2008年10月
『その木戸を通って』(☆☆☆★★★)/『戦後最大の誘拐 吉展ちゃん事件』(☆☆☆★★★)
■10月の購入物
今月は、大半を引きこもって過ごしていたので、映画もほとんど観ていない上に、いつ何があったすらも錯綜しているので、とりあえず記録用にメモだけ。
- DVD
『野火』『ザッツ・エンタテインメント』『ミステリートレイン』『パフォーマンス/青春の罠』『カインド・ハート』『L.A.コンフィデンシャル 製作10周年記念』『潜水服は蝶の夢を見る』『トランスフォーマー』『1980』『テロリスト・黒い9月 ミュンヘン』『ブルワース』
『野火』はお馴染み大岡昇平、市川崑の人肉映画。必要があったので、この際だとフォレストの10%OFFで購入。塚本晋也が浅野忠信、村上淳でリメイクするという構想はその後、どうなったのだろうか。
ワーナーの廉価版で980円まで落ちたので『ザッツ・エンタテインメント』購入。幼少時にミュージカル映画好きの伯母に延々と説明されながらビデオで観ていた。
ジャームッシュの『ミステリートレイン』が1500円で再発されたので購入。
ニコラス・ローグの『パフォーマンス/青春の罠』が1500円で発売されたので購入。90年代末のリヴァイヴァル時に扇町ミュージアムスクエアで観て以来。あの時はサッパリわからなかったが、今回はどうか。
『カインド・ハート』は未見ながら、ユニヴァーサルのこのところ大充実しているラインナップに入っていたし、アレック・ギネスだし、購入。1500円。
以降は、HMVのセールで購入。『L.A.コンフィデンシャル』と『潜水服は蝶の夢を見る』『トランスフォーマー』は50%OFF。殊に『L.A.コンフィデンシャル』は30%OFFの時に購入しかけていたので待っていて正解。公開時以来再見していないので、じっくり観返したいなと。『潜水服は蝶の夢を見る』は今年観たばかりだが、素晴らしかった。観る前は、かなり鼻につく演出をこれ見よがしにやるに違いないと踏んでいたが、『裏窓』と並ぶ、映画館の客席に固定された観客が劇中の主人公と同化せざるをえない映画の特性を活かした設定で、より作品に見入ってしまった。本作を観て以降、柳田アナの事故を見ても他人事には思えないほど実感を伴わせる作品。
『テロリスト・黒い9月 ミュンヘン』と『ブルワース』は500円売りされていたので。
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ジャケの解説で、塩田時敏先生が文末に「この作品は、まさにキョーフのネズミ算!?我々はもう“ふくろの人間”だ。」と、いいかげんなことを書いていて笑う。オチにそれ言いたかっただけやん、みたいな。
- 書籍
『紋次郎も鬼平も犬神家もこうしてできた』『映画論講義』『「プガジャ」の時代』『ジャパン・アヴァンギャルド -アングラ演劇傑作ポスター100-』『大島渚著作集1』『表参道のヤッコさん』『大島渚1960』『お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か』
『紋次郎も鬼平も犬神家もこうしてできた』は、美術監督・西岡善信の聞き書き。資料に必要なので購入。
『映画論講義』は、蓮實重彦の新刊。『映画崩壊前夜』から間を空けずに出版されたのは良いが、まだ前のも読み終わってない。
『「プガジャ」の時代』は、『ぴあ』以前の関西発の情報誌『プレイガイドジャーナル』の回顧本。今、『ぴあ』が終焉の気配を漂わせている以上、何か始めようとする者は先人の記録に目を通しておいては如何か。
『ジャパン・アヴァンギャルド -アングラ演劇傑作ポスター100-』は、60年代後半から70年代にかけてのアングラ演劇ポスター集。発売時から欲しい欲しいと思っていたが微妙に高いので迷っている内に店頭から消えてしまった。今回、紀伊国屋書店が「〈熱き時代〉の新宿、新宿の〈いま〉」というブックフェアを始めたら本書が積んであったので、商品券もあったことだし少し安くなったので勢いをつけて購入。デカイ本だが、所有する喜びを感じる。同じ形体でATGのポスター集がでないものだろうか。以前出版されたことがあるが、安っぽい本だったのでこれぐらいの豪華本で出してほしい。
『大島渚著作集1』は、四方田犬彦・平沢剛両氏によるベスト・オブ・大島渚集。 古本で原本を買い集めていた身としては、まだ第一集はそうレアものが入っているわけではないが、『日本の黒幕』と『ハリウッド・ゼン』のシナリオを読む為にも、まあ、全部買っておこうかと。
『表参道のヤッコさん』は、発売時に気になりつつも機会を逃していたが、気が向いて購入。
『大島渚1960』は、日本図書センターから出た版で買ってしまっていたので、青土社版は買い損ねていたが、『大島渚著作集1』も買ったことだし、古本で注文。状態の良いもので買えた。青土社版の方が注釈も詳細で持っていないわけにはいかない。
『お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か』は、TBS成田事件の記録。市川崑のインタビューもあり。その内容も実に市川崑らしい。
