2018年08月23日(木)

ニコンがフルサイズミラーレスカメラを発表した。

ニコンは、35mm判フルサイズ相当の撮像素子を搭載する
ミラーレスデジタルカメラを発表した。ラインナップは
高解像度タイプの「Z7」とオールラウンダータイプの「Z6」の2機種。
新たなブランド名称として「Z」を冠する。価格はいずれもオープン。

これまで、35mm判フルサイズの撮像素子を搭載するレンズ交換式の
ミラーレスカメラ市場はソニーとライカの製品のみであった。

一眼レフカメラで多くのユーザーをかかえるニコンが、
フルサイズセンサーを搭載する本格的なミラーレスカメラを投入した
意義は大きい。一眼レフカメラを含めた今後の市場の動向が注目される。

https://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/1138249.html

ついにニコンがミラーレスカメラ市場に本格参入した。
きっかけは、ソニーのα9の成功だろう。
女子向けのちゃらいミラーレスでは本気出す気にならなかったニコンも、
一眼レフ派のハイアマチュアたちが次々にα9へ乗り換えるのを見て、
「それならウチも」とやる気になったに違いない。
万年素人の私にとっては雲の上の話ですが、一応ニコンユーザーの
1人として、Zシリーズの成功を地味に願っております。

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松家仁之の小説「光の犬」を読んだ。非常に良い小説だった。
この作家はデビュー作「火山のふもとで」が素晴らしかったが、
「光の犬」も「火山のふもとで」に勝るとも劣らない傑作だ。

北海道東部の枝留という架空の町(モデルは遠軽町)を舞台に、
ある一家の戦前から平成までの三代にわたる死と生を描いた物語。
時間軸を無理なく交差させる巧みなストーリーテリングと、
端正かつ繊細でディテールが生きた見事な文章が相まって、
読み終えるのが惜しいくらい魅力的な文学空間を創り出している。
舞台が北海道なのに登場人物がみんな標準語で喋ってるのは
不自然だけど、ここまで文章が美しいとそれも気にならない。
むしろ方言を避けたからこそ、これだけの完成度に達したのだ。

たぶん今年の谷崎賞はこの作品で決まりだろう。私にとっても、
今年読んだ日本の文学作品の中でベストになるのはほぼ確実。
暑さに負けてダラダラと過ごしてしまったこの夏だっただけに、
「光の犬」に出会えたことは大きな喜びだ。著者に感謝します。