Dan Cobley ' What physics taught me about marketing'が凄い。
先日TEDで見つけたWhat physics taught me about marketingがすごかった。
物理学の一般理論(数式)をマーケティングに当てはめていくという話なのですが・・・。
①F = ma
ニュートンの運動方程式
トルコ航空の下向きに移動しているエスカレーターのOOHを見て、
「トルコ航空は、キャンペーン前にもっと運動方程式を勉強すべきだったかも。」
とジョークを飛ばした後に本題。
少し式変形をして・・・
a = F/m
ブランドが大きければ大きいほど、ポジショニングやブランドを変えるには力(広告出稿量?)がいる。
例えば、アーサー・アンダーセンが部署ではなく、わざわざコンサルとしてアクセンチュアを作った理由はコレ。
フーバーがなかなか掃除機会社から脱皮出来ない理由もコレ。
そして、圧倒的なブランド力を持つP&Gがオレオ等のブランドをバラバラに保有している理由もコレ。
ちょっとコレは話が違うのですけどね。
式記述から、粗粒子の位置と運動量を把握(計測)するのは本質的に不可能。
⇒なぜか⇒観察行為自体が、行動を変えてしまうから。
⇒見られていると、人はウソをつく。(意識調査でのウソ)
よって、行動データによる調査が趨勢を増していると話を展開しています。
これは、うまく例を用いているというよりも、論の展開に感心しました。
まぁイマイチな気がしますが。
③プトレマイオスの天動VSコペルニクスの地動説
長期間にわたってブランドに投資しても、たった一つの反証で台無しになる。
BPがどれだけ環境に良いと言っていても、事故一発で。
TOYOTAがどれだけいい車を作ると言っても、リコール一発で。
タイガーウッズがどれだけ素晴らしい選手でも、スキャンダル一発で。
④dQ/DT <= 0
熱力学の第二法則
もう、マーケティングマネージャーの一言でコミュニケーションメッセージは決まらなくなった。
何を出しても、消費者自身が、コメントを変えられる。
コントロール不可能で、どんどんエントロピーは増していく。
でもそれは、ある方向に向けていければとても有効なことだし、
ブランドの価値がとても近くなる。ブランドは拡散していくものだから。
素晴らしかったのはアナロジーの美しさではなくて、
トピックひとつひとつがとてもホットだったこと。
多分彼は物理学よりも圧倒的にマーケティングを愛しているのだろうと感じました。
お時間あれば、是非見てみて下さい。