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- 作者: 蓮實重彦
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ジャパン・アヴァンギャルド -アングラ演劇傑作ポスター100-
- 作者: カマル社,ポスターハリスカンパニー
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- 作者: 大島渚,四方田犬彦
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- 作者: 高橋靖子
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- 作者: 大島渚
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お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か (朝日文庫)
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- 雑誌・ZINE他
『シナリオ 2008年 11月号』『spotted701 Vol.7』『群像 2008年 11月号』『キネマ旬報 2008年10月下旬号』『キネマ旬報 2008年11月上旬号』『映画芸術 425号』『映画秘宝 2008年 12月号』『広告批評 330号(2008年10月号) 』『エクス・ポ第6号』『週刊読書人 2008年11月7日号』
『シナリオ 2008年 11月号』は、『蛇にピアス』(宮脇卓也・蜷川幸雄)と、第4回ピンク映画シナリオ募集最終審査結果発表の入選作『イサク』(ヨブ呼彦)が掲載。作者のヨブ呼彦とは『ちゃんこ』などの脚本家であり、『映画時代』を主催する一人である港岳彦さんのこと。発表前から聞いていたが、実際に掲載されると我がことのように嬉しい。打ち合わせの席でよくピンク映画の話をしていたし、『SPOTTED701』だったかで、ピンク映画の脚本書きたいと書かれていたことを覚えていたからだ。港さんはプロの脚本家であり、サトウトシキ監督の作品に参加したり、いまおかしんじ監督にインタビューしたりと、国映方面とは繋がりもあるだろうから、わざわざピンク映画シナリオに応募しなくても書く機会があるのではないかと思う向きもあるかもしれないが、近い場所に居てもなかなかそう上手くはいかないものだ。だからこそ、わざわざ変名を使ってまで応募されたのだと思う。港さんとピンク映画の雑談をしている時に、何度もピンク映画書いてほしいなあと思ったので、映画化率が最も高いこのコンクールで入選したのは本当に喜ばしい。『イサク』は、いまおかしんじ監督で映画化が予定されている。おそらくこれまでの例からすれば半年〜1年の間に映画化されるだろう。今から楽しみだ。
『spotted701 Vol.7』は以前書いたので省略。ディスクユニオンで購入した翌日というかブログでアップした数時間後に郵便ポストに送られてきたものが入っていて嗚呼…と思ったが、まあ、これは毎度買ってるヒトにあげよう。
『群像 2008年 11月号』は、吉田喜重の特集。下記の通り。
『群像 2008年 11月号』
「特集 吉田喜重 他者としての私」
〈シンポジウム〉吉田喜重あるいはその明晰なる試み
〈対談〉吉田喜重の強さ 蓮實重彦+青山真治
〈評論〉吉田喜重の出発―――『甘い夜の果て』まで 野崎歓
シンポジウムと、蓮實+青山対談が面白かった。とよた真帆が青山監督に電話してきて、今すごい映画テレビでやってると言うので何かと思えば『戒厳令』だったという話に笑う。こんな映画を撮るべきだとも。
キネ旬は毎度の如し。890円は高い。
『映画芸術 425号』は今号には寄稿しているので送ってもらう。しかし、何故か映芸だけはタダで貰うと後ろめたい気分になる。
『映画秘宝 2008年 12月号』は、『子連れ狼』特集がえらい力入ってて面白い。漫画映画特集も。
『広告批評 330号(2008年10月号) 』は、宮崎あおいが可愛かったから購入。今回の表紙3パターンからは結局、高橋靖子のやつに。
『エクス・ポ第6号』は、第一期最終号。結局全部買ったが、兎に角よく定期的に出たなあと感心することしきり。6号で終わるのは勿体ない気もするが、あまり長くやるのではなくこれぐらいの方が良いのかもしれない。中原昌也の日記が途中で掲載が終わったのが残念だった。
『週刊読書人 2008年11月7日号』は、『大島渚著作集』刊行開始に合わせて四方田犬彦・平沢剛対談が掲載。四方田先生は確実に一度は蓮實重彦の悪口を言うので今回も「東大の蓮實重彦と松浦寿輝は決して大島渚を論じない」と言ってる。『大島渚著作集』に未映画化脚本『日本の黒幕』と『ハリウッド・ゼン』が掲載され、それについても作品として論じるべきという四方田先生の姿勢は、それとは逆を行く蓮實重彦と対照的。個人的にももっと脚本は監督を論じる際に重視されて良いと思う。
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