好きなもの

役員の大半は司馬ファン

多聞にもれず「はじっこ」「隅っこ」好き。向田邦子も、玉子焼きや太巻きの切りおとされた端っこをつまみ食いするのがすき、だったらしいが、私もおんなじ。砂糖でガビガビした羊羹のはじっこ、プリンの上澄みの乾いたところなんかが好き。当然場所も隅っこが好きで、例外は映画館ぐらい(スクリーンはやっぱり真ん中後ろが最高)。喫茶店、居酒屋のカウンター、図書館の閲覧室は全部隅っこがいい。

読むのもはじっこが好き。今は読まなくなったからその存在が不明だけど『ぴあ』のハミダシとか、昔の『オリーブ』なら特集とは関係のないチマチマした情報を集めた「フラッシュ・アップ」のページ。「一冊ぜんぶフラッシュ・アップ」特集が出たときは大喜びした。編集後記も大好きな場所。これを載せない雑誌はツマラナイと思う。

ここのところのお気に入りのはじっこ記事は、毎日新聞の日曜読書欄の小さなコーナー『好きなもの』。各界から毎回一人が登場して、「好きなもの」をみっつあげているのだ。東海林さだおが「いじけるのが好き」「耐えるのが好き」「木山捷平が好き」というのは似合いすぎる!と感心し、坂東三津五郎が「ぶっち切りの一位」として「日本のお城」を挙げているのがちょっと意外な一面を見たようで楽しかった。今でも暇さえあれば全国の城を廻っているらしい。4/15には、村上春樹も登場。「渡辺暁雄指揮 日本フィルのシベリウス交響曲全集(LP5枚組)」と「ローリング・ロック・ビール」の後に「旅行記」を挙げていた。紹介されていたポール・セロー『ダーク・スター・サファリ』とメアリ・モリス『リバー・クイーン』はまだ未翻訳みたいだけど翻訳されたら読んでみたい。はじっこ記事は興味が尽きないなあ。

写真は「はじっこ」「すみっこ」の対極だと思うサラリーマンの「王道」「ど真ん中」。でも日経にも楽しい「はじっこ」記事があるので、それはそれで楽しみ。