平屋建てなのに思い切って、三寸五分角の柱を、4寸角にした。太い柱の方が安心だと考えたが、これが大失敗。柱が太くなる分、部屋が狭くなることには気が付かなかった。特に廊下が狭さを感じさせる。
柱芯々で910mmの場合、三寸五分角の柱で大壁だと壁の内法は910−105−26=779mmであるが、4寸角の柱となると、764mmになってしまう。しかも天井高も廊下も2600mmにしたので、狭さを一層感じさせてしまう。
また三寸五分角の柱を、4寸角にしたせいではないが、構造材が乾燥材ではなくグリーン材になってしまった。そのため建築して6年経った今でも、ピシッと木の割れる音がするし、柱が倒れ襖などに隙間が目立つ。三寸五分角の柱にして乾燥材を指定した方が良かったと言える。

屋根裏をロフトにして、斜線制限から切妻屋根の端部を棟を中心に2/3ほど切り欠きバルコニーを設けた。その結果切妻屋根に入隅部ができてしまった。
築10年で雨漏りが始まった。てっきりバルコニー下の屋根が水勾配1/10であるので、この立ち上がり部分の入隅からの雨漏りだと考えた。近所で評判がいい工務店にお願いし、そこで一番腕のいい板金屋さんに修理をお願いすることにした。
プロの見立ては違っていた。雨漏りの原因は、破風板の入隅部分の納まりの悪さだという。ただ止めただけで、シーリングが切れたら漏ってしまう納まりで、破風を切って板金金物を入れるようにしなければならないという。なるほどと感心しながら修理をお願いした。
今もそうであるが、サイディング屋さんは体力が必要なので、結構技能の無いにわか職人が多い。工事費を値切り過ぎたと反省している。

間取り優先にしたため、階段の勾配がやや急になることは設計の段階で知らされていた。しかしでき上がってみると、想像以上に階段が急になっていた。昇り降りが大変というよりは、降りるのが怖いほどの階段になってしまった。
これ程の勾配ならば、急勾配過ぎるのでやめるべきだと、設計の段階で言って欲しかった。いくら施主が間取りに固執しても、プロならばあきらめるよう、もっと施主を説得すべきではなかったのではないだろうか。

奥行き120cmのバルコニーの手摺に、物干し竿用金物を取り付けた。物干し竿を金物に渡すと、結構手前に出てきてしまう。バルコニーへの出入は、ドアにしたのがドアを全開すると、物干し竿に当たってしまう。
幸いドアはバルコニーの中央に付いているので、ドアを半分ほど開き出入することができるが、これがバルコニー端部に付いていて、しかも運悪く端部側に開くようになっていたならば、出入もできなかった。
ドアを内開きにすれば、こうした問題は起こらなかったが、雨の入り込まないように工夫がされた内開きドアはないという。

玄関前にある飾り柱が邪魔になってドアが全開しない。新築後に引っ越してきた時に、ドアストッパーが効かず、ドアのハンドルに紐をかけ飾り柱と結び、ドアを開けたままにした。この時は新築で気持ちが高ぶっていたこともあり、単にドアストッパーが効かないことだけが不具合だと考えた。
ドアストッパーに関しては、工務店に電話してドアクローザーを調整するということで直してもらった。しかしその際に初めて、飾り柱が邪魔になってドアが全開しないことがわかった。飾り柱が大きすぎたのが第1の原因であるが、玄関ドアの設置位置をもっと壁から離せばどうにかなったはずだ。飾り柱のデザインを決めた段階で、玄関ドアが全開するかどうかを、チェックすべきであった。

お客さんが泊まる部屋としても使うため6畳の和室の続き間を作るなど、部屋数を確保するのにこだわり過ぎて、結果的にリビングが6畳と狭くなってしまった。ソファーとテレビを置くと足の踏み場もなく、テレビを見る部屋といったものになってしまった。
和室は一部屋にして、しかも普段どう使うか考えておくべきであった。というのもリビングが狭いので、和室も居間として使うことになってしまったが、いざ客間として使うとき、普段の暮らしで使っている、家具などを片付ける収納スペースがないため苦労しているからである。
和室は多目的に使えるといったメリットがあるが、そのためには設えを変えるための、大きな収納スペースが必須であると言える。

北側に道路がある敷地で、道路から1mほどの位置に建物を建てた。敷地の北側にはそれほど高くはないが塀と門を作った。そのため西側に設けた駐車場は、道路が4mと狭く車の出し入れが大変である。
北側に塀や門などを作らず、オープンにしておけば、駐車場への車の出し入れも容易であったし、来客の車も道路に多少はみ出すが、北側に車を停めることもできたはずだ。もちろん塀や門がないと、壁1枚、ドア1枚で外といった不安はあるが、北側の窓や玄関ドアも、直接外に接するといった前提でデザインしておけば問題はない。