『ローマ帝国の末裔、インフラの短い寿命を嘆き・・・』

ローマ帝国の末裔、インフラの短い寿命を嘆きたくなるところだろう』<2018年8月16日(木)>
 約50年前にできたイタリアのジェノバで高速道路の橋の崩壊に、『余録』(180816)はローマ帝国の建造物の現存を思う。「ローマの名所パンテオンは一度焼失後にハドリアヌス帝が再建したものだが、それでも1900年の時を経て当時の姿を目の当たりにできる。・・・円形ドームの神殿の建設には、ローマン・コンクリートという火山灰をまぜたコンクリートが使われている。現代のコンクリート建築に比べ、寿命も強度もはるかにまさる・・・ローマ帝国の末裔にしてみれば、現代のコンクリートと鉄のインフラの短い寿命を嘆きたくなるところだろう。高度経済成長期に造ったインフラが老朽化し、次々に改修が迫られているのは日本も同じで、ひとごとでない」。
 (JN) このニュースを見たとき、ローマ帝国の技術は偉大なりと思った。でも、これは建築物の作成前の段階での意識の問題ではないだろうか。長く使える良いものを作ろうと考えるか、さっさと作って収入を得ようとするか、これは大きな違いである。このことは、イタリアだけの問題ではなく、現在の世界に係る問題である。技術水準は、ローマ帝国の時代より、現代の方がはるかに高い技術があり、良い建築物が作れるはずである。悲しいかな我々は何かを行うために、外部に業務を託す時に見積を取る。この時、大方、数字の分かり易い価格が採用の決め手となる。これが悲劇を生むのである。日本では客観性と言って、数字を重視するが、この数字が実は信じられないのである。それでも、安価な見積を選択する。それが低廉なる経費につながっているのか、考えた方がいい。