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2010年06月03日

[][] 日本の電子書籍に必要なたった一つのこと


先日、突如始まったソフトバンクの電子書籍サービス、ビューン

しかしその期待感からかアクセスが殺到したようで、

まともにサービス開始出来てない状況にあります。

今確認したら、アプリも取り下げになった様子・・・


それを責めるつもりはないし、ある意味、他人事でもないんですが、

他の電子書籍サービスを見てても、どうしても言っておきたいことがある!


ということで、今日は予定を少し変更して電子書籍のことを。



まずは今iPadで利用出来る電子書籍アブリについて。

対象はコンテンツ配信・購入、取り込み型のアプリのみです。

単体の電子書籍アプリは多すぎるので(^^;;


コンテンツ配信・購入型

iBooks無料

アプリは秀逸。

ストアへの遷移は画面の回転で、本をタップした時はズームアニメーションで本が開く。

わかりやすい。でも日本語の書籍がない・・・


Now Printingビューン無料

ソフトバンクが提供するサービスだけにコンテンツはとてもいい。

でもサービスが停止状態。タイトルから何も変わらなかった。


マガストア 電子雑誌書店無料

本をタップした後の動作は右への画面遷移。

何故かページをカバーフローで表示。表示はかなり遅い。

「ちょっと読む」しても内容はちっとも見れない。

横にした時の左部分の意味もよくわからない・・・


雑誌チラよみ+お買い物無料

雑誌をチラッと読める。本当にチラッとだけ。

アプリはマガストアと同じベース?なんか似てる。


Renta! 100円貸本 HD無料

コンテンツはいい。でもアプリの出来はイマイチ。

UIが予想外な動きをするのと、タップしても反応がなかったり。

どこをタップしたらいいのかよくわからないし、

下のツールバーが初期状態で隠れてる。なぜ!??



とまあ、こんな感じです。

なんということでしょう、この状況は。

まともに読めるサービスが一つもない!

あんなに期待感いっぱいで、待ちわびてた電子書籍だと言うのに!!


特に問題だと感じるのは、まあアプリの出来云々は置いとくとして、

読みたい雑誌や書籍を読もうとした時に、


どのアプリを起動すればいいか、全くわからない!


という点。

これ、リアル書店で例えると、目的の本を探してるんだけど

どの書店で売ってるかわからないから何店舗も探しまわるってことですよ?

私が住む地方の地域で単純に売られてないってわけじゃなくて、ね。

こんな状況だったら普通は「もういいや・・・」ってなります。

最寄りの書店で本買ってきた方が速いですからね。

便利になるはずの電子書籍だと思ってたのに・・・・、

何をしたいんですかね?さっぱりわかりません。


今のこの日本の電子書籍業界の現状をイメージにすると、以下になりました。


f:id:moto_maka:20100603041733j:image



ちなみにこの絵は以下のアプリで描いてみました。

絵のクオリティは私のせいであって、とても素晴らしいアプリです。

お絵描パッド230円(2010/6/3時点)

子供たち用に、と思って購入したんですが、非常にシンプルで

描いてて楽しくなるアプリですね。

線の太さを変えたり、キャンバス移動や拡大縮小が出来ないという

細かい配慮がないのが逆にいい感じです。

実際のお絵描きに近い感覚かな?と思いました。

すみません、これは余談でした(^o^)



コンテンツ取り込み型

今度はコンテンツ取り込み型のアプリです。

CloudReaders無料

とてもシンプルなUIでわかりやすくて読みやすいです。

アプリの挙動もイメージ通りなので違和感なく使えます。


i文庫HD700円(2010/6/3時点)

ページめくりのエフェクト、本棚のイメージはiBooksを彷彿とさせます。

まさに秀逸といっていいでしょうね。ずっと有料で1位なのも納得。

そしてiPhone版同様、青空文庫の膨大な書籍を読めます。

コンテンツは無限大!


