暁斎展＠MM
京博の暁斎展が、あくまでも肉筆のみだったのに対し、こちらは錦絵、摺物、版本、下絵で構成された展覧会。うまいこと住み分けている。好みはあるが、社会状況などをいわば無視して自律的なものとして扱っていた京博のよりも、社会状況や文化状況との関係を重視していたMMの方が、個人的には面白かった。
しかし、なんの立証も説明もなしに、「暁斎の漫画」と言い切ってしまうのはどうか。マンガミュージアムでの展覧会だから仕方がないが、せめて「漫画と共通する点もある」程度で抑えておいて欲しかった気も……。まあ、ポンチ絵の雑誌にも絵を描いているから、《鳥獣戯画》をマンガと断ずるよりはマシだとは思うが。
京博とMMの両方行けば、暁斎の全貌がほぼ分かるといった意味では良い企画。京博では慶応年間の《放屁合戦絵巻》が出ていて、MMには明治の《開化放屁合戦絵巻》が出ているといった風に。
展覧会見たあと、ホールに人が集まっているので何かなと思ったら、『クッキングパパ』のうえやまとち氏が料理教室を開いていた。すっげえいい匂いで、腹が鳴る。よく見ると、マンガ学部のYさんが司会をしていた。いろんな仕事があるんだな。お疲れ様。
