帝国の慰安婦:安堵の共同性4

 (承前)ということで、ミクス以下諸政策破綻だらけの御仁も、「和解」と「合意」を言い立てるだけで、支持率を稼げるのでしょう。
 対立より宥和、憎悪より親愛、排除より包摂・・・それ自体としては否定しようのない私たちの切実な願いが、「加害者からの示談もちかけ、示談強要」に利用されます。
 戦時の責任、戦後の反省を丸ごと水に流し、過去を忘れるだけでなく相手にも忘れることを約束させるという「合意」の強要を「和解」と呼ぶ戦略。
 ところで、私は日頃TVは見ないのですが、昨夏ある会合で、「従軍に慰安婦」をテーマとするNHKの番組を見せていただきました。正確にいうと少し前に放映された連続番組そのものではなく、その「ナマモノ」です。
 NHKが、総体として政府の意向に沿う番組作りを心がけ(させられ)ているだけでなく、個々の番組についても絶えず上層部の監視、介入が行われているだろうことは、世間も気付いていることですが、今「ナマモノ」といったのは、介入で<削除された(放映されなかった)部分>と、代わって<付け足された(放映された)部分>を、共に見せてもらったからです。(続く)