次はもっといい演奏をしたい 240419

 高齢化社会を『日報抄(240418新潟日報)』は思う▼大人がピアノを弾いて、子どもや孫が観客となるコンサートがあちこちで開かれているようだ▼「ミスも愛嬌。演奏中に行き詰まったら最初から弾き直してもOK」▼100人収容のホール、グランドピアノの脇には豪華な生花▼「心臓がドキドキして生きていることを実感した」「次はもっといい演奏をしたい」▼作家の大岡昇平さんがピアノを始めたのは50歳過ぎ。胃潰瘍で酒が飲めず、ゴルフもできなくなり「暇つぶし」のつもりだった。1日3~4時間練習すると、半年で入門用の教則本バイエルを弾けるようになった。作曲も勉強、中原中也の作品にメロディーを付けた。年を重ねても病を得ても、やれることはまだあるということだろう。
 (私も)あれをやりたいと思っているが、その実行は大変だ。ピアノの発表会、当人とともに皆がドキドキと喜びをを共有する事が素晴らしい。その昔、子どもたちの発表会で、年配の方の発表があった。子どもたちと違い、身体も頭も・・・・。自分の子どもの演奏より緊張した。そして、勇気をもらった。しかし、もらった勇気を活用できていない。



読書メモ 240418

『5000日後の世界 すべてがAIとして接続された「ミラーワールド」が訪れる』、Kevin Kelly、大野和基(インタヴュー)、服部桂(訳)、2021年10月、PHP研究所
・「私が心掛けているのは、テクノロジーに耳を傾け、それがまるで生き物であるように『テクノロジーは何を望んでいるのか?」と問いかけることです。」
・「IBMマイクロソフト、グーグル、フェイスブックといった大会社が全て、ARの世界で主導的地位に立ちあがっています。」
・「人に価値があるとすれば、答えのわからない問に対して、『こうだったらどうなのか』とか、『これはどうなんだろうか』と考え続けていくことです。」
・永遠のものはない。入れ替わって新しくなっていく。
#未来 #テクノロジー #AR #人間の価値 #考え続けていく

 

深い学びは血となり肉となり、充実した人生を歩む原動力になる 240417

 公立夜間中学がきのう、福島市に開校したことに『編集日記(240417福島民友)』は思う▼「万能の天才」とも称されるレオナルド・ダビンチが、こんな言葉を残している。「食欲なくして食べることが健康に害あるごとく、欲望を伴わぬ勉強は記憶をそこない、記憶したことを保存しない」▼福島県内で初めての公立夜間中学、さまざまな年代の人が入学し、外国籍の生徒もいる。週5日間の授業で、公立中学と同じ教科を学ぶことができる▼学び直したい、夢を見つけたい―。はっきりとした動機や意欲を持って通い始めた人たちに、ダビンチの警句は無用だろう。深い学びは血となり肉となり、充実した人生を歩む原動力になる。
 (レオナルド・ダ・ヴィンチは)探求を続ける。妥協しない。広く深く学び、何かを作ろうとしていた。天才でなくとも、学びを続けて生きて行く。目的様々、一人ひとりがある目的を持ったレオナルドだ。公立夜間中学校に通う皆さん、学びの機会を充分に利用してください。



読書メモ 240416

『直感と論理をつなぐ思考法 VISON DRIVEN』、佐宗邦威、2019/3/7、ダイヤモンド社
・小さな積み重ねである
・「僕たちの脳はずっと『他人モード』になっており、『自分がどう感じるか』よりも、『どうすれば他人が満足するか』ばかり考えている」
・デザイン思考3つ、①手を動かし考えるーープロトタイピング、②五感を活用して統合するーー両脳思考、③生活者の課題をみんなで解決するーー人間中心共創
・「構造主義の核心は、緻密な計画に先立って、先ず不完全なアウトプットを行い、それを起点に対話・内省を促していくということである。」
・「何もしない時間」をスケジュール予約する「『自分モード』のスケジュールを予約して、他の予約をブロックしてしまう」
・「クエスチョン『質問』があってはじめて『回答欄』が生まれる。」



