おすすめ度の平均:人物の配置のうまさに脱帽
深みはないけど軽い読書にオススメ
衝撃の結末
3人組のコンビニ強盗が病院に人質をとって立てこもる事件が発生し、犯人グループとの駆け引きにFBI仕込みの交渉人・石田警視正が送り込まれました。交渉人の巧みな話術により犯人グループは交渉人の手のひらの上で動かされ、事件は容易に解決するかに思われました。しかしその後、意外な展開が待っていました。
最後の章で大どんでん返し。ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、成り行きで立てこもったと思われたこの事件は用意周到に計画された犯罪で、事件の本当の目的はまったく別にあったのでした。意外な真犯人、そしてその動機は・・・・。
最初は普通の心理サスペンスという内容。主人公のウンチクというか、交渉術の説明がしつこい気もするけど、序盤のコンビニ強盗から始まって、交渉開始、そして犯人の追跡までのスピード感、緊迫感の演出もうまく、どんどん話に引き込まれていきました。でもこのままアッサリ解決しちゃうのかなぁ・・・・だとしたらツマンナイなって思ってました。
大どんでん返しでわかる真犯人と犯人グループの真の目的は確かに驚かされました。石田のかつての教え子で主人公の遠野麻衣子がなぜ真相を見破ることができたのか、見破ったそのキッカケはいいとしても、結論に至るまでの伏線の収束のさせ方がちょっと説明不足。それと真犯人の動機も唐突な気がしてならないのです。肝心の事件の動機について何の伏線も張られてないためなのでしょうけど、とってつけたような印象が否めませんでした。肝心の大どんでん返しで話が一気にだれてしまったのが残念でなりません。
★★★☆☆が精一杯でした。