キーマン茶とサモワール
不意に思い立って、購入本記録兼書評兼日記をつけ始める。
長く続けたいので、ほどほどに。
力の抜けた日記になればいいなと考えている。
十月十一日。曇り。
いつもどおり七時に目覚ましをかけたが、疲れが溜まってきたせいでなかなか起きられない。
三十分間、アラームと格闘し、七時半になんとか起床する。
朝食はマーマレードのジャムを塗りたくった食パン。
仕事の合間の移動時間が一時間ほどあったので、磯淵猛の「紅茶の国 紅茶の旅」を読む。
- 作者: 磯淵猛,斎藤香織
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/07/10
- メディア: 文庫
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表紙の雰囲気と、もともと紅茶に興味を持っていたことから、手が伸びた。
ちくま文庫は基本の料金設定が高めなので、百円で入手できるのはかなりお得。
前半は、中国で最高級といわれるキーマン茶にまつわる記述が続く。
フルーティーで、花のような甘い香りがするらしい。
英国人はミルクティーにして楽しむようだ。
味を想像してうっとりする。
ピーピーケトルの元となった、サモワールに関する話が興味深い。
帝政ロシア時代、大流行したサモワール。
ロシアで紅茶を頂くときは、必ずセットでサモワールが登場するのだとか。
サモワールが登場した頃のロシアでは、中国茶は貴重品としてかなり高価な品物だった。
サモワールを持つこと、茶を飲むことは、上流階級のシンボルとされ、人々は限りない憧れを抱いた。
ロシアの小説家トルストイもこよなく愛したサモワールの起源が、中国にあったという説は面白い。
ところで、最近、帝政ロシアという単語にやたらと弱い。
荘厳で、ちょっと冷やかで、謎めいた雰囲気が漂ってくる。
おそらく、夢野久作の小説「死後の恋」の影響だろう。
何か帝政ロシアを舞台にした小説を読んでみたいな。