酒税法改正案、消費者利益は二の次の業界対策

酒税法改正案、消費者利益は二の次の業界対策
(日経「春秋」2015/4/30付) 一升瓶の酒をコップにトクトクトクとついでもらい、立ったまま、近所のオヤジがキューっと一杯。横町の酒屋の店先でよく見た光景だ。「角打ち」などと呼ばれる、こういう立ち飲みが昨今めっきり減った。酒を買うのは町の酒販店より安いスーパーや量販店、あるいはネット通販という時代なのだ。ところが、安売りをやめさせるために新たな基準をつくり、守らない業者の名を公表したり罰金を科したり、最後には免許取り消しに――。自民党総務会の酒税法改正案。消費者利益は二の次の業界対策というほかない。こうまでして酒販店を保護しても、客足が戻るのかどうか。冷や酒は後から効くそうだが、この手の施策もあとあと効いてくるかもしれない。成長戦略が口ほどにもない政権への失望として。
(JN) 商品経済社会において、台頭してくことは、競争力をつけることである。頭を擡げ、勢力を伸ばし、他を排し、そして独占して行く。そこに、国家の横槍が入ろうと、そのためにまた力を上げ、更なる発展が進む。インフルエンザウィルスのように、手を易え品を易えて、生きのびて行く。であるから、人間がウィルスに負けないためには、予防接種も大事だが、日々の健康努力と体力である。町の酒販店の努力に支援をすべきである。試みに対して、助成する。それは、私のような消費者には、安売りの恩恵とともに、違った楽しみを受けられる喜びがあろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO86289140Q5A430C1MM8000/