えばたリサイクル

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被写体深度のこと

 先日ここで書いたように、所有するデジカメでいろいろな比較を試みてみようと思っていたら、「日本カメラ」3月号でそのものずばりの記事がありました(「河田一規のデジフォトへの道」)。ですんでやめっちゃおーかなとも思いましたが、自分で実証してみることで知識とするのもいいかなーと思いました。ってことで第1弾。
PowerShot A60 F2.8
*istD F2.8
 上はPowerShot A60で、下は*ist Dで撮った画像です。画角を35mm換算で約35mmに合わせ、絞りを同じF2.8に設定して撮影したものです。
 CCDやCMOSなどの撮像素子が大きくなると被写体深度*1が浅くなり、小さくなると深くなると言われていますが、それはCCDの大きさによって変わるレンズの焦点距離が被写体深度に影響しているということ。CCDが小さい→焦点距離が短いコンパクトデジタルカメラではこの画像のような非常に近い被写体であれば「ある程度」は絞りを開放してボケの効果を期待することが出来ますが、ちょっと離れてしまうといくら絞ってもピントが広範囲に合ってしまいます。それゆえここではほとんどマクロ域になってしまうような近接した被写体で比較をしました。
 A60では真ん中の建物の右端から手前の建物の玄関付近までピントが合っているのに対し、*ist Dの方は真ん中の建物の更に玄関付近、とても狭い範囲内にしかピントが合っていません。素子の大きさでこの2機種の間には倍以上の差があるため、その差も歴然としています。
 ということで、コンパクトデジカメでボケを生かした画作りが難しいことが見て取れるかと思います。デジタル一眼のアドバンテージはまさにここにあります。

*1:ピントが合ってみえる範囲。深い=ピントの合う範囲が広い、浅い=ピントの合う範囲が狭い。

おまけで

*istD+a50mmF1.4 開放
 現在所有するレンズで一番開放絞り値の小さいA50mmF1.4を*ist Dに装着して開放で撮ってみました。(画像は実サイズ1/2に縮小、さらにその中央部分だけトリミングしたものです)被写体深度が激しく浅いことが歴然。「コバヤシ」の看板の「シ」の少し外側あたりのごく狭い部分にしかピントが合っていませんですねえ。