そして、今や書籍を裁断してコンテンツ化し、お気に入りのアプリで読む、

という記事が非常に注目されています。


待ってたぜ! 自分で裁断してScanSnapでPDFにした雑誌と書籍をi文庫HDを使ってiPadで読む! [iPad] [Net] [Gadget]

裁断機 PK-513L で本を 100冊裁断してみた - 経験した 9つの失敗とその回避方法


結局、ユーザに望まれてるものは何なのか、ということなんですよ。

私も時間があったらそうしたい・・・



コンテンツ配信型電子書籍アプリの問題点と解決策


配信型の問題点は一目瞭然。

コンテンツのカオス化とアプリの品質。これに尽きます。

コンテンツを囲い込みたいのはわからないでもないけど、

ユーザに不便を強いては意味がなくないですか?

そんなんじゃ、誰も見てはくれませんって・・・・。

それに対して、コンテンツ取り込み型アプリの品質は

まさにiPadアプリの最高峰、と言っていいレベルです。


この、コンテンツ配信型と取り込み型の差は、一体なんなんでしょう?

コンテンツ取り込み型のアプリは、いわゆるオープンなコンテンツや

自分が作ったコンテンツを読むためのものなので、アプリ作者は

コンテンツ自体には気を使わなくてよく、その分アプリの品質向上に

力を入れることが出来るわけですね。

逆にコンテンツ提供者はアプリを意識しなくてもよい。

という、まさにWin-Winの関係が築かれてます。


となると、コンテンツ配信型がこの状況を打破するのに

一番効果的な方法は、これしかないと思います。


コンテンツのオープン化


日本版iBookstoreを作って、どのアプリからもアクセス可能とする、

そんな電子書籍コンテンツのプラットホームサービスを構築する。

このサービスにおいては、安定したコンテンツ提供にのみ集中すればいい。

ユーザはどのアプリからでもコンテンツを利用出来るようになるし、

それを利用するアプリも爆発的に増えて競争も起こるでしょうし、

結果的に全体の品質が向上していくはず。

ユーザも優良なアプリが出たら乗り換えればいいだけなので

安心してコンテンツを買えるようになるはず。


簡単に言うなよって話ですね、すみませんm(_ _)m


実はこの形式の電子書籍サービスは既にあって、

iPhoneの青空文庫対応アプリがその典型ではないかと思います。

もちろん青空文庫と現在進行形の書籍を同一に考えてはいけませんが、

事実として、iPhoneアプリで青空文庫リーダーは一大分野となり、

多種多様で高品質なアプリが集まった分野の一つだと思ってます。

作ってる方々の努力と苦労を想像すると、安易に参入出来ない程のレベル。

その結晶がi文庫HDであり、ダイヤモンド社からリリースされている

電子書籍アプリのベースとなっているSkyBookです。

どちらも素晴らしいアプリで、コンテンツ配信型サービスは

どうしてこのアプリをベースにしないのか不思議でなりません。



iPadの日本上陸で、せっかく火が付いた感のある電子書籍。

今の状況で、コンテンツ配信型サービスが普及していくとは到底思えません。

それが簡単なことではないのは十分理解しているけど、

だからといって、このままでいいとは思わないわけで。


しばらく様子を見ようと思ってますが、コンテンツ配信型サービスが

今の状況のまま、ユーザの利便性向上をしてくれそうでないなら、

そろそろ裁断機とScanSnapの導入も視野に入れないといけないかなぁ、

と思いつつある今日この頃です。

出来れば自分の時間はアプリ作るのに使いたいから

コンテンツ提供は出版社さんやソフトバンクさんのタッグで

皆が便利な環境をなんとか作って欲しい、ってのが本音なんですけどね(^^;;


 

tachiotachio 2010/06/03 09:00 そうですよね、我々は本が読みたかったのであって本を読むアプリが欲しかった訳では有りませんよね。各出版さんも結局品揃えの悪い本屋さんは結局店をたたむ事になるでしょうね。
また、映画やテレビのようにitunesで購入できないって面倒、もう 数多くのパスワードを管理したくねーって!!

