4アルバム

PowerPush!PowerPush!PowerPush!PowerPush!PowerPush!The Strokes - Comedown Machine

COMEDOWN MACHINE

COMEDOWN MACHINE

今回ストロークスは新作リリースにちなんだ活動を一切しないらしい。写真撮影も、取材も、PVも、ライヴも。つまりバンドとしての実体がまるで見えなくなったのである。そんな作品自体からもバンドの実体が感じられない。ただ、どの曲もノリはストロークス。印象的なリフ(必ずしもギターじゃない)の反復で始まり、温度は決して高くなりすぎることはなく、至ってコンパクトにまとまっている曲たちは、どれも気品に満ち溢れている。でも、それこそがストロークスの本質。デビュー当時のサウンドは確かにロックンロールだったが、彼らの魅力はロックンロール特有の汗臭さや泥臭さがなかったこと。だからこそロック原理主義者に叩かれていたが、そもそも最初からバンドとしての実体なんてたいしてなかったわけだ。そういう意味では、捨て曲なしの本作は、ストロークス作品としては群を抜く。

そんな作品は、ラス前に“ハッピー・エンディング”、そして“運命と呼べ、カルマと呼べ”という究極のバンドレス・ソングで終焉を迎える。解散説が飛び交うが、実体のないことを受け入れたような最後には逆に希望を感じる。


フジファブリック - VOYAGER

VOYAGER

VOYAGER

PowerPush!James Blake - James Blake
James Blake

James Blake

PowerPush!James Blake - Overgrown
Overgrown

Overgrown

抑制されたダウンテンポの空間に、ぽつりぽつりと広がっていく声。ああ紛れもなくジェイムス・ブレイクの新作だ、と、その静かで幸福な音の波に包まれること約3分。突如、ふくよかな、しかし決して派手ではないストリングスの音色が広がる。長い夜が明けていくような、劇的な瞬間だ。この時点で傑作の予感が押し寄せるが、とにかくこの後の展開が素晴らしいのだ。インタヴューでは自分の音楽はポップ・ミュージックと定義するにはまだまだ、なんて言っていたが、短いピアノのアウトロでこの曲を締めくくる様も、“アイ・アム・ソールド”や“ライフ・ラウンド・ヒア”をはじめとする、どこか東欧を感じさせつつもどこにも属さない独特のメロディのフックも、しかもそれらをすべて簡潔にやりきっているところも、これこそがポップ・ミュージックでしょうというものなのだ。そして何より圧倒的なのが、ウータン・クランのRZAのラップがびっくりするほどジェントルに入ってくる“テイク〜”から“レトログレード”への流れ。ぱっと耳を捉えるようなパーツで聴き手を惹きつけるのではなく、あえての空間/抑制からドラマが生まれていくのだが、これがアルバムの最後までノンストップなのだ。

24歳の若き青年ジェイムスが、恋の始まりと苦しみというパーソナルなテーマを歌っていると聞き、深く納得した。なぜジョニ・ミッチェルに魅せられていたのか今になってよく分かる。全編を聴き終わり初めに戻ると、このアルバムの圧倒的なトータリティの高さに恐ろしささえ感じてしまう。

PowerPush!カジヒデキ - Sweet Swedish Winter

Sweet Swedish Winter

Sweet Swedish Winter

PowerPush!Black Rebel Motorcycle Club - Specter At The Feast
Specter at the Feast

Specter at the Feast

PowerPush!Woodkid - The Golden Age
GOLDEN AGE

GOLDEN AGE

BOOWY - THE BEST “STORY”
BOΦWY THE BEST

BOΦWY THE BEST "STORY"

FUNKY MONKEY BABYS - LAST BEST
ファンキーモンキーベイビーズ LAST BEST(初回生産限定盤)(DVD 付)

ファンキーモンキーベイビーズ LAST BEST(初回生産限定盤)(DVD 付)

Lil Wayne - I Am Not A Human Being II (Deluxe Edition)
I Am Not a Human Being II-Deluxe

I Am Not a Human Being II-Deluxe

中塚武 - LYRICS
LYRICS

LYRICS

柴田淳 - あなたと見た夢 君のいない朝
あなたと見た夢 君のいない朝

あなたと見た夢 君のいない朝

PowerPush!松崎ナオ - 賞
賞

PowerPush!Alkaline Trio - My Shame is True
My Shame Is True

My Shame Is True

熱いパンク魂とスタイリッシュな佇まいを兼ね備えるアルカライン・トリオが、またしてもかっこよさに唸る新作を作り上げた。10年の『ディス・アディクション』は全米チャート初登場11位で自己記録を更新し、翌年には15周年を記念するアルバム『Damnesia』がリリースされるなど、ますます勢いに乗る彼らの成熟がサウンドから伝わるアルバムだ。プロデューサーにディセンデンツのビル・スティーヴンソンを迎え、骨太なビートと哀愁を帯びたメロディの絶妙な絡みに磨きがかかり、マット・スキーバのヴォーカルもクールなトーンに宿る情熱と切なさの深みが増している。他にはないこの渋さが彼らの魅力だ。マットが「俺達はコミュニティの中にコミュニティを持っている」と言うように、ファンからもバンド仲間からも支持されシーンの中で確かな立ち位置を手にしている彼らだが、そろそろカルト・バンドからメインストリームへと脱皮を図ってもいいんじゃないかと思ってしまう。アメリカでは本作と同時に4曲入りEPがリリースされていて、それが日本盤では全曲ボーナス・トラックとして収録されているのが嬉しい。