2014年3月に読んでいた本

 図書館で借りた本です。

おかあさんの扉 (オレンジページムック)

おかあさんの扉 (オレンジページムック)

 いきなりネタバレすると、さいしょのページのネタが、「子育てちゅうは五本指ソックスを履く余裕がない」というものなんですが、じつにこの日私は、図書館に行くための身支度の際、娘がさわぐので五本指ソックスをあきらめてタイツを履いたという経緯があったため、あまりの偶然の一致(だって五本指ソックスって日常的なユーザーがそんなに多いとも思えないし…)に雷に打たれたような衝撃があり、
「図書館で借りている場合じゃないのでは……?!」
 と、アマゾンでシリーズ既刊ぜんぶと、ついでに、旦那さんの本まで買ってしまいました。 この、とある対象にすごい勢いで傾倒してしまう感覚が、わが身に起こったことながら、おもしろかったです。ささいな共通項をさも重要なことのよう錯覚してしまう、まるで恋のよう。育児エッセイのキモってつまりは「あるある」なのか? 出産まえも育児漫画は好きでよく読んでいたけれど、どんなふうに読んでいたのかなあ、もう思い出せない。
『おかあさんの扉』と『まんが親』は、双方漫画家のご夫婦がそれぞれ描いた子育てがテーマのエッセイなので、同一家庭で起きた、同じ赤ちゃんを中心とした出来事でも、内容に差異があって、読み比べが楽しいです。夫婦のそれぞれの主観で捉えるとそれだけ違いが生まれるのか、各漫画家さんの作品スタイルや演出のためなのか、相手への遠慮なのか。とくに夫婦間トラブルはねえ、双方の作品をつづけて読むと、自動車事故でいうところの過失割合のようなものが、読んでいるほうのなかで、微妙に変化します。
 で、育児エッセイ漫画ブームがきて、こんどは、こちら。
ツレはパパ1年生

ツレはパパ1年生

 母乳が出ない! という読んでいてとても苦しいくだりを経て、ミルク育児が採用されてから、赤ちゃんのちーとくんのおもなお世話は、お母さんの貂々でなく、お父さんのツレさん担当になって、ここから俄然おもしろいのです。
 以降の、ツレさんの奮闘っぷりや、育児ノイローゼっぽくなるところ、貂々さんのちーとくんに対する微妙な距離感を感じる言動、それにキレるツレさん等々、世にある育児エッセイのなかのお母さんとお父さんがまるきり逆転していて、興味深いです。
 育児にまつわるあれこれで、「やっぱり、お母さんじゃないと……」というような言説をよく触れることがあるけれど、母乳のことを除けば、お父さんでもいいんじゃんねー! ようするに、「やっぱり、赤ちゃんといちばん接しているひとじゃないと……」というくらいの意味で、それがたまたまお母さんである確率が高いだけじゃんねー! 育児ノイローゼも、産後の母体のホルモンバランスがどうこう言及されるけど、新生児のお世話を担ったら、男性でもなるよね!!
 おとなひとりだけが赤ちゃんにかかりきりだと、あまりにもオンリーワン感が高まってしまい、なにかあったとき、おとなも赤ちゃんにも不幸な感じなので、お世話はできるだけおとな複数人で分担するといいなあということがわかりました。このあたりは、お仕事の業務分担やリスク管理といっしょですね。

2014年3月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:864ページ
ナイス数:37ナイス

おかあさんの扉 (オレンジページムック)おかあさんの扉 (オレンジページムック)感想
「怖い想像」の破壊力がすごい。よそのうちの子なのに想像しただけで涙が出てくる。
読了日:3月25日 著者:伊藤理佐
おかあさんの扉2 (オレンジページムック)おかあさんの扉2 (オレンジページムック)感想
おかあさんといっしょ」のネタ2発、話題になっている曲をさいきん目撃して、なるほどこれは…! と納得しました。あと私も幼稚園は、らくらく入れるんだと思ってました。違うのね! 娘ちゃんの月齢がこまめに書かれているので、読んでいて参考になるなあ。
読了日:3月25日 著者:伊藤理佐
おかあさんの扉3  三歳児デヴュー!! (オレンジページムック)おかあさんの扉3 三歳児デヴュー!! (オレンジページムック)感想
ベビーシッターのエヌさんがあいかわらずご家族含めてキレッキレ。萩尾望都も再登場。
読了日:3月25日 著者:伊藤理佐
まんが親 1 (ビッグコミックススペシャル)まんが親 1 (ビッグコミックススペシャル)感想
「親まんが」じゃなくて「まんが親」なのね。育児漫画なんだけど、漫画家同士の夫婦の漫画であり、東日本大震災の復興支援漫画でもある。
読了日:3月26日 著者:吉田戦車
まんが親 2 (ビッグコミックススペシャル)まんが親 2 (ビッグコミックススペシャル)感想
『おかあさんの扉』のあーちゃんに比べると、『まんが親』のにゃーちゃんは体温低そう。同じ子なのに。読み比べするとおもしろいです。特別付録のフロマンガは全体的に笑える四コマだけれど、2011年の夏に庭に撒いている汲みおきの水道水…のくだりはドキッとなる。あの頃、赤ちゃんと生活をするのって、たいへんだったろうなあ。
読了日:3月26日 著者:吉田戦車
ツレはパパ1年生ツレはパパ1年生感想
『ツレと私の「たいへんだ!」育児』がたのしく読めたのでこれを読んだけれど、母乳のくだりが予想外につらすぎて、お腹が痛くなった……。「育児する人仕事する人」とか、世間一般のお父さんお母さんとは役割が入れ替わっていて、でもおんなじことでトラブって、おもしろいなー。育児ノイローゼっぽい状態には、男性もなるんだね。
読了日:3月28日 著者:細川貂々
ツレはパパ2年生ツレはパパ2年生感想
知人の結婚式にちーと君をだっこして参加したツレさんがTシャツ姿だったくだりにはどっひー! と驚きましたが、そういえば赤ちゃんをだっこしても大丈夫そうなフォーマルって女性用(授乳服)はあるのに男性用は思いつかないねー。比翼仕立てのシャツなら、なんとかなるのか…?
読了日:3月28日 著者:細川貂々

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