして今後、山中貞雄溝口健二の失われたと言われる作品、現在からは無名の作家の作品の中に、映画史を書き換える作品が出てくるのではないかという期待を覚えずにはいられない。ついでに言えば都市伝説的に脈々と語られる国内のコレクターの所蔵品にも本当に、そういった作品があるなら、見せて欲しいと思うが。