togusa2501togusa2501 2010/06/03 09:10 まさにそう思います!スキャン代行業者の記事なんかも見かけたことはありますが、そんなやり方が一般的になるようでは、出版社も先細りではないでしょうか。裁断に躊躇のいらない古本ばかりが売れて「Book Off栄えて国滅ぶ」みたいな。
日本はATRACやCCCDの頃から企業利益>>>超えられない壁>>>ユーザビリティーですね。そろそろ学んでもらいたいです。iBookに全てを持っていかれる前に。

Taka@ぽたモバTaka@ぽたモバ 2010/06/03 23:07 興味深く拝見しました。
個人的には「オープン化」など日本企業にはムリだとおもっています。可能性があるとするなら黒船による外圧。。。
というわけでそろそろ”自炊”の準備に入ろうかと思う日々です。

自炊自炊 2010/06/04 00:58 うちも自炊を考えているくちです。裁断機、値下がりしてきたのでそろそろいこかー、みたいな。
でも、出版社ってほんとに時流を捉えるのが下手ですよね。スキャン代行サービス業者まで出てるのに、なんで自らやらないのかな。

自分が出版社の人間だったら、顧客が既に持っている自社の本を回収して、そのPDFを代わりに送信するサービスを始めます。それも、ごくごくわずかな手数料で。それ自体での利益はあがりませんが、別の側面で本の流通を活性化することはできるかもしれません。

PDFとひきかえに現物を回収すれば、既にその作品を持っている人に不当な追加出費を強いずにすみます。そして、それが中古に流れるのを食い止めることができる。これが大きい。
PDFに、暗号化なり所有者情報を埋め込むなりしてくれてもいいです。おちおち放流できないと思わせる程度の細工はしてもらって。こっちは自分の財産だから、人にただでくれる気なんかさらさらないので、いっこうに構わない。

客のほうも、もしかしたら中古市場で手に入れた本を送ってくるかもしれません。でもいいんです。なぜって、中古市場に流通する本の実数を減らすのが最終目的だから。何十回転もしても原著作者と版元に一銭もわたらない中古本を淘汰するのは、出版社の悲願でしょう。
1000円で新本を買っても、100円で中古本を買っても、法律ではどちらも正当な所有者です。要はPDFとひきかえに現物を回収さえすれば、所有者に不当な追加出費を強いずにすみ、中古市場を痩せさせることができます。中古書店で見つからなければ、新本を買うしかなくなるのだから、それだけでも出版社にとってはメリットがあるはず。

やがて、新本を最初からデータで買う客が世の大半になるでしょう。その時に、京極氏のように、原価から見たまっとうな金額で売ってくれれば嬉しい。

moto_makamoto_maka 2010/06/04 04:46 >tachioさん
そんな悲しい展開は避けて欲しい、と思いますよね・・・

>togusa2501さん
>裁断に躊躇のいらない古本ばかりが売れて
そうか、その手がありましたね・・・
と思ってしまいました(^^;;

>Taka@ぽたモバさん
自炊の準備、されますか・・・
私は毎朝朝食作ってて、これ以上の自炊は・・・
と思うので、もう少しだけ、様子見してみます(^^;;

moto_makamoto_maka 2010/06/04 04:53 >自炊さん

>自社の本を回収して、そのPDFを代わりに送信するサービス
>中古市場に流通する本の実数を減らすのが最終目的
>何十回転もしても原著作者と版元に一銭もわたらない中古本を淘汰するのは、出版社の悲願
>中古書店で見つからなければ、新本を買うしかなくなる


素晴らしいです。
なるほど、確かにその通りですよね。
そのようなサービスがあったら、最初は今まで通り
書店で買ってもいいですよね。
そろそろ整理するかなーと思ったら、出版社自身が行う
電子書籍化サービスを利用してPDFなりで送ってもらう、と。

