NHK杯戦に羽生善治三冠が登場
今日のNHK杯テレビ将棋トーナメント▲羽生善治三冠 対△中田宏樹七段の対局は69手で羽生三冠の勝ちでした。相掛かり▲2八飛▲3六銀型から、後手が先手の攻めを呼び込んで派手な斬り合いになりました。しかし、その手順は先手が読み勝っていたようで飛車の素抜きが見事に決まり、短手数で先手の勝ちとなりました。
11時半前に終局してしまったため、感想戦を30分も見ることができました。「こういう手がありますか?えーと……」(数秒考えて歩を進める ← おそらくこの間に、攻め合って一手勝ちになる変化をいくつも読んでいる)という感じで水面下の読みの深さが印象的でした。声が小さいので対局者の2人がしゃべっていることはほとんど聞き取ないし、聞き取れてもかなり先の局面の話をしていたりで解説なしでは理解できない部分が多いのですが、逆にそれがリアルな雰囲気を醸し出していました。
NHK杯もベスト8が出揃ってきています。ここまで来ると見逃せない対戦が目白押しで楽しみです。
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体質
お金が動くときに、契約書や請求書があるのが当たり前のようになってきています。
私めは、そういったものが嫌いといいますか、玉稿をいただいた代価としてお金を渡すことをわざわざ書面で約束したり、まして玉稿を下さった方に請求書を出させたりするのは、なんだか失礼なんじゃないかと感じるのですね。作り出したものをいただいて、お金を払うのは当たり前なんで、そこにいちいち書類が必要というのでは殺伐とした感じがしてしまいます。
編集長の近時片片1月25日分を読んで、近代将棋の体質の一端が見えた気がしました。約束はできるだけ取り交わさない。お互いの暗黙の了解で事を処理する。近将ホッとラインでごたごたが起きたのもそういう考え方が背景にあったわけです。お金の問題ではありません。
仮に今後将棋界がファン層を拡大するとすれば、内輪の常識を共有しない人と接触する機会はますます増えるでしょう。近代将棋の場合、ネット上での掲示板による対話が初めての機会になりました。まず求められるのは、内輪の常識と世界の常識とのずれを認識することではないでしょうか。なあなあ体質では、もはや発展は望めません。