THE WHO 来日までの COUNT DOWN 19日 ザ・フー

 牧歌的なシンセで始まるwho’s nextに収められたこの名曲は、牧歌的なのは最初だけで独特の激しさを持っている曲に仕上げられている。エレクトリックギターは曲の合間に重たいコードを引いたり、少しだけリードを取ったりするだけだが、ドラムとベースが縦横無尽に暴れまわっていることにより、完全にリズム隊が主導権を持って演奏している。
 曲全体がリズムに満ちていて、更に静と動を繰り返すことにより、独特のうねりを生んでいる。Who’s nextの曲は、ほとんどの曲において贅肉をそいだような編曲をされているが、これはその代表曲だと思う。前にも書いたがフーがバンドとして最高の状態の時に、(バンドがただ最高の時ではなく、フーが最高の時であるから、それは想像を絶する状態という意味)最高の編曲と録音がされた曲。それが私にとってのBargainです。曲の最初から最後まで冷静に弾かれている、アコースティックギターもPeteらしくて、大好きです。ドラムとベースのリズム隊が中心になって、これほど迫力の曲を演奏できるのはフー以外には、おそらくいないでしょう。
 この曲でもうひとつ、私にとって特別なのはあまりにも整然と録音されているのでライブよりもアルバムで聞きたい曲ということです。ライブもアルバムも好きとかライブの方がお気に入りなのが、フーの場合一般的なのに他にはこういう例は思いつきません。見に行った2000年のダラスとヒューストンでもこの曲をライブを聞く機会がありましたが、考えは変わりませんでした。