「ロマンスとバトル」について

font-da.hatenablog.jp 作品抹消の正当化 二重三重に酷い記事である。 まず、重要な点として、一人の新人作家が、作品を発表後に、撤回させられているという大きな事実がある。新人作家が、大作家に遠慮した編集部によって、電子版から作品を削除され、名前…

15年目の日記

時は流れた なんとなく更新したくなった。この日記の最初が2003年だから、だいたい15年近くが経過したことになる。 昔の文章には力みがあって恥ずかしい部分もあり、今から見ると不正確だったり、言い過ぎたりしてることも多い。 また15年経って色々と変化し…

セカイ系と欠損批評の問題点

要約 「セカイ系」の定義の中に、「社会描写が欠損」していることが入っている場合がある。 通常の物語から、何かを欠損させたのであれば、欠損させたことによって何を得たかの分析が必要であり、欠損だけで批評することは作品批評としては的外れである。 パ…

生存競争は物語を作る

(記憶に残りやすくする工夫というのが、即ち、物語である、という話) 自然淘汰 世の中に、様々な作品がある。そして、それらを受け取る観客がいる。 観客のキャパに限界がある以上、全ての作品は、いかに観客の時間を得るかという生存競争にさらされる。 …

コンテンツとアーキテクチャの分析──やる夫スレの場合

orzさんとの話し合いの中で、コンテンツとアーキテクチャ双方の分析が重要である、という話が出てきた。全くその通りであると思う。 というわけで、最近、思っていた、やる夫スレの個人的分析。 原則 大きく売れた/話題になった作品は、なんらかの形で、ぬ…

これわやっぱりひどい

批評の批評と建設的行為 さてさて批評の批評は、もっと非建設的では? というコメントをいただいた。 基本的に、その通りで、前回のエントリは、かっとなって書いたものでは、ある。 望月の批判が仮に正しいとしても、何もしないで文句を言うよりも、(たと…

これわひどい

http://d.hatena.ne.jp/syusei-sakagami/20091209/1260385560 プロ文芸批評氏による「エロゲーの未来について真剣に考える」と題されたエントリ。あんまり、ひどかったので、発作的に書く。 好意的に読むなら、「昔は、面白いエロゲがあった。セカイ系とかル…

被爆者数と原爆死没者名簿

メモ 広島原爆の死者増を肯定する人は阪神大震災の死者増も考えるべきかも - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt) コメント欄での議論が、かなり長くなったので、こちらにバックアップ。 議論そのものは、引き続き、向こうで行っていま…

いわゆる一つのダブスタ

足利事件 今回の冤罪事件、容疑者の苦しみは想像を絶するもので、早急に補償が行われるのは当然だとして、他方、そんな大きな事件の犯人が放置されていることもたいへん深刻な事態です。早いところ、足利女児連続殺人事件(とあえて言いますが)の真犯人が捕…

科学者とは自説を攻撃するものであるということ

科学的な立証とは 定説が定説である所以は、先に書いたとおり、無数の批判・検証にさらされて、無数の論拠を持つことによる。 それらを、たった一個でチャラにするような銀の弾丸がある、とは、通常、考えにくい。 もしも、「この事実αさえ立証すれば、定説…

torinositoさんとの話追記

これまでの経緯 メタブクマの100字コメントで議論するのが不毛に思えてきたので移動します……。 torinosito 今回の騒動だと、30万人(a1)への懐疑を、南京事件(定説A)への否定と解釈した人が騒いでいたと理解。 motidukisigeru 犠牲者総数への疑義は、a1…

東氏の特異点分析

東氏の分析方法 2009-06-01 - 東浩紀の文章を批評する日記のコメント欄より。 motidukisigeru: ポストモダンだから、作品性vs環境性 というわけでもなく、 ポストモダンだから、作家性vs物語の構造・性質、時代の意識 というわけでもなく、現代特有の環…

トンデモと科学を分けるもの

定説と根拠 歴史学を含む科学においては、様々な定説が存在する。 通常、定説は、色々な角度から検証されている。 単純化していうなら、「定説A」を支える根拠は、「a1,a2,a3,a4」と一杯ある。 定説に対する反論 科学の基盤の一つは、自分自身を疑うことで…

南京事件の閾値、そんなものが不要な理由

南京事件を否定してしまうのは入門知識すら身につけてない証 - 模型とかキャラ弁とか歴史とか こちらのコメント欄で、たいがい長い議論をしてしまったので、移動。 いまさらながら・・・ - Apes! Not Monkeys! はてな別館 こちらのコメント欄も参照しつつさて、…

ハルヒ新作が面白いなぁ

というわけで、「涼宮ハルヒの憂鬱」の小説とアニメの分析。 http://d.hatena.ne.jp/tatsu2/20090523/1243087165 こちら読んで面白かったので触発されて。 あと、こちらも(トラックバックありがとうございます)。 東浩紀終了のお知らせ - 一切余計 まぁ大…

