キーマン茶とサモワール

不意に思い立って、購入本記録兼書評兼日記をつけ始める。
長く続けたいので、ほどほどに。
力の抜けた日記になればいいなと考えている。

十月十一日。曇り。
いつもどおり七時に目覚ましをかけたが、疲れが溜まってきたせいでなかなか起きられない。
三十分間、アラームと格闘し、七時半になんとか起床する。
朝食はマーマレードのジャムを塗りたくった食パン。

仕事の合間の移動時間が一時間ほどあったので、磯淵猛の「紅茶の国 紅茶の旅」を読む。

紅茶の国 紅茶の旅 (ちくま文庫)

紅茶の国 紅茶の旅 (ちくま文庫)

この本は昨日、仕事の移動中にぶらりと寄ったブックオフで百円にて購入したものだ。
表紙の雰囲気と、もともと紅茶に興味を持っていたことから、手が伸びた。
ちくま文庫は基本の料金設定が高めなので、百円で入手できるのはかなりお得。

前半は、中国で最高級といわれるキーマン茶にまつわる記述が続く。
フルーティーで、花のような甘い香りがするらしい。
英国人はミルクティーにして楽しむようだ。
味を想像してうっとりする。

ピーピーケトルの元となった、サモワールに関する話が興味深い。
帝政ロシア時代、大流行したサモワール
ロシアで紅茶を頂くときは、必ずセットでサモワールが登場するのだとか。
サモワールが登場した頃のロシアでは、中国茶は貴重品としてかなり高価な品物だった。
サモワールを持つこと、茶を飲むことは、上流階級のシンボルとされ、人々は限りない憧れを抱いた。
ロシアの小説家トルストイもこよなく愛したサモワールの起源が、中国にあったという説は面白い。

ところで、最近、帝政ロシアという単語にやたらと弱い。
荘厳で、ちょっと冷やかで、謎めいた雰囲気が漂ってくる。
おそらく、夢野久作の小説「死後の恋」の影響だろう。
何か帝政ロシアを舞台にした小説を読んでみたいな。

トルストイも未読なので、有名どころ「アンナ・カレーニナ」辺りから手をつけてみようか。

瓶詰の地獄 (角川文庫) アンナ・カレーニナ〈1〉 (光文社古典新訳文庫)