アフタースクール

運命じゃない人 [DVD]アフタースクール [DVD]よく練られた脚本が秀逸だった内田けんじ監督の「運命じゃない人」。複数の時間を行きつ戻りつし、一つの事件を多視点から観察するという作りがことのほかおもしろかった。いかにも低予算であるのが丸わかりなのに、アイディア次第でこれだけのことがやれるのだ。というような記事を書いたと思い込んでいたら、さにあらず、検索しても出てこない。どうやら書き忘れていたらしい。あちゃ。
その内田けんじ監督の新作「アフタースクール」も「運命じゃない人」と同じく仕掛けの多い映画になっている。しかも騙し騙されの推理劇の要素を加味しているために、物語の落としどころまでまったく目が離せない。台詞や仕草、小道具など、何から何まで伏線として効いている。ネタバレになるから何も言わないでおく。

母校の中学校で働く、人の良い教師・神野のもとに、かつての同級生だと名乗る怪しい探偵が訪ねてくる。探偵は神野の親友で同じく同級生、現在は一流企業に勤めるサラリーマン・木村の行方を追っていた。心ならずも神野は木村探しを手伝うことに。人を疑うことを知らない男と、人の裏側ばかりを見てきた男。ちぐはぐコンビの捜査活動は息は合わないが、次々と木村の行方につながる手がかりをつかんでいく。そして、とある真実に辿り着いた……と思いきや、信じていたことがすべてひっくり返るような、想像できない展開が待っていた!(DVDパッケージのあらすじ紹介)

人のよい中学教師役の大泉洋、怪しい裏稼業を怪しく演じる佐々木蔵之介、陰のあるエリートサラリーマンの堺雅人。いずれ劣らぬ好演を見せる。特にこういう軽い感じの役を演じる大泉は秀逸である。女性陣は雰囲気勝負*1常盤貴子はともかく、田畑智子はしっかり要所を締める演技で好ましい。結末を知ってもまた見直したくなる。
 公式サイト http://www.after-school.jp/index.html

*1:いつものことだ