ボビー・フィッシャーが脱税容疑で米国へ引き渡しの可能性

フィッシャー氏は92年、経済制裁下のユーゴスラビアでチェスの対局を行い、賞金365万ドルを手にした。経済活動をしてはいけないという米政府の大統領令違反容疑で起訴された。「チェスをしただけ」というフィッシャー氏が帰国して有罪となれば最高10年の懲役、25万ドルの罰金となるため、帰国せず反米的な発言を繰り返していた。脱税には一般に6年の時効があるが、賞金を投資などに運用、その後の収入を申告していなかったとみられる。また、著書の印税も毎年受け取っているとみられる。

大統領令違反だけなら犯罪人引き渡し条約の対象にならないのですが、脱税で起訴されると引き渡し条約に基づき収監されることになりそうです。

フィッシャー氏は72年、アイスランドで行われた対局でソ連のチェス世界王者を破り、米国人初の世界王者になった。冷戦時代の英雄として、アイスランド政府は昨年末、フィッシャー氏の受け入れを表明、フィッシャー氏もアイスランド行きを希望し旅券も発給されている。大統領令は犯罪人引き渡し条約の対象ではないため、フィッシャー氏は自費出国を申請し、支援者は航空券も購入しているが、法務省アイスランドへの出国に応じていない。法務省は米国への送還に固執していることを明らかにしており、米国の要請があれば、引き渡すのは必至だ。

この「固執」の理由は米国の意向にあることは間違いないでしょう。どうして今になってそこまでこだわるのか、今ひとつ飲み込めません。