女流名人位戦第2局は中井広恵女流三冠が勝ちタイに

本日行われた女流名人位戦第2局▲清水市代女流王位 対△中井広恵女流三冠の対局は128手で中井女流三冠の勝ちでした。棋譜女流名人位戦のサイトでご覧になれます。

横歩取り3三角から互いに中住まいに構えましたが、後手が機敏に飛車を動かしたため先手は全ての筋に歩を打たされ作戦負け模様。その後、先手の歩越し飛車が殺され勝負ありとなりました。後手の駒組みに構わずひねり飛車を目指したあたりに無理があったのでしょうか。

第3局は2月8日(日)に行われます。

NHK杯戦に羽生善治三冠が登場

今日のNHK杯テレビ将棋トーナメント羽生善治三冠 対△中田宏樹七段の対局は69手で羽生三冠の勝ちでした。相掛かり▲2八飛▲3六銀型から、後手が先手の攻めを呼び込んで派手な斬り合いになりました。しかし、その手順は先手が読み勝っていたようで飛車の素抜きが見事に決まり、短手数で先手の勝ちとなりました。

11時半前に終局してしまったため、感想戦を30分も見ることができました。「こういう手がありますか?えーと……」(数秒考えて歩を進める ← おそらくこの間に、攻め合って一手勝ちになる変化をいくつも読んでいる)という感じで水面下の読みの深さが印象的でした。声が小さいので対局者の2人がしゃべっていることはほとんど聞き取ないし、聞き取れてもかなり先の局面の話をしていたりで解説なしでは理解できない部分が多いのですが、逆にそれがリアルな雰囲気を醸し出していました。

NHK杯もベスト8が出揃ってきています。ここまで来ると見逃せない対戦が目白押しで楽しみです。

米長邦雄永世棋聖が新刊書籍の書名を公募中

今日更新された米長邦雄ホームページの「スケジュール」によると、3月に米長邦雄永世棋聖の新刊書籍が日本将棋連盟から刊行されるそうです。内容は次のようなもの。

  • 米長邦雄が若手達を語る
  • 米長VS羽生、生涯の一局の全て
  • 佐藤康光が米長大分析
  • 橋本和生がみた役者以上の役者米長
  • 中原、谷川、羽生三人も特別寄稿の対米長戦
  • 3人の弟子からみた師匠
  • 名場面集
  • 米長自戦解説12局 升田、大山から康光、森内、郷田まで

この本のタイトルを一般から募集するそうです。これはという名前を思いついた方は応募されてはいかがでしょう。採用された方には指導対局とのことです。

現役引退を期に米長永世棋聖の将棋人生を振り返る内容のようですね。購入するかどうかはわかりませんが楽しみです。何となく『米長の将棋』を読みたくなりました。

体質

お金が動くときに、契約書や請求書があるのが当たり前のようになってきています。

私めは、そういったものが嫌いといいますか、玉稿をいただいた代価としてお金を渡すことをわざわざ書面で約束したり、まして玉稿を下さった方に請求書を出させたりするのは、なんだか失礼なんじゃないかと感じるのですね。作り出したものをいただいて、お金を払うのは当たり前なんで、そこにいちいち書類が必要というのでは殺伐とした感じがしてしまいます。

編集長の近時片片1月25日分を読んで、近代将棋の体質の一端が見えた気がしました。約束はできるだけ取り交わさない。お互いの暗黙の了解で事を処理する。近将ホッとラインでごたごたが起きたのもそういう考え方が背景にあったわけです。お金の問題ではありません。

仮に今後将棋界がファン層を拡大するとすれば、内輪の常識を共有しない人と接触する機会はますます増えるでしょう。近代将棋の場合、ネット上での掲示板による対話が初めての機会になりました。まず求められるのは、内輪の常識と世界の常識とのずれを認識することではないでしょうか。なあなあ体質では、もはや発展は望めません。