プラネテス話とか

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 さて「プラネテス」は、非常によくできたアイデンティティ追求の物語です。

 で、主人公のハチマキは、3巻で船に乗った時点でキャラが完成しちゃったから、実のところそこで話は終わっちゃってる。木星行きの間に作れるエピソードは、メインにはなりえない。*1

 じゃぁ4巻で何をするかというと、デブリサイドで盛り上げないといけない。よって作者はあそこで、新たに派手な展開と誰かのアイデンティティ追求が呼応するストーリーを作る必要があった。それをやるのに、戦争というのは、非常に適した(もっと言うと、手っ取り早い)イベントである、というわけです。

 そして作者は二つを最後で見事につなげてみせた。そのへんはハキムの頃からあったテーマなわけで、別に唐突でも不整合でもなく、美しく完結した表現である、と思います。

 逆に言うと、戦争なしであの話にオチがつけられるか、というと、相当難しいだろうと思うわけですな。

 つまるところ、プラネテスを、純粋に表現のレベルで見る場合、戦争のエピソードというのは、十分妥当性がある、というのが言いたかったのでした。

*1:だから、どうやるのかなぁと俺なんかは心配してたんですが。