これ、絶対受けるサービスだと思います。
どうしてやらないんだろ?思いつかないだけですかね?

narunaru 2010/06/07 09:20 こんにちは。とても参考になりました。
できましたらiPhoneアプリ
「雑誌オンライン」についてもぜひレビューを伺いたいです。

ところで、出版社による電子書籍化サービスとなると
著作権保護機能をどうするべきかが気になるのですが、
そのあたりはすでに良い方法があるのでしょうか?

snow3snow3 2010/06/07 11:00 コンテンツのオープン化は語弊が無いでしょうか?
コンテンツアクセスAPI、表示APIのオープン化じゃないでしょうか?

moto_makamoto_maka 2010/06/07 12:35 >naruさん

雑誌オンラインってiPad版ありましたっけ?
探してみますが、エントリされなかった時は察してください(^_^;)

著作権保護の話は難しい問題ですよね。
保護はされてしかるべき、でもユーザビリティが
損なわれたら意味がなくなるし。
なので、こうしたらどう?的な考えはあるので
近々エントリーしようと思ってます。

moto_makamoto_maka 2010/06/07 12:40 >snow3さん

語弊はあるかもしれませんが、
書いた時は他に適当な言葉を思いつかなかったので・・・
また、これ!という具体的な案を書いてるわけでもないですしね。

maccori777maccori777 2010/06/10 15:16 ibooks黒船の絵とゴゴゴゴ…という擬音がカワイイです

日本は映像も音楽もそして書籍もコンテンツは豊富で良質なのに、おそらく感度があまりよろしくない方が権力を握ってるせいで、デジタル化が進まないですね
書籍に関してはライバルはAmazonなのに、この体たらくでどうするんだと思います
iPadでAmazonから書籍を購入した時、少し虚しさを覚えました

moto_makamoto_maka 2010/06/11 04:41 なかなか難しいですよね、きっと。
出版不況と言われてる中で色々と動きはあっても
既存の慣習や関係各社を無視は出来ないでしょうし。
でも世の中はどんどん変わっていくんだから
それにどうやって向き合っていくのか、難しい問題だと思います。

higekuma3higekuma3 2010/06/20 08:35 ソニー、凸版印刷、KDDI、朝日新聞社で事業企画会社が
できるみたいです。

マイナス思考マイナス思考 2011/02/27 15:00 電子書籍で検索して拝見しました。

すばらしい表現です。私も電子書籍には2度期待していましたが,
今回も進みませんね。米国はそれなりに進んでいるそうです。

違いはやはりフォーマットが統一でない点(政府自体が民間を放っておく体質なので)があると思いますし,会社として役割がごちゃごちゃしています。

例えば出版社と販売店など全部日本は入り組んでいますよね。
個人でもっと出せば良いと思うんです。そういう意味ではもう出版社の力は
限られると思います。

昔は流通など個人では問題がある課題もあったので,個人で出版することが
難しかったと思いますが,今ではAmazonやAppleなどで簡単に流通させることが
出来ます。よってこのへんの役割をきっちりやらないとだめだと思います。

小説にイラストが必要ならそこは出版社との契約の方が本の完成度があがり,
売れるとの見解とか,そのまま出したければ,Appleにそのまま登録するとか
って感じます。

シャープがガラパゴスでストアーなんていうのも欲張り過ぎです。
自社のテクノロジーだけですべての出版物が出せない以上,
儲けが出ない可能があります。

やはりフォーマットの統一化と業界の役割分担をしっかり行う。
企業が役割を超える場合は,買収をすべきです。

例えばGoogleやAppleは音楽や書籍などに手を出すときはその筋の
企業を買収しています。とか。。。

日本はまた駄目なんじゃないでしょうかね。って気がしています。

まぁ本来は電子政府がやるべきとも思いますが。

moto_makamoto_maka 2011/02/28 04:45 この記事を書いてから半年以上が経過して、
状況は未だよく見えず・・・ですね・・・(^^;;

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