恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

2018年香川(高松・直島)旅行記:初日【3】 イサム・ノグチ庭園美術館

初日【1】 ヒトシナヤ〜くつわ堂総本店
初日【2】 うどん棒本店〜高松市立中央公園

イグチへGo!

ブロンズエナジーをたっぷり充填したのち、公園前から庵治行きの路線バスに乗りました。
向かうは、イサム・ノグチ庭園美術館(以下、イグチという)です。
イグチ最寄りのバス停(祈り岩・与一公園前)で降りて、石材屋さんが軒を連ねる地区を、テクテク歩いていきます。
そしたら、道中に石材彫刻がいっぱいあるんです! ストーンヘンジ

狛犬たちがズラッと並んでお出迎え。

負けじと地蔵たちも御来迎。
モニュメント大好きっ子のわたしは、ションテン・アゲアゲ・アウグスティヌス
そんな風に上気してたら、イグチのビジターセンターがお目見え。

イグチは時間予約制の美術館です。約束の時間になると、スタッフさんの先導で、参加者みんなゾロゾロとイグチのイリグチへ大移動。

なお、一部の外観のみ撮影オッケーですが、イグチの中は撮影不可。なので、写真はパンフレットのものをご紹介します。
イグチ(イサム・ノグチ庭園美術館)の感想を結論からいえば、すさまじく心に爪痕が残りました。もう石のことしか考えられない。

群雄割拠する石の彫刻たち


石積み壁で円形に囲われた、「マル」と呼ばれる空間に、群舞乱立する彫刻の数々。
ドカドカと密集しているので、やかましいばかりに石たちが主張してきます。
侘び寂びファッキンクソ食らえなおもむき。
「マル」の入口には、狛犬とお地蔵さんが置いてあるんですが、これらはイサム・ノグチの作品ではなく、元々この地にあったものだったり、どこかから連れてきたものだそうです。
イサム・ノグチが作業していた小屋にも、自由に入ることができます。作業道具なんかが、残されたまんま。
スタッフの方が語るには、イサム・ノグチはここでの作業を一旦中断し、ニューヨークに戻ったときに亡くなったんですって。
なので、この作業場は、そのときの状態で止まったまんま。
エモいわれぬ気持ちに襲われます。

絶景のロケーションにある絶世のお墓

裏山にある彫刻庭園では、「マル」と比べて、作品の数が抑えられています。
自然と借景と彫刻たちが幸せに溶け合っており、静謐サイレンス極まりないおもむき。
石を使って、川の流れを模した作品も見事。諸行無常に抵抗するかのような、永遠性を感じます。
石の川をまたいで、小高く盛られた丘をのぼっていけば、瀬戸内海と、海に突き出た屋島が望めます。
この見晴らしの良すぎる一等地にポツンと置かれた、少し斜めに傾いだ卵形の石。
なんでも、この石にイサム・ノグチのお骨が収められているんだそう。
すなわち、この丘は墳丘墓といえそうです。
古墳的なたたずまいのある、この場所に立つと、古代にいるような、ふしぎな感覚にとらわれます。

うねりは東京に出張中


彫刻庭園の下にある、イサム・ノグチが過ごした日本家屋も鑑賞できます。中に入ることはできませんが、外から内部を眺めると、イサム・ノグチデザインの照明器具、AKARIシリーズが素敵な感じに配置されてました。
本来、イサム家の居間には彫刻作品の『空間のうねりNo.2』が展示してあるんですが、東京でやってるイサム・ノグチ展覧会に出張中。今回、観ることがかなわなかった代わりとして、作品の絵ハガキがもらえました。ある意味ラッキー。どうせ東京の展覧会は行こうと思っていたので、そっちで観るので問題なし。※実際に行きました。

イグチに行く人は往復ハガキをまずゲット

イグチは、ハードルが少し高い美術館です。
開館日は、火・木・土の3日間のみ。
時間は、10時・13時・15時の3回で、完全入れ替えの予約制。
地球上をインターネッツ網が覆っている、現代のワールドワイドウェブな時代に、予約の手段が、往復ハガキ限定というストイックさ。
ハガキを出すとこんな感じで返ってきます。

当日ふら〜っと行っても入れてくれないので、ちゃんと段取りを踏んで、行きましょうね。
以上は、2018年8月現在の情報です。
最新の情報は、イグチ公式サイトでご確認ください。
なお、イグチのサイトは「リンクを張られる際には、当美術館まで必ずご連絡下さい。」という、無断リンカー絶滅ブッコロシ主義。インターネッツ黎明期なら、モヒカン族と三日三晩殺しあうレベル。
うちはモヒカンではありませんが、おゲフィンなブログなので、連絡するのも畏れ多く、リンクは遠慮致します。

最寄り駅もストーン推し!

帰りは電車に乗ろうと思い、最寄り(といっても徒歩20分)の八栗駅へ。そしたら駅にも石が!

「うちの駅周辺、石屋が多いし、とりあえず石置いとくか。そんで上に花でも載せときゃいいんだろ」という思想が垣間見えてくる、やっつけ丁寧な石積みぶりに感動しました。
つづきます。