患者と医師との認識の差。

 決起集会に参加するにあたり、集会前日から東京の実家に泊まることにした。
 父は産婦人科の開業医であったが、数年前に他界。現在はその場所は廃院のまま残してある。
 母は現在高血圧のため近医通院中。もともと医療従事者ではないが、開業医の妻でもあるため、多少は医療のことは知っている。
 もちろん、今回の集会に参加するにあたり、連盟のこと、現在の医療事情のことなどを話したのだが、なぜだか忘れてしまったが、患者の受診態度の問題に話がスライドし、“薬のみ”受診の問題、はたまた無断で外来受診日を変更する患者の話まで至り、ちょっとしたケンカのようになってしまった。


「医者としては、“これだけ薬使ったらこの日にはこれだけよくなるだろうから”って考えて、処方する日数と再診日を決めているんだから、その日に来なきゃダメだよ。来ないなら、少なくとも事前に連絡しなきゃ。」

「え、そんなのイイじゃない。○○さんなんか、“△△日に必ず来てくださいね”っていわれても、“イヤです”ってはっきり言っているわよ」

 たとえ慢性疾患であっても、守るべきところは守って欲しいところなのだが、まぁ、患者の都合に合わせて、泣く泣く再診日を設定しているのが現状だ。
 “薬のみ”受診についても、私は基本的には反対。母はやっぱり、

「そんなの昔からみんなやっているわよ」

 それを野放しにすると、担当医の知らないうちに症状が悪化して、アップアップの状態で時間外外来突然受診、と言う事態が容易に起こり得る、と言うことがわかっていない。
 採算を考えれば、“薬のみ”を拒否することで、評判が落ち、収入が減り…なんてことを考えるのだろうが、本来やってはいけないことだ。
 最後は母にこういわれた。

「あなたと話したら、やっぱり医者と患者との間には大きな溝があるんだなって感じたわ」

 さて、私の考えがまだまだ青いのか、あるいは母の患者としての態度がよくないのか。