Rcmdrのインストール

mac OSxでRcmdrというパッケージのインストールをしようとしてうまくいかなかったので、調べてみた。ほかにもしんせつなひとのブログで同じトラブルの解決策を紹介しているが、一応、記録しておこうとおもう。ちなみに、私は初心者。
1. http://cran.r-project.org/bin/macosx/tools/
からtcltk-8.5.5-x11.pkg をインストールする
2. パッケージインストーラで一覧を取得してRcmdrを選択、ダウンロードする。(このとき、「パッケージの依存関係の解決」って部分にチェックを入れないといけない!)
3. library(Rcmdr)で読み込む

環状DNAが遺伝子のシャッフリングをする

トランスポゾンではなく、loop outした領域が環状になって移動し、他の染色体に入り込むという事があるらしい。
(サイエンスの記事)
この発見はウシのKIT遺伝子を含む領域が、系統によって異なる染色体にのっているということに気づいたポスドクによる物らしい。夢がありますな。よくよく調べてみると、KITを含む領域(480000b)が異なる順序で挿入されていて、これは環状のDNAが異なる位置で切られて、挿入されたからだと推定したそう。
この特異なKITをもつ系統は体の側面が黒いという特徴を持っており、これはKITの制御因子が変わったためだと考えられている。
まだまだ面白い現象があるんだな。

イツカ、向コウデ

いつも日曜の朝はぼうっとした頭で
田勢さんと大江アナと猫の素敵な番組を見ている。
なんとは無しに見ていても、考えさせられることの多い番組だが
今週の最後に紹介されていた長田弘という人の
詩が秀逸だった。
死者の贈り物という詩集に載っているらしい。
僕はそのことに気づいていなかった。



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イツカ、向コウデ
      長田弘
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  人生は長いと、ずっと思っていた。
  間違っていた。驚くほど短かった。
  きみは、そのことに気づいていたか?
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  なせばなると、ずっと思っていた。
  間違っていた。なしとげたものなんかない。
  きみは、そのことに気づいていたか?
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  わかってくれるはずと、思っていた。
  間違っていた。誰も何もわかってくれない。
  きみは、そのことに気づいていたか?
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  ほんとうは、新しい定義が必要だったのだ。
  生きること、楽しむこと、そして歳をとることの。
  きみは、そのことに気づいていたか?
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  まっすぐに生きるべきだと、思っていた。
  間違っていた。ひとは曲がった木のように生きる。
  きみは、そのことに気づいていたか?
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  サヨナラ、友ヨ、イツカ、向コウデ会オウ。

古代温度計

Science Newsより。
新しい温度測定の技術をもちいてオルドビス末期の大量絶滅の原因が急激な氷河期と温暖化であったらしい事が示された。これまでの温度測定が生物化石中の酸素の同位体比を用いているのに対して、今回の解析に用いられた方法は酸素とそれに結合した炭素の同位体比をもとに算出するらしい。これまでの酸素のみを用いた方法ではその当時の海水の酸素同位体比が必要だったが、この方法では必要ないという。
どういう方法なのかわからないが、予想するに、独立に行った炭素循環からの温度推定と酸素循環からの温度推定をすりあわせる事でより正確な値を出すという事なのではないかと思う。これまで海水の酸素同位体比を推定するのが難しかった古い時代の温度も推定できるようになったという。
紹介記事には氷河期が数百年しか続かなかったと書いてあったが、4億4千万年前を数百年単位で刻めるのであれば、もっと新しい時代、更新世などの氷河期についても詳しく解析してほしい。でも正確さからいったらアイスコアからの方が正確なのかもしれない。そもそも酸素同位体比からの推定ができない古い時代をどうやって推定するかというのが狙いだったのかな。
地域ごとの推定ができたらもっとよいと思うけど、さすがにそれは無理か。知れる事が多くなればなるほど、もっと知りたくなるのが人間です。
太古の時代に何が起きたかなんて基本的には証明のし得ない事。もっといってしまえばたとえ何かがわかったとしてもほとんど実用的な価値はない。そこに挑んでいく人間の好奇心。これも人間という生物の一つの大きな特徴なんだろう。

Gene conversion のreview

Gene conversionのしくみ
①DSBR(Double strand break repair) model (図中a-b-d)
1.DSB(Double strand break)ができるDSBのできる要因

 Meiosisではtopoisomerase like enzyme(SPO11)が関与
 Mitosisではradiation(放射線照射), 停止した複製フォーク、あるいは特殊なendonuclease (例えばイーストのMATgeneをスイッチする為にはたらくsite-specific HO endonucleaseなど)