将来就きたい職業 240415

 クラレの毎年恒例の小学校新1年生への「将来就きたい職業」に『天声人語(240411)』は思う▼1位はケーキ屋・パン屋、2位は警察官、3位がスポーツ選手・・・▼ユーチューバーはトップ10から姿を消した。女の子は芸能人や歌手への憧れが再燃。男の子は研究者やゲームクリエーターの順位が上がった▼人気の職は浮世に流れ、変化する。キャリア官僚を目指す東大生が大幅に減り、代わっての花形はコンサル会社やIT企業らしい▼心配なのは、政治の世界である。世襲の二世三世が国会を跋扈。地方議員のなり手不足も深刻だこの国の民主主義はどうなってしまうのか▼私(筆者)の場合、世の中を良くしたいとの青臭い理由で就職。それはいまだ、うまく果たせないので、生まれ変わっても新聞記者を。
 (私は)何になりたかったか。小1の時はスポーツ選手だ。王選手のように沢山ホームランを打つのだと。しかし、世の中、好きなことと仕事は別物、野球はずっと好きだが部活だって関係なかった。今度はなにか。あなたの憧れるもはなにか、ドラえもんかな。いや、将来、人間はAIのおかげで趣味に没頭できないか。



まことに万博こそは現代の縮図である 240414

 あと1年となった大阪万博に『春秋(240414)』は思う▼1970年の大阪万博に作家の佐藤愛子さんは「万博嫌い」を公言していたがテレビ局からの依頼を断れずリポート。そのルポルタージュは、相当に辛辣▼開幕直前なのに工事で混乱する会場に辟易。テレビ局の段取りに立腹。会期中はパビリオン前の行列に戦時中の光景を重ね、展示も気に入らず「なにが進歩と調和だよぅ!」▼昨日、あと1年の記念の催しがあった。しかし、膨張する費用と建築の遅れ。前売り券販売の低調▼佐藤さんの憤怒の矛先は日本社会の無責任体質に向けられていた。すべてがヒトゴト。自分のことのように走りまわっているが、失敗してもだれも責任を取らない。「まことに万博こそは現代の縮図である」。
 (私は)1970年の春、万博会場にいた記憶はあるが、何を見ただろうか。この太陽の塔は見えた。沢山の人がいた。長蛇の列に戦き、月の石を見ることはできなかった。なんのために行ったのであろうか。箱モノづくりでの景気政策の一環であったろうか。今回もそのつもりだろうか。ドカンとイベント、パンとサーカスか。



身体や心に痛手を負い涙する子どもたちの姿は、もうたくさんだ 240413

 講演したウクライナのコルスンスキー駐日大使の「子どもたちの勇気を見ると、私たちは諦めることはできない。必ず勝ってみせる」とのことばに『明窓(240412山陰中央新報)』は思う。ロシアの侵攻開始から2年が過ぎ「支援疲れ」も指摘される。戦闘終結に向けた和平交渉も選択肢の一つだろう。ただ、ロシアによる侵攻で多数の民間人が殺害され続けている現状を踏まえ、大使は「このような相手とは交渉できない」と訴えた。ここに来てウクライナ南部でロシアが占拠している欧州最大のザポロジエ原発への無人機攻撃を巡り、両国が非難合戦を繰り広げている。身体や心に痛手を負い涙する子どもたちの姿は、もうたくさんだ。
 (私は)思う。ロシアの独裁者は、なぜ、友人となろうとせず敵になろうとするのか。脅せば、言いなりになると考えたのか。なぜ、大事な国民を犠牲にして、この戦争を続けなければならないのか。まだウクライナでの戦いは続き、民間人の犠牲は免れない。第三国は油を注ぎ火を広げるのではなく、この火を止める支援ができないのか。

*画像は2024年4月12日の山陰中央新報デジタルより