イトヘン業界の片隅から

2007-01-29

無駄な装飾とデザインの見極め

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 印刷技術には詳しくありませんが、グラフィックデザイナーと服飾デザイナーの区別がつかない方がギョーカイにも多くて、「デザイナーなんだからちょちょっとコレやってくれー」と、非常に失礼なものいいで印刷物の図案を依頼されたりしますので、別世界の方よりも多少は知っています。

 印刷業界マック信者が多いという印象を持っています。アパレル業界に比べてパソコン普及速度が早く、一時期で技術がひっくり返ったような変化を感じました。

 パソコン普及以前は元図案はポスカラで描き、見本を作る時にはオリジナルインレタを作っていました。今は全部パソコンがしてくれますから、時間短縮になりましたし、修正が楽になったのが何よりありがたいです。 

本物のレイアウターはフチを恐れずに付ける。/毎日モザイク

「お前らは、簡単にフチとか書きすぎる。お前らは二文字【フチ】と書けばすむかもしれないが、こっちは大変なんだ。今からフチを付ける作業を見せてやるから思い知れ」

 こういうセリフを吐く職人さんは結構好きです。

 文字にフチを入れるのが大変だったってことは知りませんでした。私がインレタを作る手間を省くためにデザインの簡略化をしたのと同じようなことかもしれません。色分解して黒ベタで塗るの、めんどくさかったんですよね。

 下げ札だとか織ネームの図案は商品の一部だから、任せきって変なものを作られるよりは自分で作った方が・・・なんて思いますが、チラシやPOPを書かされた日にゃあ、専門家の目にふれない事を祈りつつ作りました。

 こんな、インレタを作ったりなんだりせずにポンっと書いたものを渡すような時は、私のような部外者の素人図案は、かなり印刷屋さんに迷惑かけていたのかもしれません。無駄に手間だったのなら言ってくれれば良かったのに・・・。 今さら言っても遅いですが。

 服を作るのも、同じ様なシチュエーションがあります。

 「何だこの無駄な装飾は!」と工場長に怒られたり、コストがやけに高いと思ったら切替線を多用していたとか、作り方の指示がやたらめったらめんどくさいものだったり。

 最近は「無駄なんじゃない?」とか、「こうしたら見栄えは変わらないけど安くできるよ。」とか話し合える工場が減ったようで、寂しい気もします。中国生産だと特にそういう逆提案はしてくれません。

 デザインするにあたって、工場の手間は知っておいた方が良いと思う反面、知らない方が良いと思うこともあります。工場の手間やコストを考えすぎる性格の人や怒られるのが嫌な人は、自由に良いモノが作れなくなってしまうきらいがあります。封印されたテクニックは企画には邪魔です。

 周りの批判をかってでも手間をかけてするべきかどうか、見極めないといけませんね。

 見極めてこそプロってことで。 

 建築家の友人がよく嘆いています。

 「何でもアールをつけりゃあデザインした気になる人っているよねー。」

 アイデアに行き詰まるとコンセプトもお構い無しに、とにかく角を丸くしてしまう先輩がいるらしいです。大工さんの手間も考えずにむやみやたらにアールを多様する人は、「手間をかけることこそ作品」と思っているのかもしれません。

 友人は先輩に個人攻撃をしているに過ぎませんが、第3者の部下などがこれを聞いて、「アールをつけるのはダメなんだー」と思い込む人がいるかもしれないなぁとか思います。それこそ「恐れずにアールをつけろ!問題はそこじゃない!」と言ってあげたくなります。

 文字のフチ

 建物のアール

 服のアシメトリーな切り替え

 このあたりはコンセプトと相談して、自信があるときだけ使用したほうがよさそうですね。