それとは逆に、絶対にあいつを見るまいと歩いているやつがいる。それはきっとわたしが気付いていない時にわたしを見て決めたのだ（あいつと目を合わせないようにしよう＾＾）と。しゅんとなる。だかしかし、わたしが見ていない時にわたしを見た時間が少しで…

四月からの展覧会のお知らせハガキは二月に届いたもの。コルクボードにピンで留めた 宮廷装束の世界。そこからは「ちょっと早めにお知らせしてみました。お忙しいこととは存じますが、ぜひともあなたにいらしていただきたくて。」という風な、奥ゆかしくも手…

ダウンのコートを洗濯機に入れる前に下洗いしておこうと浴室に引きずり込み、洗顔フォームで襟のまわりを洗っていた。袖口も。あ。袖も。と結局一緒の浴槽で生地を傷めないようにぬるま湯につかりながら、おにいさんこういうところ初めて？とかふざけながら…

みんな大好きイタリアン・レストラン。ランチなんて久しぶりだから注文した後ぽかんとしてたら、先輩が氷水をつくってくれていた。気の利かないわたしいけない。じゃあスープを持ってきてねと言われて、はいといったもののこのコーヒーカップを使っていいの…

２月は寒いから２８日までにしよう、と他の月より２、３日少なく設定してくれたにちがいない。昔の人の優しさを感じながら額を冷たくして横になっていた。どこから声がする。曇りガラスの向こうから。もしかしたら春の精の声なのかも。オウストレイリアー。…

ラナンキュラスとかえるの似ているところは、葉っぱの形と手の形。つぼみと目の形。半開きのまんまる。お水と日光を好む。ずっと曇りだとしょんぼり。乾いてしまうとだらんとなる。今日の天気は晴れ。風は強いけど外行く？と尋ねるとといくいく！と言う。夜…

ラナンキュラスについてはいぜんこのように書いたもののなぜこの植物がかえるなのという疑問がぬぐいきれなかったのだが、もう、わかった。とにかくこの花はかえる。かえるそのもの。むしろラナンキュラスから、かえるって実はこうだったのだねと新たに学び…

アメリカ生まれのパンダ、２１日に中国へ帰る、というニュースを読んだ。*1帰るんだ。とつぶやいたら、竹取の翁のように胸がいっぱいになってしまった。*2 *1:http://jp.reuters.com/article/us-china-baobao-panda-idJPKBN15W05Q *2:ライブカメラ https://n…

自分がもう昔に知っている物語を、はじめての人が見ているところ。今ここで。その様子を傍観しているところ。それで「ああ、いいやつだな」とか「こんなにいい人に囲まれてるじゃないか」なんて自然に感想を述べているのを、うむ。と聞いてる。耳はうれしく…

時はやってきた。急がず、少しばかり時間をかけて、あらゆる可能性を探し出す程には悩まず、だがせめてふたつ以上のプランを用意できるようにと考えた、今までのわたし達のために。そして一週間の猶予の後決行した。そんな別れの後には穏やかな未来も想像す…

大通りからその路地を眺めると細く果てしなく続いている。しかもその先にときどき猫がいたりする。その朝もその家のおかあさんが手に餌らしきものを持って歩み寄ってくるを認めた猫は知らないふりを装って９０度横向きになった。それでほんのすこし前足を浮…

「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」のチョココーナーに、ラミー バッカス カルヴァドスと並んでいた。わたしは、あ、らみーだ、ばっかすだ！と手に取るように見て行って最後に低く Calvados とつぶやいた。Calvadosの発音はこちらのサイトの▽を何度も押して既に…

「５×キロになった。」といもちん*1にメールした。返事が来て「おねいまん。５×キロは、ちょっと重すぎよ？このままではス○イルラ○ド(大きいサイズ専門のカタログ)でお洋服を買うことになるわ。いもだ*2、おねいまんがス○イルラ○ドに移住しちゃうなんて絶対…

宇宙の広がる速度と星の光が過去からここへ届く時間。の計算はとても難しそう。オリオン座の赤い一粒を見ながら考えていた。彼の足元にいる大きな犬と小さな犬。世界中の犬は毎日一匹ずつ、大きな犬が小さな犬をくわえて遠い過去からお届けされてくるのだ。…

９９４７。（もうじきこのくるま一万キロになるじゃん。でもきっとぴったり１００００になる時は見逃してしまう気がする。）と頭の上らへんに吹き出しを浮かべながら運転していた。県境と河川をやっと超えたところで、ふと見たらちょうど１００００であるこ…