集団が壊れる時

たとえばブラック企業の話とか みんな好きだよね。俺も好きです。好きというと言葉が悪いかもしれない。 様々な意味で現場がぶっ壊れていて、現実が見えなくなった理不尽な指示が飛んで、それを現場が裁量で埋めることになり、結果、やることがどんどん犯罪…

俺なりの要約〜「歴史=物語」の倫理学〜

http://d.hatena.ne.jp/hokusyu/20081218/p1 これを読んで色々考えている。以下、今、俺が理解できた範囲内での要約。 人間は全部の事実を完全に知ることはできないし、その不完全な事実をどうまとめるかは人それぞれ。そこには様々な意図や政治はどうしても…

島宇宙ってなんだろう? あるいは程度問題

大勢って、どれくらい大勢? http://blog.sakichan.org/ja/2008/12/15/not_issues_on_the_interpretation_of_hist#comments Apeman氏が「スルーせずに批判すること」を繰り返しても、社会の中で影響される人はいるかもしれないが、俯瞰してみれば、大勢に影…

絶対的真実は問題にしていない

崎山氏の東浩紀擁護 http://blog.sakichan.org/ja/2008/12/14/on_attacks_against_hiroki_azuma ・「絶対的真実」は存在しない ・言論の自由は大切 ・南京大虐殺否定論でも、存在する意味はある。 ・それらを認めないと、弾圧が起きうる。 どれも賛成ですし…

聞く人の気持ちを考えよう

原爆は落ちてない 例えば、どっかの国で、「原爆なんかホントは落ちてない」「落ちたけど、すげー人が死んだってのは日本人のでっちあげ」という話が出てきた、としよう。 日本人として、あるいは個人として、そういうことを言う人に対しては、控えめにいっ…

結果を考えて物を言おう

前提 文字情報ばかりといえば、はてなブログでは、ぼくが公認してもいない速記の断片的引用ばかりがコピーされ「東浩紀、許さん!」とか言われているらしいのだけど、上記のように、ぼくからすればそれは授業の内容についても僕の立場についても明らかに誤解…

東浩紀は何と言うべきだったか

この世に絶対の真実はない。 アポロは月に着陸してないかもしれない。 ナチスはUFOを作っていたかもしれない。 義経はジンギスカンかもしれない。 世界はトゥルーマンショーやマトリックスかもしれない。その意味で南京大虐殺やホロコーストだって、存在…

ションベンを飲まずに飲尿療法を否定するなかれ──実感至上主義

あらゆる説には耳を傾ける価値がある http://www.hirokiazuma.com/archives/000465.html 東浩紀氏の、南京大虐殺に対する話、再び。 講義の速記や対談、雑誌記事などは、どうしても本人以外の編集が入るので、東氏自身がどう思ってるかは気になっていたのだ…

解釈ゲームと織田信長宇宙人説

全ては解釈ゲーム……か? http://d.hatena.ne.jp/nitar/20081114#p1 南京大虐殺について僕はあると思っている しかしあるという奴とないという奴がいてこれを調整するのは不可能 いくらでも理論武装することは可能 この世界で公共性を考えるなら、まずあるい…

科学とニセ科学と宗教

ニセ科学とか科学とかの話で、「科学も宗教の一つじゃないか」とか「科学と宗教を一緒にするな」とか「ニセ科学は宗教の一種で、文句を言われる筋合いはない」と言ったような発言を見かける。 そういった発言の中で、宗教が「盲信」「狂信」とか「思考停止」…

程度問題あるいは糞味噌一緒

こちらの記事を読んで、はてブコメントをつけたところ、反論のエントリをいただいた。 ・元記事 http://d.hatena.ne.jp/magician-of-posthuman/20081116/1226794244 2008年11月18日 motidukisigeru これはひどい 科学か疑似科学は専門家でないと区別つかない…

不完全な情報で判断を下すということ

ちょっと東浩紀から飛んで、違う話題を。 http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20081113/1226560216 Google Adsenseに、クラスター水の広告が載ったことをきっかけに始まった、疑似科学批判と疑似科学批判批判のあたりを読んで気になったことがいくつかあった。 ht…

東浩紀のアニメ観が迷惑なわけ

最終更新から二年も経ち、様々に読者も入れ代わってると思うので、昔のエントリから落ち穂拾い。 → http://d.hatena.ne.jp/motidukisigeru/20030921#1063904298 作画はマズくて動きも平板でいい さて、東浩紀氏は、アニメ批評が低調な理由として、読者の質が…

東浩紀の批評が嫌われるわけ

何事もなかったかのように更新。 http://yaplog.jp/sennheiser/archive/17 http://yaplog.jp/sennheiser/archive/18 こちら経由で(面白かったです。このエントリの内容も触発されたところが大きいです)、 http://www.hirokiazuma.com/archives/000460.html…

現状、いわゆる美少女ゲームのほとんどは、ノベルゲームからなっている。RPG形式のゲームや、アクションパートのあるゲームもないわけではないが、(少なくとも)割合的に少ない。ノベルゲーム自体のシステム面の進化は、様々に考えられるが、それほど追…