例年どおりの新年会とモルトが香る2軒目

毎年、同じ様なことをくりかえしていると反省がないわけではないが、気に入っていることをそう簡単にやめてしまう気もあまりないようだ。長年の経験で自分の好みもわかっているので、無用に変更もしないということだろう。
飲み友達との新年会は、神田・三州屋と決まっている。これは、ふたりで何となく決めてからもう久しい。新年会といっても、新年1回目の酒盛りというだけのこと。

↑年末、新年早々からの仕事の山がひと段落で、平日の木曜日でもお休みに。午前中、ジムに行って汗を流し東銀座『千里浜』焼きサバの昼定食を食べて日比谷で映画を観た。刺身定食がうまい『千里浜』だが、一夜干しのサバもかなり旨かった。銀座の昼飯は、ここで決まりだ。

↑有楽町の駅前、週末を前に北国から雪が運ばれてきたのだろうか、雪像かまくらのイベント準備をしていた。週が変わって、成人の日に東京にドカッと雪が降り積もってそこら中が白くなったのだが。

典型的な東京・神田の居酒屋で、各自に燗酒1合徳利を手酌でちびちびやりながら、どんな年末年始、正月だったかとたわいもない話で盛り上がる、おじさんのささやかな楽しみなのだ。
刺身の盛り合せを各自専用にひとつずつにして、話に夢中になって食べそびれる事もないように、あくまで飲み食べは自分のペースでといった趣向だ。

↑日比谷の映画館から、待ち合わせの神田の『三州屋』に来た。日の短い冬の時期だが、まだほんのり明るい17時からの飲みはじめ。

↑瓶ビールで新年の乾杯をすませた後は、各自の1合徳利でマイペースに飲む。

↑刺身の盛り合せもひとりにひとつ専用に。

↑旨味の凝縮した甘辛の濃い味付け、人気の銀ムツのあら煮。

↑本日は、酢だこの気分で。

↑はまぐりの酒蒸し。汁をつまみに酒を飲む。

↑野菜ものは、セリおしたし。

↑最後の一品は、卵焼で終わり。

先週の仕事はじめの日、初日だということで仕事仲間と少し飲んだ。その時に行ったバーで“イチローモルト”なる聞きなれない国産ウィスキーを飲んだ。埼玉・秩父の蒸留所、今注目のシングルモルトは、ロックではもったいないということで、ワイングラスよりはぐっと細身で飲み口が細くなり香りが逃げない専用のグラスで飲んで、驚いた。これは、本当に旨い。この香りと味わいははじめての経験だった。
だから、今夜の2軒目はバーに行きたいと思っているが、サイトを探してもなかなかここに行ってみようと店を見つけられなかったと話したら、神保町でバーに行った事があるが名前が出て来ないと飲み友だちが言う。連れて行ってもらった人にメールして聞いてみるとサクサク話は展開し、神田から夜の散歩で神保町に向けて歩きはじめた。夕方の早い時間から飲みはじめたので、今夜はまだ早い。
『bar Plat』は、神保町の交差点から白山通り、水道橋方向の右側すぐだった。馴染みのある街で、こんなところにバーがあったのかと地下に降りてみるとバーテンダーがひとりで切り盛りする落ち着いて、こぢんまりした店だった。

↑『Bar Plat』は、神保町の交差点からすぐ。店の看板がうまく撮れなかった。

↑バスペールエールは、お気に入りの生ビール。

夜の散歩の息を落ち着かせるため、バスペールエールの生ビールでのどを潤した。さて先週、飲んだ“イチローモルト”のくだりを話して、目の覚めるようなシングルモルトをまた飲んでみたいのだがと、単刀直入のぶっちゃけで話してみた。
「なんという銘柄を」と、聞かれても酔いもしていたので、聞き慣れない名前など覚えていられる訳もなく、力強い香りと旨さが口に残っているだけだった。
店には、口の空けている“イチローモルト”のボトルが3本あり、強いタイプは値段も張って一杯が3,400円するとの事。それでは、身の程から考えて高すぎるので、常識的な値段で飲めるモルトウィスキーをストレートでと、お願いした。
グレンファークラス 12年』Glenfarclas'12
勧められるままに、これにして、飲み友だちは“イチローモルト”の軽やかなタイプでロックを飲む事になった。

↑『グレンファークラス 12年』Glenfarclas'12 ストレートで

焼酎、日本酒がメインで、ウィスキーといえばハイボールをこよなく愛していたが、シングルモルトの香りを楽しむのもまた、いいものだなと思いも新たにした。
いつのまにか、カウンターが客で全部うまっていて、ほとんど人がつまみもとらずに思い入れのある酒を楽しんでいるようだ。
もう一杯、飲んでみたいが、今度は、ロックでとお願いしたら
『クライヌリッシュ 14年』CLYNELISH'14
店に入ってから時々、シャカシャカと聞こえると思ったらロック用に氷を削っていたのだ。その丸い、角が取れた大きな氷をカラリといわせて飲む味もなかなかいい。

↑『クライヌリッシュ 14年』CLYNELISH'14 ロックで

↑氷もうまさの秘訣、なんだろうな。

↑アルコールの度数が高いから、3杯目は少々飲み過ぎになりそうなので最後のもう一杯は、バスペールエールを。そろそろ、帰りの時間も気にしなければならない頃で、長い時間しっかり楽しんだなぁー。

居酒屋とは、流れる時間が違うように感じるが、どちらも共に飲み友だちとの新年1回目の楽しい時間が過ぎて行った。
モルトウィスキーにのめり込む事もないと思うが、バーをまた楽しみたいとは思った。とにかく、今夜飲んだ銘柄を手帳に書いて、基準として覚えておこう。ちょっぴり、新しい事にも興味の持った年のはじまりだ。(1月10日 飲)