2.5’ to 3’ exonucleaseにより分解されると、アクティブな3’ end ssDNA tailが形成される

3.このtailが相同配列のhomologousな領域をスキャンする。見つけるとdouble strand の間に入り込み、結果としてD-loop状態を作りだす。
このD-loopは入り込んだ配列が入り込まれた配列を鋳型にしてDNA合成されることによって拡大する。

4.DNA合成が、DSBとexonucleaseによってできたもう一方の3’ ssDNA tailと相同な領域まで達すると、拡大したD-loop部分がこの3’ tailと結合し、今度はD-loopを鋳型にして合成が進む。
5.最終的に合成が完了し、元の配列とligationすると、二つのHoliday junctionをもった交叉したDNA4量体の中間段階が生じる。

6.これらのHoliday junctionがHj resolvaseによってランダムに切られ、結合される。
その結果Non-crossover (gene conversion)とcrossoverの配列がほぼ同数生まれる事になる。

*これらのDNA合成やligation などはDNA mismatch repair機構によって行われるとかんがえられている。

しかし、実際はCrossoverが圧倒的に少ない(<8%)
⇒別の経路の存在を示唆

②synthesis-dependent strand-annealing (SDSA) model (図中a-c )
4.のDNA合成がある程度進んだ段階で3’ ssDNA tailが離れ、もとの配列に戻ってアニーリング。両鎖が修復されると、gene conversionした配列ができる。

**どのように①と②がおこるのか?
そもそも、むき出しになった3’ ssDNA tailはRecA(Replication protein A)というタンパク質にコートされて、活性化されるが、なかでもRad51というタンパク(E.coli RecA strand-exchange protein like)はGene conversionに大きな役割を持っていると考えられている。
Rad51は複数のパラログの産物と複合体を形成し、ssDNAと結合したり、Hj resolvaseと結合したりすることがわかっている。
YeastではSrs2 helicaseというタンパクがこのRad51をssDNAから取り除く事で、dsDNA へのinvasion が阻害されて、(あるいはinvasion状態が解かれて)SDSAへの経路の変更が起きるということがわかっている。

また、BLM(Bloom syndrome helicase; RecQ family)はD-loopをのばしつつ、invadeしたssDNAを乖離させる働きを持っていて、これが働いてSDSAがおこることもあると考えられている

さらにRad54はD-loopを拡大したり縮小したりする働きがある。もし拡大させる方に働けば、D-loopが安定化し、DSBRがおこりやすくなる。縮小すれば、結果的にinvasive strandを排除して、SDSAを起こしやすい状態にする。

③ほかにも、single strandにnickが入っておこるモデルも考えられているらしい。どちらが一般的なのかは不明。

Gene conversionとGC
減数分裂時のheteroduplex状態でA:CやG:Tといったミスマッチを修復する際に、GCに偏って修復される。従ってGやCを持つアリルが多くなりやすい。Gene conversionはこうした修復プロセスを経て行われるから、Gene conversionがおこるところではGC richになりやすい。実際、homologousなパラログを持つ遺伝子ファミリーは持たないものよりGC%が高い。さらに、高い組換え率を持つ染色体領域はGC richになることが知られている。
(この説明だと、「Gene conversionや組換えが多くおこるから、GC richになる」ことになる。その結果、コドンバイアスも高くなるのか?)

コドンバイアスはタンパク質のフォールディングのエラーを少なくする

Warnecke T, Hurst LD (2010) GroEL dependency affects codon usage—support for a critical role of misfolding in gene evolution. Mol Syst Biol 6: 340

真正細菌のシャペロニン(GroEL)はタンパク質が正しくフォールディングするように助ける。大腸菌においてこのGroELと時々しかインタラクトしないようなタンパク質はコドンバイアスが高く、よくインタラクトしているタンパクはコドンバイアスが低い傾向があることがわかった。
このことはコドンバイアスがフォールディングのミスを少なくする働きをもつことを示唆している。

しかし実際にどれくらいのミスが潜在的に起きていて、コドンバイアスがどれくらい防いでいるのかはわからない。

コドンバイアス自体に選択がかかっていることの証拠になる(翻訳効率を上げるというのと同じ)。
しかし、最近見かけた別の論文(2001)ではGC%によってコドンバイアスが生まれるという説を取っていた。

探索行動には生まれたときの体重が関与している

Mammal study 35: 139-144 (2010)
探索行動と様々な形質の相関をラボマウスで調べた結果、雄では出生時体重が大きいほど探索行動が激しく(探索行動の距離)、雌では大きいほど少ない(探索行動の頻度)ことがわかった。
探索行動のしやすさが、分散につながっていると仮定したら、これらの結果はリーズナブルで、こうした行動にも選択がかかることを示唆している。(ちょうど、種子植物の種子への投資のように。)