河口慧海

彼の記した『チベット旅行記』は現在「青空文庫」にて提供されている。


有難うございます。
お陰で江戸時代に生まれ、日本人で初めてチベットを旅行した人の貴重な手記が無料で読めます。


鎖国をしていた当時のチベット。そこに入れるのはモンゴル人、インド人そして宗主国だった中国の人。そこで河口は中国人と詐称して見事に入国を果たすわけですが、つまり日本人だとバレれば外国人スパイとして過酷な尋問が待ち受けている。彼を外国人だと知らずに世話した人たちも同罪。そんな中で彼の手記は物凄く細部まで描かれている。
どうやって記録を残していたのか不思議だ
日本語なんて書いてるのを見つかれば終わり。


彼の歩いた軌跡というのがまた凄い。
インドのカルカッタから始まり、ブッタガヤ、カトマンズ、ポカラと今のネパールを経て、わざわざ遠回りになるヒマラヤ山脈の西側を廻り、山脈の北側の高原地帯を東に向かい、ラサに。


その間にチベット語を習得し、仏教の聖典を集め、中国人のふりをし、医者まがいの治療を施し、法王にも謁見を許される。
もの凄い。




こうした過去の文献が携帯で読める時代に感謝。
活字大好きな人間としては、本当に良い時代。
スリランカに居ながらにして、吉川英治の名作やらも無料で読める。

今は、斎藤茂吉の編集した『万葉秀歌』読んでます。
寝る前にひとつの歌を解説込みで読んで寝る。風流ですな。